【著者プロフィール】
本山 瑠璃 / ビジネスコミュニケーション・コンサルタント
元大手IT企業 広報マネージャー。10年間で500本以上のプレスリリース・案内メールを監修し、新入社員向けのマナー研修講師も務める。実務の現場で「言葉選び」に迷う若手広報担当者の焦りに深く共感し、辞書的な正しさだけでなく「相手にどう伝わるか」という実践的な視点から、すぐに使える解決策を優しく提示します。
新機能のお知らせやお知らせページの更新を自社サイトにアップしたあと、案内メールを書こうとして、
「Webサイトに記載しました」と書くべきか、
「Webサイトに掲載しました」と書くべきか、手が止まってしまったことはありませんか?
こういう言葉の違いって、いざ仕事で使うとなると意外と迷いますよね。
たった一語の差でも、相手に「この人、言葉づかいが丁寧だな」と思ってもらえることもあれば、少し不自然に感じられてしまうこともあります。
結論からお伝えすると、Webサイトの更新案内では「掲載」がいちばん自然です。
一方で、「記載」は契約書や申込書、説明書など、書類や文書の中に内容を書き記すときに向いています。
この記事では、「掲載」と「記載」の違いを、初心者さんにもわかりやすくやさしく整理しながら、案内メールですぐ使える敬語フレーズもまとめてご紹介します。
読み終わるころには、もう迷わず送信ボタンを押せるはずです。
結論:Webサイトでの公開・お知らせには「掲載」が自然です
まず、いちばん大事な結論をシンプルにお伝えします。
自社Webサイトにお知らせやニュースをアップしたことを伝えるなら、「掲載」が自然です。
たとえば、こんな言い方です。
- 弊社Webサイトに新機能の情報を掲載いたしました。
- 詳細はホームページに掲載しております。
- 新着情報をWebサイトへ掲載いたしましたので、ご確認ください。
「掲載」は、新聞・雑誌・Webサイトのように、広く見てもらう媒体に情報を載せるイメージです。
ですので、公開されたページを案内するメールとは、とても相性がいい言葉なんです。
✍️ 実務でのひとことアドバイス
Web更新のお知らせメールでは、迷ったらまず「掲載」を選んで大丈夫です。意味を細かく暗記するより、「公開されたページを案内している」と考えると判断しやすくなります。
「掲載」と「記載」の違いは、「どこに載せるか」で考えるとわかりやすいです
この2つの言葉は、どちらも「書いてある」という点では似ています。だからこそ迷いやすいのですが、違いはとてもシンプルです。
「掲載」は、Webサイト・新聞・雑誌など、外に向けて見せる媒体に載せるときに使います。
「記載」は、契約書・申込書・議事録・説明書など、文書や書類の中に書いて記すときに使います。
つまり、判断のコツは「どこにある情報か」です。
📊 比較表
「掲載」と「記載」の違いがすぐわかる早見表
| 言葉 | 向いている場面 | 具体例 |
|---|---|---|
| 掲載 | 広く公開する媒体に情報を載せる | Webサイト、新聞、雑誌、広報ページ |
| 記載 | 書類や文書に内容を書き記す | 契約書、申込書、履歴書、議事録、説明書 |
たとえば、
- 「新製品情報をWebサイトに掲載しました」
- 「住所は申込書に記載してください」
このように使うと、すっきり自然です。
案内メールで「記載しました」が少し不自然に感じる理由
では、「Webサイトに記載しました」がなぜ少し引っかかるのでしょうか。
理由は、「記載」が持つイメージが、どちらかというと書類の中に情報を書き込むほうに近いからです。
もちろん、意味がまったく通じないわけではありません。でも、案内メールの目的は「情報を書いたこと」を伝えることより、公開したページを見てもらうことですよね。
そう考えると、
- 記載しました → 文書の中に書きました
- 掲載しました → 公開ページに載せました
という違いが出てきます。
だから、特に広報・営業・カスタマー向けのメールでは、「掲載しました」のほうがしっくり来やすいんです。
【コピペOK】案内メールですぐ使える「掲載」の敬語フレーズ
