ダチョウとの違いは足の指!軍隊を翻弄した鳥「エミュー」の生態とエミュー戦争をやさしく解説

この記事を書いた人
アニマル雑学ナビゲーター・松崎(まつざき)/動物雑学ライター
動物園の展示解説や自然科学系の読み物をもとに、動物の不思議を初心者にもわかりやすく紹介。難しい専門用語よりも、「へえ、誰かに話したい!」と思える楽しい発見を大切にしています。

ニュースやSNSで「エミューが脱走した」「オーストラリア軍が鳥に負けたらしい」という話を見て、思わず気になったことはありませんか?

エミューと聞いても、すぐに姿が思い浮かばない方もいるかもしれません。

「ダチョウみたいな鳥?」
「オーストラリアにいる大きな鳥?」
「軍隊に勝ったって、本当なの?」

そんなふうに感じた方へ、まず結論からお伝えします。

エミューは、オーストラリアにすむ大型の飛べない鳥で、ダチョウとは別の種類です。見分けるポイントは、足の指の数です。

ダチョウの足の指は2本。

エミューの足の指は3本。

この違いを知っているだけで、動物園で大型の鳥を見たときに、ぐっと観察が楽しくなります。

また、ネットで話題になる「エミュー戦争」は、1932年にオーストラリアで実際に行われたエミュー駆除作戦がもとになった話です。

ただし、本当に戦争として鳥が人間に勝ったというより、農作物被害対策として行われた軍の作戦が思うように進まず、後に「エミューが勝った」と面白おかしく語られるようになった、と考えると自然です。

この記事では、エミューとダチョウの違い、足の指に隠れた進化のヒント、エミューの驚くべき走力、そして「エミュー戦争」の真相まで、やさしく解説します。


目次
スポンサーリンク

まず結論|エミューとダチョウの違いは「足の指」で見分けやすい

エミューとダチョウは、どちらも飛べない大型の鳥です。

長い首、長い足、大きな体という特徴が似ているため、写真だけ見ると混同してしまうことがあります。

でも、見分けるコツは意外とシンプルです。

足の指を見てください。

  • エミュー:足の指が3本
  • ダチョウ:足の指が2本

動物園で近くから観察できる場合は、顔や体の大きさよりも足元を見るとわかりやすいです。

ダチョウは、広い草原を速く走ることに特化したような2本指。

エミューは、オーストラリアのさまざまな地形を歩き回るのに向いた3本指。

そんなふうに考えると、ただの見分けポイントではなく、暮らしてきた環境の違いまで見えてきます。

比較項目エミューダチョウ
主な生息地オーストラリアアフリカ
大きさ現生鳥類でダチョウに次ぐ大きさ現生最大・最重量の鳥
体高の目安約1.5〜1.9mオスでは2mを超えることもある
体重の目安約30〜55kgほど約90〜130kg以上になることもある
足の指3本2本
羽の印象もさもさ、毛のように見えるふわっとした羽毛の印象
イメージオーストラリアのたくましい走鳥アフリカの高速ランナー

やさしい覚え方

「エミューは3本、ダチョウは2本」と覚えておくと、動物園での観察が楽しくなります。大きな鳥を見たら、まず足元をそっとチェックしてみてくださいね。

エミューってどんな鳥?オーストラリアを代表する大型鳥

エミューは、オーストラリアにすむ飛べない鳥です。

学名は Dromaius novaehollandiae といい、オーストラリア大陸の森林、草原、内陸部、沿岸部など、さまざまな環境で見られます。

上野動物園の解説では、エミューは「ダチョウに次いで、世界で2番目に大きな現生鳥類」と紹介されています。

体は茶色から灰褐色で、羽はふわふわというより、少しもさもさした毛のように見えます。

頭から首にかけて黒っぽい羽があり、個体によっては青白い皮膚が見えることもあります。

飛べないけれど、走るのが得意

エミューの翼はとても小さく、空を飛ぶことはできません。

その代わり、長くて力強い足を持っています。

走るスピードは、資料によって表現に幅がありますが、時速約48〜50kmほどに達するとされています。

これは、自転車で全力疾走するよりもかなり速いスピードです。

もし牧場や動物園から逃げ出してしまったら、人が走って追いかけても簡単には捕まえられません。

オスが卵を温める、少し意外な子育て

エミューの面白いところは、子育てにもあります。

エミューは、メスが濃い緑色の卵を産み、その後はオスが卵を温め、ヒナの世話も行います。

動物の世界では、子育ての役割が人間のイメージとまったく違うことがあります。

エミューもその一例です。

「大きくてたくましい鳥」というだけでなく、オスがじっと卵を守る姿を想像すると、少し親しみがわきますね。

エミューとダチョウは親戚なの?

