👨🍳 著者プロフィール:大将・タケシ
元ホルモン焼き屋店主・現「おうち居酒屋」研究家。大衆ホルモン焼き屋を10年経営した経験を活かし、現在はSNSやブログで「手抜きなのに本格的」な家飲みおつまみレシピを発信中。面倒くさがりな酒好きの頼れる兄貴分として、専門用語を使わず「家庭でいかに簡単・安全・美味しく食べるか」を最優先にアドバイスしています。
居酒屋で食べた「ガツ刺し」のコリコリ食感。
さっぱりしていて、ポン酢やネギ塩だれとの相性もよく、お酒のおつまみにぴったりですよね。
「家でも作ってみたい」と思ってレシピを調べたら、
「生のガツを塩もみする」
「何度も洗う」
「長時間ゆでる」
そんな手順が出てきて、少し面倒に感じていませんか?
家庭で気軽に作るなら、スーパーや精肉店で売られている「ボイル済みガツ」を使うのがおすすめです。
すでに下ゆでされているため、生のガツから仕込むよりも手間が少なく、初心者でも扱いやすいです。
ただし、ここで大切な注意があります。
「ガツ刺し」という名前でも、生の豚内臓を食べる料理ではありません。
豚肉や豚の内臓は、生で食べてはいけません。
厚生労働省も、豚の肉や内臓を生で食べると、E型肝炎ウイルス、サルモネラ、カンピロバクター、寄生虫などのリスクがあると注意喚起しています。
この記事では、ガツの部位、牛ミノとの違い、ボイル済みガツの選び方、臭みをやわらげる下処理、ネギ塩ガツ刺し風レシピ、保存の注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
安全に食べるために
ガツは豚の胃です。豚肉・豚内臓の生食は避け、必ず十分に加熱されたものを使いましょう。ボイル済みの商品でも、パッケージに「加熱してお召し上がりください」と書かれている場合は、その表示に従って再加熱してください。小さなお子さん、妊娠中の方、高齢の方、免疫力が下がっている方は特に注意しましょう。
この記事でわかること
- ガツがどこの部位か
- 牛ミノとの違い
- ガツ刺しは生肉ではない理由
- ボイル済みガツを選ぶメリット
- 臭みをやわらげる茹でこぼし方法
- ネギ塩ガツ刺し風の作り方
- ポン酢・味噌だれなどの味変レシピ
- 保存と食中毒予防の注意点
ガツとはどこの部位?
ガツとは、豚の胃のことです。
焼肉店やホルモン料理店では、豚ホルモンの一種として提供されることがあります。
コリコリとした歯ごたえがあり、脂っこさは少なめ。
味に強いクセは少なく、下処理をすればさっぱり食べやすい部位です。
日本畜産副産物協会でも、ミノ・ハチノス・センマイ・ギアラ・ガツなどの胃の部位について、下処理やレシピが紹介されています。
ガツの特徴
- 豚の胃袋
- コリコリした食感
- 脂っこさが少ない
- ポン酢や塩だれと相性がよい
- おつまみや和え物に使いやすい
- 下処理で臭みをやわらげやすい
居酒屋で「ガツ刺し」として出てくるものは、基本的に加熱済みのガツを冷やし、刺身風に食べる料理です。
ガツと牛ミノの違い
ガツとよく似た食感の部位に、牛ミノがあります。
どちらも胃の部位で、コリコリした食感が魅力です。
ただし、動物の種類が違います。
| 部位名 | 動物 | 部位 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ガツ | 豚 | 胃 | 比較的あっさり、コリコリ食感 |
| ミノ | 牛 | 第一胃 | 歯ごたえが強く、焼肉で人気 |
ざっくり言うと、ガツは「豚の胃」、ミノは「牛の胃」です。
食感は似ていますが、ガツのほうが比較的手頃な価格で手に入りやすいことがあります。

