[監修者・著者情報]
坂本 理奈(助産師・マタニティフードアドバイザー)
総合病院の産婦人科で10年以上勤務し、数千人の妊婦の食事・生活相談を担当。制限ばかりでストレスを抱える妊婦の心に深く寄り添い、医学的根拠に基づいた「安全で美味しい選択肢」を優しく提案する伴走者。
妊娠がわかってから、コーヒーや紅茶を前より気にするようになって、「何を飲めば安心なのかな」と迷ってしまうこと、ありますよね。
そんなときによく候補に上がるのが、ルイボスティーです。
「ノンカフェインだから妊娠中にいいらしい」
「でも、本当に毎日飲んで大丈夫なの?」
と、気になって検索された方も多いと思います。
結論からお伝えすると、ルイボスティーは妊娠中のカフェイン対策として選びやすい飲み物のひとつです。
ルイボスは南アフリカ原産の Aspalathus linearis から作られるハーブティーで、レビュー論文でもカフェインを含まないことが示されています。
ただし、ここで大切なのが、「ノンカフェイン=いくらでも飲んでよい」ではないことです。
妊娠後半には、ルイボスティーを含むポリフェノールを多く含む飲食物の大量・長期摂取について注意を促している産科医療機関があります。
妊娠中のルイボスティーは、「ゼロか100か」ではなく、ほどよい量で楽しむという考え方が安心です。
この記事では、妊娠中にルイボスティーが選ばれやすい理由、飲みすぎを避ける考え方、レッドとグリーンの違い、そして毎日続けやすい飲み方まで、初心者さんにもわかりやすくやさしく整理していきます。
ルイボスティーとは?妊娠中に選ばれやすい理由
ルイボスティーは、南アフリカの限られた地域で育つ植物から作られるハーブティーです。
一般的な紅茶や緑茶と違って、茶葉由来のカフェインを含まないことが大きな特徴です。
レビュー論文でも、ルイボスはnaturally caffeine-free(天然にカフェインフリー)と説明されています。
妊娠中に気にしたい飲み物の代表がカフェインですよね。
厚生労働省は、海外機関の情報として、妊婦は1日200mg程度までを目安にする考え方を紹介しています。
だからこそ、コーヒーや紅茶の代わりとして、ノンカフェインのルイボスティーに目が向きやすいんです。
また、ルイボスティーは香ばしくやさしい味わいで、ホットでもアイスでも飲みやすいのも魅力です。
つわりの時期でも、香りがきつすぎないほうを選びたい方には、候補にしやすい飲み物です。
ただし、「体にいい成分が多いからたくさん飲むほどよい」とは限らないので、その点は後で丁寧に見ていきましょう。
妊娠中にいちばん大切なのは「カフェインゼロ」より「飲み方のバランス」です
ルイボスティーの大きな安心材料は、やはりカフェインを含まないことです。
カフェイン制限のストレスをやわらげる意味では、とても助かる選択肢ですよね。
ただ、妊娠中の飲み物選びは、「カフェインがないから安全」「健康によいから多いほどよい」と単純に考えないほうが安心です。
聖隷浜松病院の妊婦向け資料では、妊娠中のポリフェノール上限摂取量は明らかになっていない一方で、通常量なら問題ないことがほとんどとしつつ、ポリフェノールが多く含まれる特定の嗜好品の摂りすぎに注意を促しています。
そこにはルイボスティーも例として挙げられています。
つまり、ルイボスティーは「避けるべき飲み物」ではありませんが、水や麦茶の代わりに何リットルも飲み続ける前提の飲み物でもない、ということです。
毎日の水分補給の基本は水や麦茶などにしつつ、ルイボスティーはリラックスタイムや食事時に楽しむ、くらいの感覚がちょうどいいです。
「ノンカフェイン=飲み放題」ではない理由
近年、産科領域では妊娠後半のポリフェノールの過剰摂取が、胎児の動脈管に影響する可能性について注意喚起されることがあります。
横浜市立市民病院の妊娠Q&Aでは、プルーン、ルイボスティー、高カカオチョコレートなどを大量・長期に摂取することで、胎児の動脈管が細くなったり閉じたりすることが報告されていると説明しています。
症例報告では、妊娠後期のルイボスティー摂取後に動脈管早期収縮が疑われた例もあります。
ただし、ここは不安をあおりすぎないことも大切です。聖隷浜松病院の資料では、通常量であれば問題ないことがほとんどとも書かれています。
つまり、妊娠中にルイボスティーを数杯飲むことまで過度に心配する必要はなく、気をつけたいのは「体によさそうだから」と特定の飲み物ばかりを大量に続けることです。
✍️ やさしい実践アドバイス
妊娠中のルイボスティーは、毎日楽しむとしても1日2〜3杯くらいまでを目安にして、水や麦茶もいっしょに飲むくらいが安心です。これは公的な上限値ではありませんが、「飲みすぎない」ための現実的な目安として考えると続けやすいです。妊娠後期は特に、特定のポリフェノール飲料ばかりに偏らないよう意識してみてください。

レッドとグリーン、妊娠中はどちらを選ぶ?