エミューとダチョウは、同じ「飛べない大型の鳥」という意味では近い仲間として語られることがあります。

こうした鳥たちは、走ることに適応したグループとして「走鳥類」や「平胸類」と呼ばれることがあります。

代表的な仲間には、次のような鳥がいます。

  • ダチョウ
  • エミュー
  • ヒクイドリ
  • レア
  • キーウィ

どれも個性的な鳥ですが、住んでいる地域や体のつくりはそれぞれ違います。

エミューはオーストラリア。

ダチョウはアフリカ。

似ているように見えても、それぞれの大陸で違う環境に合わせて進化してきたのです。

足の指が3本あると何が違うの?

エミューの足の指は3本です。

この3本の指は、ただの見た目の違いではありません。

エミューはオーストラリアの草地、森林、半乾燥地帯など、さまざまな地面を歩いたり走ったりします。

3本の指で地面をしっかり踏みしめることで、安定して移動しやすいと考えられます。

一方、ダチョウの足の指は2本です。

San Diego Zooでは、ダチョウの足の指が2本であることについて、より速く走るためのつくりとして紹介しています。

つまり、ざっくりいうと、

  • ダチョウ:広い場所を速く走るスプリンタータイプ
  • エミュー:さまざまな地形を力強く進むタフなランナータイプ

と考えるとわかりやすいです。

ただし、「3本指だから必ず急旋回が得意」「2本指だから直線だけが得意」と単純に言い切るのは少し注意が必要です。

実際の動きや走り方には、筋肉、骨格、体重、地形、行動の習性など、いろいろな要素が関係しています。

この記事では、足の指の違いを「見分けのポイント」として、そして「環境に合わせた進化を感じるヒント」として紹介しています。

エミューとダチョウの足の指比較

エミューはどれくらい速い?時速約50kmで走る大型鳥

エミューは飛べませんが、走る力はとても優れています。

資料によって数値に少し幅はありますが、時速約48〜50kmほどで走ることがあるとされています。

人間の全力疾走よりずっと速く、走って逃げるエミューを人が素手で捕まえるのはかなり難しいでしょう。

さらに、エミューの足はただ速いだけではありません。

強い脚力を持ち、追い詰められると蹴ることもあります。

そのため、野生のエミューや脱走したエミューを見かけても、近づいたり、触ろうとしたりしてはいけません。

かわいく見えても、相手は大きな野生動物です。

もしエミューを見かけたら?

日本で野生のエミューに出会うことは通常ありませんが、飼育施設や牧場などから脱走するニュースが話題になることがあります。

もし大きな鳥を見かけても、次の行動は避けましょう。

  • 追いかける
  • 大声を出して近づく
  • 写真を撮ろうとして接近する
  • 餌をあげようとする
  • 車や自転車で追い込む

発見した場合は、距離をとって、施設や自治体、警察など関係機関に連絡するのが安全です。

ネットで話題の「エミュー戦争」とは?

エミューの話で、もっともインパクトがあるのが「エミュー戦争」です。

名前だけ聞くと、まるで鳥と人間が本当に戦争をしたように感じますよね。

しかし実際には、1932年に西オーストラリアで行われた、農作物被害への対策としての軍事的な駆除作戦でした。

当時、農地に多くのエミューが入り、作物に被害を出していました。

困った農家の要請を受け、軍が機関銃を使ってエミューを減らそうとしたのです。

ところが、作戦は思うようには進みませんでした。

エミューは広い土地に散らばり、群れもすぐにばらけて逃げてしまいます。

機関銃を使っても効率よく駆除できず、軍の作戦は短期間で失敗とみなされました。

その結果、後世の人々がこの出来事を「オーストラリア軍がエミューに負けた」と面白おかしく語るようになったのです。

本当にエミューが勝ったの?

「エミューが勝った」という表現は、ネットミームとしてはとても面白い言い方です。

ただし、正確には、エミューが軍と戦って勝利したというより、人間側の駆除作戦がうまくいかなかったという出来事です。

Britannicaでは、エミュー戦争について「短期間で失敗した軍事作戦」と説明し、最終的にエミューが“勝者”とみなされたと紹介しています。

また、どれくらいのエミューが撃たれたのかという数字には議論があり、報告値をそのまま確定情報として扱うのは注意が必要です。

そのため、記事では次のように表現するのが安全です。

エミュー戦争とは、1932年に西オーストラリアで行われたエミュー駆除作戦の通称です。作戦は思うように進まず、後に「軍隊を翻弄した鳥」として語られるようになりました。

この表現なら、面白さを残しながらも、史実に対して慎重な書き方になります。

なぜ作戦はうまくいかなかったの?