「ガツ刺し」は生肉ではありません
「ガツ刺し」という名前を聞くと、生のガツを食べる料理だと思ってしまうかもしれません。
しかし、家庭でガツ刺し風のおつまみを作る場合、生の豚内臓を使ってはいけません。
豚肉や豚の内臓には、E型肝炎ウイルス、サルモネラ、カンピロバクター、寄生虫などのリスクがあります。
厚生労働省は、豚の肉や内臓を生で食べるとE型肝炎ウイルスに感染するリスクがあり、重い肝障害を起こすことがあると注意喚起しています。
また、豚の生肉や内臓は、生食用として販売・提供することが禁止されています。
覚えておきたいこと
- ガツ刺し風は「加熱済みガツ」を使う
- 生の豚内臓は食べない
- 中心まで十分に加熱する
- 生肉を触った手やまな板で、加熱後のガツを扱わない
- 購入した商品の表示を必ず確認する
名前に「刺し」とあっても、安全面では必ず加熱済みとして考えましょう。
家庭では「ボイル済みガツ」が使いやすい
家庭で気軽にガツ刺し風を作るなら、スーパーや精肉店の「ボイル済みガツ」を選ぶと便利です。
生のガツは、臭み取りや下ゆでに時間がかかります。
塩もみ、水洗い、香味野菜と一緒にゆでるなど、慣れていないと少し大変です。
一方、ボイル済みガツは、すでに下ゆでされているため、家庭では再加熱や臭み取りのひと手間だけで使いやすくなります。
ボイル済みガツのメリット
- 下処理の手間が少ない
- 短時間でおつまみを作れる
- 初心者でも扱いやすい
- 臭み取りの工程を簡単にできる
- 和え物や炒め物にも使いやすい
ただし、「ボイル済み」と書かれていても、商品によっては再加熱が必要です。
必ずパッケージの表示を確認しましょう。
スーパーでの選び方
ボイル済みガツを選ぶときは、次の点を確認しましょう。
チェックポイント
- 「ボイル済み」「加熱済み」と書かれているか
- 「加熱してお召し上がりください」の表示がないか
- 消費期限・賞味期限が近すぎないか
- ドリップが多すぎないか
- 変色や強い臭いがないか
- 冷蔵・冷凍の保存方法を確認したか
見た目は白っぽく、弾力があるものが多いです。
パックを開けた時に多少の内臓臭を感じることはありますが、強い腐敗臭や酸っぱい臭いがある場合は使用を避けましょう。
ボイル済みガツの臭みをやわらげる「茹でこぼし」
ボイル済みガツは便利ですが、そのままだと少し独特の臭いが気になることがあります。
そんなときにおすすめなのが、短時間の茹でこぼしです。
ネギの青い部分、生姜、酒を入れたお湯でさっと茹でると、臭みがやわらぎ、食べやすくなります。
材料
- ボイル済みガツ:150〜200g
- 長ネギの青い部分:1本分
- 生姜の薄切り:2〜3枚
- 料理酒:大さじ1
- 水:適量
手順
- 鍋に湯を沸かします。
- 長ネギの青い部分、生姜、料理酒を入れます。
- ボイル済みガツを入れます。
- 3〜5分ほどさっと茹でます。
- ザルにあげます。
- 流水で洗い、しっかり冷やします。
- キッチンペーパーで水気を取ります。
茹で時間は、商品の状態や厚みによって調整してください。
「加熱してお召し上がりください」と書かれている商品は、表示に従って十分に加熱しましょう。
安全のために中心まで加熱する
豚肉や豚内臓を安全に食べるためには、十分な加熱が大切です。
食品安全委員会は、肉を安全に食べるためには中心温度75℃で1分、70℃なら3分など、温度と時間を守った加熱が必要と説明しています。
家庭で調理する場合は、中心までしっかり熱が入っているかを意識しましょう。
