【この記事を書いた人】
むし太郎先生(自然観察指導員・2児の父)
地域の親子向け自然観察会を年間50回以上主催。自身も子供と一緒に数々の昆虫を飼育してきた経験を持つ。同じ父親として、子供の「飼いたい!」という純粋な気持ちを全力で応援し、親の「どうしよう」という戸惑いに優しく寄り添う、頼れる先輩パパ。
週末の虫捕りで、子供が大きなトノサマバッタを捕まえた。
「おうちで飼いたい!」と目を輝かせて言われると、できるだけ応援してあげたくなりますよね。
でも、親としては少し不安もあると思います。
「何を食べるの?」
「虫かごだけで大丈夫?」
「すぐに死なせてしまったら、子供が悲しむかも……」
そんなふうに戸惑うのは、とても自然なことです。
トノサマバッタは、身近な草を食べる昆虫です。
特に、エノコログサ、ススキ、オヒシバなどのイネ科植物をよく食べます。
飼育ケースは、風通しがよく、直射日光が当たらない場所に置き、エサを新鮮に保つことが大切です。
この記事では、トノサマバッタのエサ、飼育ケースの作り方、掃除のコツ、寿命、冬越し、オスとメスの見分け方、さらに子供が喜ぶ「仮面ライダー」とのつながりまで、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- トノサマバッタの基本
- 食べるエサと避けたいエサ
- イネ科植物の見分け方
- 飼育ケースの作り方
- 置き場所と掃除のコツ
- 寿命と冬越し
- オスとメスの見分け方
- 仮面ライダーとのつながり
- 孤独相・群生相の豆知識
- 1 トノサマバッタってどんな虫?
- 2 トノサマバッタのエサは何?
- 3 キュウリやキャベツだけでは足りない?
- 4 エサを採るときの注意点
- 5 飼育ケースに必要なもの
- 6 飼育ケースの作り方
- 7 置き場所は「直射日光を避けた風通しのよい場所」
- 8 掃除はどのくらい必要?
- 9 水やりは必要?
- 10 何匹まで一緒に飼える?
- 11 トノサマバッタの寿命はどれくらい?
- 12 冬越しはできる?
- 13 オスとメスの見分け方
- 14 子供が喜ぶ豆知識1:仮面ライダーとバッタの関係
- 15 子供が喜ぶ豆知識2:緑と黒のトノサマバッタがいる理由
- 16 トノサマバッタを飼うときの親子ルール
- 17 よくある質問
- 18 まとめ:トノサマバッタは新鮮な草と風通しが大切
トノサマバッタってどんな虫?
トノサマバッタは、日本の草原や河川敷、畑の周りなどで見られる大型のバッタです。
体が大きく、ジャンプ力があり、成虫になるとよく飛びます。
学研キッズネットでは、トノサマバッタは成虫が7月ごろから草原で普通に見られ、体長はオス35〜40mm、メス45〜65mmほどと紹介されています。
つまり、メスのほうが大きく、どっしりした体つきになりやすいです。
トノサマバッタの特徴
- 大型のバッタ
- ジャンプ力が強い
- 成虫はよく飛ぶ
- 草原や河川敷で見つけやすい
- オスよりメスのほうが大きい
- 緑色や茶色、黒っぽい個体もいる
子供にとっては、見た目の迫力があり、観察しがいのある昆虫です。

トノサマバッタのエサは何?
トノサマバッタの主なエサは、イネ科の植物です。
公園や河川敷でよく見かける、エノコログサ、ススキ、オヒシバなどが代表的です。
イネ科の植物は、葉が細長く、葉脈が縦にまっすぐ通っているものが多いです。
るるぶKidsでも、トノサマバッタの食べ物として、ススキやエノコログサなどのイネ科植物が紹介されています。
おすすめのエサ
- エノコログサ、別名ねこじゃらし
- ススキ
- オヒシバ
- メヒシバ
- イネ科の細長い草
エサの草は、できるだけ新鮮なものを用意しましょう。
ちぎった葉だけを入れるとすぐにしおれてしまうため、水を入れた小さな瓶に挿すと長持ちしやすくなります。
キュウリやキャベツだけでは足りない?