エミュー戦争が語り継がれる理由は、「軍が鳥に負けた」という意外性だけではありません。

エミューの生態を知ると、作戦が難しかった理由が見えてきます。

理由1:エミューは速く走る

エミューは時速約50km近くで走ることがあります。

広い農地で逃げられると、人間が追いつくのは簡単ではありません。

理由2:群れが散らばりやすい

大きな群れを一度に狙おうとしても、エミューたちは音や動きに反応して広い範囲に散ってしまいます。

一か所にまとまってくれないため、作戦としてはとても扱いにくかったのです。

理由3:広大な土地では機動力が必要だった

西オーストラリアの農地は広く、地形も単純ではありません。

機関銃があっても、相手が広範囲に散り、動き回る大型鳥となると、効率よく対処するのは難しかったと考えられます。

このように、エミュー戦争は「鳥が軍隊を倒した」というより、野生動物の行動を人間の計画どおりに制御する難しさを示すエピソードとして見ると、とても興味深いです。

エミュー戦争がうまくいかなかった理由

エミューは日本でも見られる?

エミューは日本の動物園や牧場などで飼育されていることがあります。

たとえば上野動物園では、エミューが展示動物として紹介されています。

ただし、展示状況は時期によって変わることがあります。

「エミューを見に行きたい」と思った場合は、訪問前に動物園や牧場の公式サイトで最新情報を確認しましょう。

動物園で見るときの観察ポイント

  • 足の指は3本あるか
  • 羽が毛のようにもさもさして見えるか
  • 首や頭の色はどう見えるか
  • 歩くときの足の運び方
  • 鳴き声やのどの動き

エミューは、ただ「大きい鳥」として見るだけではもったいない動物です。

足元、羽、歩き方、鳴き声に注目すると、ぐっと面白くなります。

エミューの羽はなぜモップみたいに見えるの?

エミューの羽は、ダチョウのようなふんわりした羽毛とは少し違って見えます。

毛のように細く垂れ下がり、全体としてもさもさ、もふもふした印象です。

上野動物園では、エミューの羽は「2本で1対」と紹介されています。

また、San Diego Zooも、エミューは1つの毛穴から二股のような羽が生える特徴があると説明しています。

この羽のつくりによって、エミューの体は独特の質感に見えます。

写真で見ると、まるでモップや草のかたまりのように見えることもありますね。

エミューの鳴き声はどんな音?

エミューは、見た目だけでなく鳴き声もユニークです。

上野動物園の解説では、メスは「ボンボン」と太鼓のような音、オスは「グルル」と低い音で鳴くとされています。

鳴くときには、のどが膨らむことがあります。

もし動物園でエミューの鳴き声を聞けたら、とてもラッキーです。

鳥というより、太鼓や低音楽器のように感じるかもしれません。

エミューの卵は何色?

エミューの卵は、ニワトリの卵とはまったく違います。

濃い緑色をした大きな卵で、見た目もとても印象的です。

上野動物園では、メスは450〜650gほどの濃い緑色の卵を5〜15個産み、オスが抱卵とヒナの世話をすると紹介されています。

この「緑色の大きな卵」も、エミューの人気ポイントのひとつです。

エミューの肉やオイルって何?

エミューは、動物園で見るだけでなく、産業的に利用されることもあります。

たとえば、エミューの肉は赤身肉として利用されることがあり、東京農業大学の紹介では、高タンパク・低カロリーで、鉄分が豊富な食材として説明されています。

また、エミューの脂肪からとれるエミューオイルは、スキンケア用品などに使われることがあります。

ただし、美容や健康効果については製品ごとの品質や使い方にも関係するため、過度に「万能」と考えるのは避けたほうが安心です。

ブログで紹介する場合は、次のような表現が安全です。

エミューは食肉やオイルとして利用されることもあります。エミューオイルは保湿成分として化粧品に配合されることがありますが、肌に合うかどうかは個人差があるため、使用前に成分表示や注意事項を確認しましょう。

エミューは危険な鳥?近づいても大丈夫?