特に、生のガツから調理する場合は、短時間の加熱では不十分です。
この記事では、家庭で手軽に作る方法として、加熱済み・ボイル済みの商品を使う前提で紹介しています。
ネギ塩ガツ刺し風レシピ
ここからは、ボイル済みガツで作る、簡単なネギ塩ガツ刺し風レシピを紹介します。
コリコリ食感とネギ塩だれがよく合い、家飲みのおつまみにぴったりです。
材料 1〜2人分
- 茹でこぼしたボイル済みガツ:150g
- 長ネギ:10cm程度
- ごま油:大さじ1
- レモン汁:小さじ1
- 鶏ガラスープの素:小さじ1/2
- 塩:少々
- 粗びき黒こしょう:少々
- 白いりごま:適量
- お好みでにんにくすりおろし:少量
作り方
- ボイル済みガツを茹でこぼし、流水で冷やします。
- キッチンペーパーで水気をしっかり取ります。
- 長ネギをみじん切りにします。
- ボウルにごま油、レモン汁、鶏ガラスープの素、塩、黒こしょうを入れて混ぜます。
- 長ネギとガツを加えて和えます。
- 白いりごまを振って完成です。
水気が残っていると味がぼやけやすいので、ガツの水気はしっかり取るのがポイントです。
にんにくを入れるとパンチが出ますが、入れすぎると香りが強くなるため少量から試しましょう。
ポン酢ガツ刺し風レシピ
さっぱり食べたい日は、ポン酢もおすすめです。
材料
- 茹でこぼしたボイル済みガツ:150g
- ポン酢:大さじ2
- ごま油:小さじ1
- 小ねぎ:適量
- 白ごま:適量
- 柚子こしょう:少量
作り方
- ガツの水気をしっかり取ります。
- ポン酢、ごま油、柚子こしょうを混ぜます。
- ガツを加えて和えます。
- 小ねぎと白ごまをのせます。
ポン酢の酸味で、ガツのさっぱり感が引き立ちます。
柚子こしょうを少し入れると、居酒屋風の味になります。
味噌だれガツ和え
少し濃い味で楽しみたい日は、味噌だれも合います。
材料
- 茹でこぼしたボイル済みガツ:150g
- 味噌:大さじ1
- 酢:小さじ2
- 砂糖:小さじ1
- ごま油:小さじ1
- すりごま:大さじ1
- お好みで一味唐辛子:少々
作り方
- 味噌、酢、砂糖、ごま油、すりごまを混ぜます。
- 水気を取ったガツを加えて和えます。
- お好みで一味唐辛子を振ります。
味噌のコクで、ビールにもごはんにも合う味になります。
ガツ刺し風をおいしく作るコツ
1. 水気をしっかり取る
茹でこぼした後のガツに水気が残っていると、たれが薄まり、味がぼやけます。
キッチンペーパーでしっかり押さえましょう。
2. 冷やしてから和える
ガツ刺し風は、冷やすと食感が引き締まります。
流水で冷やした後、冷蔵庫で少し冷やしてから和えるのもおすすめです。
3. 食べる直前に和える
たれと和えて長く置くと、ネギの水分が出たり、食感が変わったりします。
できるだけ食べる直前に和えましょう。
4. 香味野菜を使う
ネギ、生姜、にんにく、みょうが、大葉などを使うと、臭みが気になりにくくなります。
さっぱり食べたいときは、大葉やみょうがもよく合います。
ガツの保存方法
ボイル済みガツは、購入後できるだけ早めに使いましょう。
開封後は傷みやすいため、長く置かないことが大切です。
保存のポイント
- 購入後は冷蔵または冷凍の表示に従う
- 開封後は早めに使い切る
- 調理後は常温で放置しない
- 食べる分だけ和える
- 残った場合は清潔な容器で冷蔵し、早めに食べる
- においやぬめりが気になる場合は食べない
おつまみとして出す場合も、長時間テーブルに出しっぱなしにしないようにしましょう。
食中毒を防ぐための注意点