「とりあえず冷蔵庫にあるキュウリやキャベツを入れておこう」と思う方も多いかもしれません。
野菜を少し食べることはありますが、トノサマバッタの主食としては、イネ科の草を用意するほうが安心です。
るるぶKidsでも、イネ科植物が用意できない場合の応急処置として、キャベツ、レタス、キュウリなどの野菜を与えることもできると紹介されています。
つまり、野菜は「一時的な代わり」と考え、できるだけ早くイネ科の草を用意してあげましょう。
野菜を使うときの注意
- 主食はイネ科植物を基本にする
- 野菜は応急処置として考える
- 農薬や洗剤が残らないようよく洗う
- 傷んだ野菜は入れっぱなしにしない
- 食べ残しはこまめに取り除く
トノサマバッタを元気に飼いたいなら、まずは近くの草むらでエノコログサなどを探してみましょう。
エサを採るときの注意点
バッタのエサにする草は、どこで採ってもよいわけではありません。
安全そうな場所を選びましょう。
避けたい場所
- 農薬が使われていそうな畑の近く
- 除草剤がまかれていそうな場所
- 車通りが多い道路沿い
- 犬の散歩が多く、汚れが気になる場所
- 公園で採取禁止になっている場所
採るときのコツ
- きれいな草むらで採る
- できれば根元近くから長めに採る
- 虫や汚れを軽く確認する
- 家で軽く水洗いする
- 水に挿して新鮮さを保つ
子供と一緒にエサを探すと、自然観察にもなります。
「葉っぱのすじが縦に通っているね」「これはねこじゃらしだね」と話しながら探すと、楽しい学びの時間になります。
飼育ケースに必要なもの
トノサマバッタを飼うには、虫かごだけでも始められます。
ただし、トノサマバッタはよく動き、ジャンプもします。
できるだけ大きめで、風通しのよいケースを用意しましょう。
用意するもの
- 大きめの飼育ケース
- 通気性のよいフタ
- エサ用のイネ科植物
- 水を入れた小さな瓶
- 土または砂
- 小枝や止まり木
- 掃除用のティッシュや割り箸
産卵を観察したい場合は、湿らせた土や砂を入れた容器を用意します。
るるぶKidsでは、餌場として水を入れた瓶にさした植物と、産卵場所として湿らせた土や砂を5cm程度入れた容器を用意すると紹介されています。
飼育ケースの作り方
飼育ケースは、できるだけシンプルで清潔に保てる形にしましょう。
基本の作り方
- 大きめの飼育ケースを用意します。
- 底に土や砂を薄く敷きます。
- 産卵を見たい場合は、湿らせた土を入れた小容器を置きます。
- 水を入れた小さな瓶にエノコログサなどを挿します。
- バッタが止まれる小枝を入れます。
- フタをしっかり閉めます。
- 直射日光の当たらない明るい日陰に置きます。
水を入れた瓶を使う場合は、バッタが落ちて溺れないように、口の小さい瓶を選ぶか、脱脂綿やキッチンペーパーで口をふさぐと安心です。
子供が世話をする場合も、瓶が倒れにくいように固定しておきましょう。
置き場所は「直射日光を避けた風通しのよい場所」
トノサマバッタの飼育ケースは、直射日光が当たる窓辺や屋外に放置しないようにしましょう。
ケースの中は思った以上に温度が上がります。
特に夏は、直射日光が当たると短時間で蒸し暑くなり、バッタが弱ってしまうことがあります。
おすすめの置き場所
- 直射日光の当たらない明るい日陰
- 風通しのよい玄関や室内
- エアコンの風が直接当たらない場所
- 小さな子供やペットが倒さない場所
避けたい置き場所
- 夏の窓辺
- 直射日光の当たるベランダ
- 車の中
- 風通しの悪い密閉空間
- 雨が直接入る屋外
バッタは草むらにいる虫ですが、虫かごの中は自然とは違います。
暑さと蒸れには十分注意しましょう。
掃除はどのくらい必要?