エミューは、基本的に人を積極的に襲う鳥として知られているわけではありません。

しかし、大きな体と強い足を持つ動物です。

驚いたり、追い詰められたりすると、蹴ることがあります。

動物園や牧場で見るときは、施設のルールを守り、柵の中に手を入れたり、勝手に餌をあげたりしないようにしましょう。

特に小さなお子さんと一緒に見る場合は、次の点に注意してください。

  • 柵を乗り越えない
  • 手を伸ばして触ろうとしない
  • 大声で驚かせない
  • 食べ物を見せない
  • 施設スタッフの案内に従う

エミューの迫力は、距離を保って観察するからこそ安全に楽しめます。

エミュー雑学|誰かに話したくなる豆知識

エミューはオーストラリアの国章にも登場する

オーストラリアの国章には、カンガルーとエミューが描かれています。

どちらもオーストラリアを代表する動物です。

「後ろに下がりにくい動物だから、前進の象徴として選ばれた」という話もよく紹介されます。

エミューは泳げる

意外に思われるかもしれませんが、エミューは泳ぐこともあります。

大きな体で水に入る姿を想像すると、少し不思議でかわいらしいですね。

ヒナはしま模様

大人のエミューは茶色から灰褐色のもさもさした姿ですが、ヒナは黒や茶色、クリーム色のしま模様をしています。

この模様は、草むらにまぎれて身を守るのに役立つと考えられます。

エミューとダチョウの違いをおさらい

ここまでの内容を、もう一度やさしく整理してみましょう。

ポイントエミューダチョウ
住んでいる場所オーストラリアアフリカ
鳥としての大きさ世界第2位クラス世界最大
足の指3本2本
毛のようにもさもさふわっとした羽毛
走り時速約50km近くで走ることがあるさらに高速で走ることがある
有名な話エミュー戦争世界最大の鳥、巨大な卵

動物園で見るなら、まず足の指。

そこから羽、歩き方、体の大きさを見ていくと、違いがわかりやすくなります。

よくある質問

Q. エミューとダチョウは同じ鳥ですか?

A. いいえ、別の種類です。どちらも飛べない大型の鳥ですが、エミューはオーストラリアにすむ鳥、ダチョウはアフリカにすむ鳥です。見分けるポイントは足の指で、エミューは3本、ダチョウは2本です。

Q. エミューは本当に軍隊に勝ったのですか?

A. 「軍隊に勝った」という表現は、ネットミームとして広まった言い方です。実際には、1932年に西オーストラリアで行われたエミュー駆除作戦がうまくいかず、後に「エミューが勝者」と語られるようになりました。

Q. エミューはどれくらい速く走れますか?

A. エミューは時速約48〜50kmほどで走ることがあるとされています。人が走って追いつくのは難しい速さです。

Q. エミューの足の指はなぜ3本なのですか?

A. 鳥の足のつくりは、暮らす環境や移動の仕方と関係しています。エミューは3本の指で地面をしっかり踏みしめ、オーストラリアのさまざまな地形を歩いたり走ったりします。ただし、指の数だけで走り方のすべてが決まるわけではありません。

Q. エミューは日本でも見られますか?

A. はい、動物園や牧場などで飼育されていることがあります。展示状況は変わることがあるため、訪問前に公式サイトで確認しましょう。

Q. エミューは人に危険ですか?

A. 通常はむやみに近づかなければ過度に怖がる必要はありません。ただし、大きな体と強い足を持つ鳥なので、驚かせたり追い詰めたりすると危険です。動物園や牧場では、必ず施設のルールを守りましょう。

Q. エミューの卵はどんな色ですか?

A. エミューの卵は濃い緑色をしています。大きさもかなりあり、ニワトリの卵とはまったく違う印象です。

Q. エミューオイルとは何ですか?

A. エミューの脂肪から作られるオイルで、スキンケア用品などに使われることがあります。ただし、肌に合うかどうかは個人差があるため、使用する場合は製品表示や注意事項を確認しましょう。


まとめ|エミューは「ダチョウに似た鳥」では終わらない、知るほど面白い鳥

エミューは、オーストラリアを代表する大型の飛べない鳥です。

ダチョウと似ているように見えますが、足の指を見れば違いがわかります。

  • エミューはオーストラリアにすむ大型の飛べない鳥
  • ダチョウに次ぐ、世界第2位クラスの大きさ
  • エミューの足の指は3本、ダチョウは2本
  • エミューは時速約50km近くで走ることがある
  • 羽は毛のようにもさもさして見える
  • 濃い緑色の卵を産み、オスが卵を温める
  • 1932年の「エミュー戦争」は、農作物被害への駆除作戦がうまくいかなかった出来事
  • 「軍隊に勝った鳥」という表現は面白いが、史実としては少し慎重に見る必要がある

エミューは、ただ大きいだけの鳥ではありません。

足の指、走る力、羽のつくり、子育て、そして歴史に残るエミュー戦争まで、知れば知るほど話したくなる魅力があります。

今度、動物園でエミューを見かけたら、ぜひ足元を見てみてください。

そして一緒にいる人に、そっと教えてあげましょう。

「この鳥、ダチョウじゃなくてエミューなんだよ。足の指が3本あるんだって」

そんな小さな雑学が、動物園での時間をもっと楽しくしてくれるはずです。


参考情報

スポンサーリンク