ここからは、実際にそのまま使いやすい表現をご紹介します。
少し表現をストックしておくだけで、毎回のメール作成がぐっとラクになりますよ。
📊 比較表
シーン別「掲載」の敬語フレーズ集
| シーン | 使いやすい表現 | ポイント |
|---|---|---|
| 更新した事実を伝える | 弊社Webサイトに新着情報を掲載いたしました。 | もっとも基本的で丁寧な表現です。 |
| 詳細ページへ誘導する | 詳細につきましては、弊社ホームページに掲載しておりますので、ご覧ください。 | 今も掲載されている状態を自然に伝えられます。 |
| お知らせ感をやわらかく出す | 新機能に関する情報をWebサイトに公開いたしました。 | 「掲載」より少しやわらかい印象です。 |
| 相手の媒体に触れる | 貴社サイトでのご掲載、誠にありがとうございます。 | 相手の行為には「ご掲載」を使えます。 |
そのまま使える案内メール例文
実際のメール文に落とし込むと、こんな形になります。
例文1:自社サイト更新のお知らせ
平素よりお世話になっております。
このたび、弊社Webサイトに新機能に関するご案内を掲載いたしました。
詳細につきましては、下記ページよりご確認いただけますと幸いです。
例文2:プレスリリース公開のお知らせ
本日、弊社ホームページにプレスリリースを掲載いたしました。
お手すきの際にご覧いただけますと幸いです。
例文3:やわらかめの表現にしたいとき
このたび、サービス更新に関する情報を弊社Webサイトで公開いたしました。
ご参考までに、下記URLをご案内申し上げます。
社外向けであれば、「掲載いたしました」と「公開いたしました」を使い分けると、ややかたさの調整がしやすくなります。
「掲載」「記載」以外でよく使う関連表現
広報や案内メールでは、毎回「掲載」だけだと少しかたく感じることもあります。そんなときは、次の表現も便利です。
- 公開する:ページや情報を一般に見られる状態にする
- ご案内する:相手にやわらかく知らせる
- お知らせする:親しみやすく伝える
- 掲載しております:すでに載っている状態を丁寧に伝える
たとえば、
- 新機能の詳細を公開いたしました
- 更新情報をお知らせいたします
- 詳細ページをご案内申し上げます
このように少しずつ言い換えると、文章にやわらかさが出て読みやすくなります。
広報担当者がよく迷うQ&A
Q. 「載せました」ではだめですか?
A. 間違いではありませんが、少し話し言葉に近く、カジュアルな印象があります。社外向けの案内メールでは「掲載いたしました」のほうが丁寧で安心です。
Q. 「記載しております」ではだめですか?
A. 説明書・申込書・契約書などなら自然です。ただ、Web更新のお知らせでは「掲載しております」のほうが一般的でわかりやすいです。
Q. 「ご掲載」は自社のことに使えますか?
A. 使いません。「ご掲載」は相手の行為に対して使う表現です。自社サイトについては「掲載いたしました」とするのが自然です。
Q. Webサイトの中でも、利用規約や申込ページなら「記載」でもいいですか?
A. はい、そのページ内の文章内容を指すなら自然です。たとえば「利用規約に記載しております」は問題ありません。ただし、更新を案内するメール全体では「Webサイトに掲載いたしました」と書くほうがまとまりやすいです。
まとめ
Web更新の案内メールで迷ったときは、まず次のように考えるとわかりやすいです。
- Webサイト・ニュース・お知らせページ → 掲載
- 契約書・申込書・説明書・規約の文章 → 記載
つまり、広く公開するなら「掲載」、文書の中に書いてあるなら「記載」です。
この基本だけ押さえておけば、案内メールで迷うことはかなり減ります。
まずは今書いているメールの「記載しました」を「掲載いたしました」に置き換えてみてください。
それだけで、ぐっと自然でプロらしい印象になりますよ。
【参考文献リスト】
- コトバンク「掲載」
- コトバンク「記載」
- 文化庁「公用文作成の考え方」