トノサマバッタはよく食べ、フンもたくさんします。
飼育ケースが汚れると、においやカビの原因になります。
毎日少しだけでも確認して、汚れたエサやフンを取り除きましょう。
掃除の目安
- フンは毎日できるだけ取り除く
- しおれた草は交換する
- 水が汚れたら替える
- カビが出たらすぐ取り除く
- ケース全体は数日に1回、状態を見て掃除する
掃除のときは、バッタが逃げないように注意してください。
子供と一緒に世話をするなら、「今日はエサ係」「今日は掃除係」のように役割を決めると続けやすいです。
水やりは必要?
トノサマバッタに水皿を置く必要は基本的にありません。
水皿を入れると、バッタが落ちて溺れることがあります。
水分は、新鮮な草や野菜から取ることができます。
エサの草を水に挿しておくと、草がしおれにくくなり、結果的に水分補給にもつながります。
何匹まで一緒に飼える?
トノサマバッタは大きく、よく動く昆虫です。
小さな虫かごに何匹も入れると、ストレスになったり、エサ不足になったりすることがあります。
初心者の場合は、まず1〜2匹から飼うのがおすすめです。
複数飼う場合は、大きめのケースを用意し、エサを多めに入れましょう。
複数飼いの注意点
- 小さなケースに入れすぎない
- エサを切らさない
- 弱った個体がいないか見る
- フンが増えるので掃除をこまめにする
- 蒸れないよう風通しをよくする
観察目的なら、少ない数でじっくり見るほうが、世話もしやすくなります。
トノサマバッタの寿命はどれくらい?
トノサマバッタは、成虫の時期が限られています。
学研キッズネットでは、トノサマバッタの成虫は7月ごろから見られ、見られる時期は7〜11月と紹介されています。
秋の終わりごろになると、成虫は寿命を迎えていきます。
そのため、秋に捕まえた成虫を飼い始めた場合、長く飼えないこともあります。
短い期間でも、毎日観察することで、子供にとって大切な学びになります。
冬越しはできる?