ホルモン料理はおいしいですが、衛生管理が大切です。
特に豚の内臓は、生食を避け、しっかり加熱することが基本です。
家庭で気をつけたいこと
- 生の豚内臓は食べない
- ボイル済みでも表示に従って加熱する
- 生肉用と加熱後用のまな板・箸を分ける
- 調理前後に手を洗う
- 調理後は早めに食べる
- 常温放置しない
- 体調が悪いときは無理に食べない
おいしく楽しむためにも、安全面はしっかり守りましょう。
よくある質問
Q. ガツはどこの部位ですか?
A. ガツは豚の胃です。コリコリした食感があり、ホルモン料理や和え物、おつまみに使われます。
Q. ガツ刺しは生で食べる料理ですか?
A. 生ではありません。家庭で作る場合は、必ず加熱済み・ボイル済みのガツを使いましょう。豚肉や豚内臓の生食は危険です。
Q. ボイル済みガツはそのまま食べてもいいですか?
A. 商品表示によります。「そのまま食べられる」と明記されているもの以外は、表示に従って再加熱しましょう。臭みが気になる場合は、ネギ・生姜・酒で茹でこぼすと食べやすくなります。
Q. ガツの臭みを取るにはどうすればいいですか?
A. ネギの青い部分、生姜、料理酒を入れたお湯で3〜5分ほど茹でこぼし、流水で洗うと臭みがやわらぎます。水気をしっかり取るのも大切です。
Q. 生のガツから作ってもいいですか?
A. 作れますが、下処理と十分な加熱が必要です。初心者はボイル済みガツを使うほうが安全で手軽です。生の豚内臓を刺身のように食べるのは絶対に避けてください。
Q. ガツは低カロリーですか?
A. ガツは脂っこさが少なく、さっぱり食べやすい部位です。ただし、たれやごま油を多く使うとカロリーは上がります。さっぱり食べたい場合は、ポン酢や薬味を活用しましょう。
Q. 子どもや妊娠中の人も食べられますか?
A. 豚内臓は十分に加熱したものを食べることが大前提です。小さなお子さん、妊娠中の方、高齢の方、免疫力が下がっている方は特に注意し、不安がある場合は避けるか医師に相談してください。
まとめ:ガツ刺し風は「ボイル済みガツ」で安全・手軽に楽しもう
ガツは、豚の胃のことです。
コリコリした食感とさっぱりした味わいが魅力で、おうち居酒屋のおつまみにぴったりです。
ただし、「ガツ刺し」という名前でも、生の豚内臓を食べる料理ではありません。
家庭で作るなら、必ず加熱済み・ボイル済みのガツを使いましょう。
今回のポイントをまとめます。
- ガツは豚の胃のこと
- 牛ミノは牛の胃で、ガツとは動物が違う
- ガツ刺し風は、加熱済みのガツを刺身風に食べる料理
- 豚肉・豚内臓の生食は、E型肝炎や食中毒のリスクがある
- 初心者はボイル済みガツを選ぶと扱いやすい
- 商品表示を確認し、必要なら再加熱する
- ネギ・生姜・酒で茹でこぼすと臭みがやわらぐ
- 水気をしっかり取ると、たれがよく絡む
- ネギ塩、ポン酢、味噌だれで簡単に楽しめる
- 調理後は常温放置せず、早めに食べる
ボイル済みガツを使えば、面倒な下処理をかなり減らしながら、居酒屋気分のおつまみを楽しめます。
安全に加熱されたものを選び、臭み取りのひと手間を加えて、ぜひおうちでガツ刺し風を味わってみてください。
今夜の晩酌が、少し楽しくなりますように。
参考情報
- 厚生労働省「豚のお肉や内臓を生食するのは、やめましょう」
- 厚生労働省「お肉はよく焼いて食べよう」
- 食品安全委員会「肉を低温で安全においしく調理するコツ」
- 日本畜産副産物協会「バラエティミートレシピ」
- 全国食肉生活衛生同業組合連合会「豚肉・豚レバー等の生食禁止について」