ルイボスティーには、大きく分けてレッドルイボスとグリーンルイボスがあります。
レッドルイボスは発酵タイプで、いわゆるよく見かける赤褐色のルイボスティーです。
いっぽう、グリーンルイボスは未発酵タイプで、レビューや研究では、未発酵ルイボスのほうが発酵ルイボスよりもポリフェノールが多いとされています。
たとえば unfermented rooibos のほうが polyphenols と antioxidant capacity が高いことが報告されています。
このため、妊娠中、とくに妊娠後期に「できるだけ慎重にいきたい」と考えるなら、日常使いはレッドルイボスのほうが無難です。
グリーンルイボスが悪いという意味ではありませんが、ポリフェノール量が多いぶん、妊娠後期に毎日たくさん飲む習慣は避けたほうが安心です。
味わいで選ぶなら、レッドはやや甘みと香ばしさがあり、グリーンはすっきり軽めです。
つわり中で香りに敏感な時期は、少量で試して「飲みやすいほう」を選ぶのがいちばん続けやすいです。
味の好みは人それぞれなので、最初はティーバッグの少量パックが向いています。
📊 比較表
レッドルイボスとグリーンルイボスの違い
| 比較項目 | レッドルイボス | グリーンルイボス |
|---|---|---|
| 製法 | 発酵タイプ | 未発酵タイプ |
| 味わい | 香ばしくまろやか | すっきり軽め |
| ポリフェノール量 | 比較的少なめ | 比較的多め |
| 妊娠中の考え方 | 日常使いしやすい | 妊娠後期は飲みすぎに注意 |
妊娠中に選ぶなら、どんな商品が安心?
商品選びでは、次のポイントを見ておくと安心です。
- 原材料がシンプルなもの
- 香料やハーブのブレンドが強すぎないもの
- カフェインゼロまたはノンカフェイン表記が確認できるもの
- まずは少量パックで試せるもの
妊娠中は香りの好みも変わりやすいので、最初から大袋を買うより、小さめで試したほうが失敗しにくいです。
また、ルイボスティー単体ではなく、ハーブがいろいろ混ざった「マタニティブレンド」は、成分が複雑になることがあるため、妊娠中はシンプルな原材料のもののほうが安心感があります。
これは、飲み物全般にいえる選び方です。
おいしく飲むなら「濃くしすぎない」がコツです
ルイボスティーは、煮出して飲む方法もありますが、妊娠中は「健康のために成分をしっかり出したい」と思って、極端に濃くしすぎる必要はありません。
むしろ、日常的に飲むなら、ふつうの濃さで無理なく続けるほうが安心です。
未発酵のグリーンルイボスは、温度や抽出条件によってポリフェノールが増えやすいことも研究で示されています。
ですので、妊娠中は「濃く長く煮出して成分を最大化」より、「飲みやすい濃さでほどほどに」が向いています。
ホットなら、ティーバッグをお湯で蒸らして2〜3分程度から試し、濃すぎると感じたら短めに。
アイスにするときも、濃く作ってがぶがぶ飲むより、薄めに作って水分補給の一部として楽しむほうが続けやすいです。
妊婦さんからよくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中にルイボスティーを毎日飲んでも大丈夫ですか?
A. 通常量であれば過度に心配しなくて大丈夫と案内している産科医療機関があります。ただし、妊娠後期はポリフェノールを多く含む飲食物の大量・長期摂取に注意が必要です。毎日飲むなら、水や麦茶も組み合わせて偏りすぎないようにしましょう。
Q. 1日に何杯までなら安心ですか?
A. ルイボスティーそのものの公的な上限量は示されていません。実践的には、1日2〜3杯くらいを目安にして、他の飲み物と組み合わせる考え方が続けやすいです。大量に何杯も飲み続けるより、「ほどほど」が安心です。
Q. 妊娠後期は飲まないほうがいいですか?
A. 一律に禁止という情報ではありません。ただし、妊娠後期はポリフェノールを多く含む食品や飲料の摂りすぎに注意する案内があります。ルイボスティーばかりを大量に飲むのは避けたほうが安心です。
Q. レッドとグリーンはどちらが妊娠中向きですか?
A. 毎日続けるなら、まずはレッドルイボスのほうが無難です。グリーンルイボスは未発酵で、ポリフェノールが比較的多いと報告されています。
Q. ルイボスティーで便秘やむくみは改善しますか?
A. そこは言い切れません。水分をしっかりとること自体は大切ですが、ルイボスティーそのものに妊婦さんの便秘やむくみを改善する確立した効果がある、とまでは言えないため、過度な期待はしすぎないほうが安心です。代わりに、「カフェインを控えながら飲みやすいお茶」として考えるとわかりやすいです。
まとめ
ルイボスティーは、妊娠中のカフェイン対策として選びやすい、ノンカフェインのお茶です。
だからといって「何杯でも安心」というわけではなく、特に妊娠後期はポリフェノールを多く含む飲食物の摂りすぎに気をつけたい、というのが今のいちばん自然な考え方です。
迷ったときは、次の3つを意識すると安心です。
- 水分補給の基本は水や麦茶にする
- ルイボスティーは1日2〜3杯くらいを目安に楽しむ
- 妊娠後期は「体によさそうだから」と飲みすぎない
妊娠中は、ただでさえ気をつけることが多くて疲れてしまいますよね。
だからこそ、飲み物選びまで完璧を目指しすぎなくて大丈夫です。
ルイボスティーは、「ほどほどに楽しめるノンカフェインのお茶」として取り入れるくらいが、いちばん気持ちよく続けやすいはずです。