タコ(蛸)といえば、8本足(腕)でたくさんの吸盤が付いた軟体動物(頭足類)ですが、心臓が3つもあるって知っていましたか?
たこには心臓が3つ
タコは、たこ焼きに入っていたり、ゆでダコ、タコの唐揚げ、タコの酢の物、たこ飯など比較的身近にある食材です。
魚売り場でも普通に見かけるタコですが、心臓が3つもあるなんて思いもしませんよね。
動物には心臓は1つしかないと思っているので、複数の心臓がある動物がいるなんて考えません。
ところが、タコには心臓が3つもあるんです。
1つはメインとなる「心臓」で、人間や動物と同じように胴体に、全身に血液を通して酸素や栄養を送る役割がある。
残りの2つは「エラ(鰓)心臓」と呼ばれる、左右のエラに1つずつ配置されていて、エラから直接筋肉に酸素を送るようになっています。
タコの体は90%が筋肉で、猛スピードで泳ぐためには大量の酸素が必要になるので、メインの心臓以外にエラ心臓を持つことで多くの酸素を体に供給することが可能となっています。
心臓が3つもあると長生きしそうな感じがしますが、たこは実は短命で1年~2年しか寿命はないのです。
タコには脳が9つもある
タコは心臓が3つもあるだけでもスゴイのですが、さらに脳が9つもあります。
では、9つの脳はどこにあるのでしょうか?
その場所は胴体の目の奥に1つあり、その他に8本の足の付け根に各1つずつあります。
足にある脳は、運動中枢の集まり(神経の集まったもの)なので、とても小さいようです。
胴体にメインの大脳があるのに、8本の足にもそれぞれに脳がどうして存在しているのでしょうか?
タコの8本ある足(腕)にはそれぞれ200個以上の吸盤が付いているのですが、この吸盤を使うと周囲にあるものの感触や匂いや味までも感じ取ることができ、そして意思決定まで行うことが出来るのです。
その情報を足の付け根にある8つの脳が情報収集して、胴体にある大脳に伝えています。
8本の足は各足にある脳で制御されるので、お互いが絡むこともなくスムーズな動きが出来るようになっています。
それぞれの足が独自に考えて動くことができるのですね。
タコの生存率は厳しい
ここからは、タコのさらに知られていない情報になりますが、タコは一度に約10万個もの卵を産むのに、そのほとんどが魚などの天敵に食べられてしまい、生き残るのは0.01%ほどなんです。
生き残ったタコは、貴重なんですね。
そんな貴重なタコですが、日本人は世界一のタコ好きとされていて、世界で消費されているタコの3分の2も日本人が食べているようです。