トノサマバッタの成虫は、基本的に冬を越すことは難しいです。
多くのバッタ類は、秋までに卵を産み、その卵で冬を越します。
福井県自然保護センターの季節情報でも、日本のバッタ類は冬には成虫が死んでしまうものが多く、その前に交尾をして卵を産み、卵で冬越しすると説明されています。
もしメスを飼っていて、産卵を観察したい場合は、ケース内に湿らせた土を入れた容器を置いてみましょう。
ただし、必ず産卵するとは限りません。
オスとメスの見分け方
トノサマバッタは、メスのほうが大きくなります。
学研キッズネットでは、体長の目安として、オス35〜40mm、メス45〜65mmと紹介されています。
そのため、同じ場所で捕まえたトノサマバッタのうち、ひと回り大きくどっしりしているものはメスの可能性があります。
見分け方の目安
- メスは大きめ
- オスはやや小さめ
- メスは腹部が太く見えることがある
- オスは鳴くことがある
ただし、個体差もあるため、体の大きさだけで必ず見分けられるわけではありません。
子供と一緒に「どっちかな?」と観察するのも楽しい時間です。
子供が喜ぶ豆知識1:仮面ライダーとバッタの関係
子供に話すと喜ばれやすい豆知識が、仮面ライダーとバッタの関係です。
東映公式の仮面ライダー図鑑では、仮面ライダー1号は、悪の秘密結社ショッカーに改造され、バッタの能力を備える改造人間になった姿と説明されています。
つまり、初代仮面ライダーにはバッタの力が関係しています。
トノサマバッタそのものがモデルと断定するより、「仮面ライダー1号はバッタの能力を持つヒーローなんだよ」と伝えると、正確で分かりやすいです。
子供が仮面ライダーを知っているなら、捕まえたバッタを見る目が少し変わるかもしれません。
子供が喜ぶ豆知識2:緑と黒のトノサマバッタがいる理由
トノサマバッタには、緑色のものや茶色っぽいもの、黒っぽいものがいます。
多摩動物公園は、緑色のトノサマバッタを孤独相、黒っぽいトノサマバッタを群生相として紹介しています。
これは「相変異」と呼ばれる現象に関係します。
簡単にいうと、育つ環境や仲間との密度によって、体の色や形に違いが出ることがあります。
子供には、次のように話すと分かりやすいです。
トノサマバッタは、育った環境によって姿が少し変わることがあるんだよ。緑の子もいれば、黒っぽい子もいるんだね。
まるで変身するような話なので、子供の興味を引きやすい豆知識です。
トノサマバッタを飼うときの親子ルール
昆虫飼育は、子供にとって命を学ぶよい機会です。
ただし、親子でルールを決めておくと、より安心して楽しめます。
おすすめのルール
- 毎日エサを確認する
- しおれた草は交換する
- フンを見つけたら掃除する
- ケースを直射日光に置かない
- 無理に触りすぎない
- 弱ってきたら自然に返すことも考える
- 最後まで責任を持って世話をする
「飼う」ということは、かわいがるだけでなく、毎日お世話をすることでもあります。
小さな命を大切にする気持ちを、親子で育てていきましょう。
よくある質問
Q. トノサマバッタのエサは何がいいですか?
A. エノコログサ、ススキ、オヒシバなどのイネ科植物がおすすめです。葉が細長く、葉脈が縦にまっすぐ通っている草を探してみましょう。
Q. キュウリやキャベツをあげてもいいですか?
A. 応急処置として少量食べることはありますが、主食としてはイネ科植物を用意するほうが安心です。野菜だけで長く飼うのは避けましょう。
Q. 水は入れたほうがいいですか?
A. 水皿はバッタが落ちて溺れることがあるため、基本的には不要です。新鮮な草や、草を水に挿しておくことで水分を補いやすくなります。
Q. 飼育ケースはどこに置けばいいですか?
A. 直射日光を避けた、明るく風通しのよい場所に置きましょう。夏の窓辺や車内は高温になりやすく危険です。
Q. トノサマバッタは何匹まで一緒に飼えますか?
A. 初心者は1〜2匹からがおすすめです。複数飼う場合は、大きめのケースを使い、エサと掃除をこまめに行いましょう。
Q. トノサマバッタは冬を越せますか?
A. 成虫のまま冬を越すのは難しいです。多くのバッタは秋に卵を産み、卵で冬を越します。産卵を見たい場合は、湿らせた土を入れた容器を用意しましょう。
Q. 仮面ライダーはトノサマバッタがモデルですか?
A. 東映公式では、仮面ライダー1号はバッタの能力を備えた改造人間と説明されています。トノサマバッタそのものと断定するより、「バッタの力を持つヒーロー」と話すと正確です。
まとめ:トノサマバッタは新鮮な草と風通しが大切
トノサマバッタの飼育は、ポイントを押さえれば親子で楽しめます。
特に大切なのは、エサと環境です。
エノコログサやススキなどのイネ科植物を用意し、飼育ケースは直射日光を避けた風通しのよい場所に置きましょう。
今回のポイントをまとめます。
- トノサマバッタは大型でジャンプ力のあるバッタ
- 主なエサはエノコログサ、ススキ、オヒシバなどのイネ科植物
- キュウリやキャベツは応急処置として考え、主食は草を用意する
- 農薬や除草剤が心配な草は使わない
- エサの草は水に挿すと長持ちしやすい
- 飼育ケースは大きめで風通しのよいものを選ぶ
- 直射日光の当たる場所や車内には置かない
- フンやしおれた草はこまめに掃除する
- 成虫は冬越しが難しく、卵で冬を越すことが多い
- 仮面ライダー1号はバッタの能力を備えたヒーローという設定
- 緑色や黒っぽいトノサマバッタには、孤独相・群生相という違いがある
子供が「飼いたい」と言ったときは、親にとって少し大変に感じるかもしれません。
でも、エサを探し、毎日観察し、命の終わりまで見守る経験は、子供にとって大切な学びになります。
まずは近くの草むらで、エノコログサを探してみましょう。
親子でトノサマバッタの暮らしを観察する時間が、楽しい思い出になりますように。
参考情報
- るるぶKids「トノサマバッタの採集・育て方・餌」
- 学研キッズネット「トノサマバッタ」
- 東映公式「仮面ライダー図鑑 仮面ライダー1号」
- 東京ズーネット「黒と緑、そして白化型──3種の色のトノサマバッタ」
- 福井県自然保護センター「秋のバッタと冬越し」
- カインズ「捕まえたバッタの上手な飼い方」