【決定版】神社の格式ランキング。伊勢神宮に次ぐ「Sランク」16社と、元神職が教える参拝の心得

権禰宜・田中 誠

執筆者:権禰宜・田渕 正志(たぶち まさし)

神社史研究家 / 元神職

國學院大學神道文化学部卒。実家の神社で奉職後、神社の歴史的背景を一般向けに解説する執筆活動に従事。「神社の解像度を上げる」をテーマに講演多数。難しい専門用語を並べる学者ではなく、「神社の楽しみ方を知っている案内人」として、歴史のロマンを分かりやすく語ります。

今度の連休、友人と旅行に行く計画を立てていて、「せっかくなら一番すごい神社に行って、強力な運気をいただきたい」という話になりませんでしたか?

でも、いざガイドブックやネットで調べてみても、「最強パワースポット」という言葉ばかりが並んでいて、どこが本当に格式高い「本物」なのか分からない……。

そんなふうに迷ってしまっているかもしれません。

実は、現代の神社には公式なランキングというものは存在しません。

しかし、歴史を紐解けば、朝廷や国が認めた「明確な序列」が存在します。

本記事では、元神職である私が、「勅祭社(ちょくさいしゃ)」「旧官幣大社(かんぺいたいしゃ)」という2つの歴史的基準を使って、現代における「Sランク神社」を厳選しました。

これを読めば、あなたは「なんとなく有名だから」ではなく、「歴史的根拠」を持って、自信を持って最高の参拝先を選べるようになります。

それでは、神社の奥深い世界へご案内しましょう。


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そもそも「神社の格式」とは?現代に残る2つの「格付け基準」

「一番すごい神社はどこですか?」

よくそう聞かれます。

もちろん、神様に優劣はありません。

しかし、長い歴史の中で、時の朝廷や武将たちが「ここは別格だ」と崇敬し続けてきた神社には、やはり他とは違う圧倒的な空気が流れています。

では、その「別格」を見分けるにはどうすればいいのでしょうか?

現代において有効な指標は、大きく分けて2つあります。

一つ目は、明治時代に定められた「近代社格制度」です。

これは、国が神社を管理するために作った格付け制度で、その最高位に位置するのが「官幣大社(かんぺいたいしゃ)」です。

戦後、GHQの指令により制度自体は廃止されましたが、今でも神社の規模や歴史的重みを測る「共通言語」として、神職の間でも重視されています。

二つ目は、現在でも続いている「勅祭社(ちょくさいしゃ)」という制度です。

これは、例祭などの重要な祭りに際して、天皇陛下のお使いである「勅使(ちょくし)」が派遣される神社のことです。

全国に約8万社ある神社の中で、勅祭社はわずか16社しかありません。

つまり、皇室と極めて深い関わりを持つ、選ばれしエリート神社と言えます。

結論として、「旧官幣大社」であり、かつ現在も「勅祭社」である神社

これこそが、現代における文句なしのトップクラス、Sランク神社であると定義できます。

【殿堂入り】伊勢神宮はなぜ「別格」なのか?

ランキングを発表する前に、一つだけ前提をお話ししておかなければなりません。それは、伊勢神宮の存在です。

皆さんもご存知の通り、伊勢神宮は日本の神社の中心です。

正式名称は単に「神宮」。

他の神社と区別するための地名すらつかない、唯一無二の存在なのです。

伊勢神宮は、皇室の御祖神である天照大御神をお祀りしており、全ての神社の頂点に立つ「本宗(ほんそう)」とされています。

かつては「私幣禁断(しへいきんだん)」と言って、天皇陛下以外の私的なお供えや願い事が禁止されていたほど、公的な性格の強い場所でした。

ですから、もしランキングをつけるなら、伊勢神宮は測定不能の「SSランク」、あるいはランキング対象外の「殿堂入り」となります。

今回は、この別格・超越した存在である伊勢神宮を除いた中での、トップクラスをご紹介します。

神社界のピラミッド構造

【Sランク】伊勢神宮に次ぐ最高峰。「勅祭社」16社リスト

お待たせしました。それでは、伊勢神宮に次ぐ現代の最高峰、「勅祭社」16社をご紹介します。

これらは全国8万社のうちのわずか0.02%。確率的に見ても、ここに参拝することは特別な体験です。旅行の行き先として、ぜひ検討してみてください。

📊 比較表
現代のSランク!勅祭社16社リスト

エリア社名(鎮座地)友人に語れる一行ウンチク
関東明治神宮(東京都)初詣者数日本一。明治天皇をお祀りする近代の聖地。
関東鹿島神宮(茨城県)「すべての始まりの地」とも呼ばれる、東国最古の神社。
関東香取神宮(千葉県)鹿島神宮と対をなす武神。勝負運の神様として名高い。
関東氷川神社(埼玉県)武蔵国の一の宮。首都圏280社の総本社。
関東靖国神社(東京都)国のために命を捧げた英霊をお祀りする、特別な存在。
中部熱田神宮(愛知県)三種の神器の一つ「草薙剣」をご神体とする、伊勢に次ぐ尊いお宮。
近畿石清水八幡宮(京都府)国家の守護神。かつては伊勢神宮に次ぐ「第二の宗廟」とされた。
近畿賀茂別雷神社(京都府)通称「上賀茂神社」。京都最古の歴史を持ち、雷(神鳴り)の力を宿す。
近畿賀茂御祖神社(京都府)通称「下鴨神社」。原生林「糺の森」に囲まれた、浄化のパワースポット。
近畿春日大社(奈良県)藤原氏の氏神。千年の歴史を持つ灯籠が幻想的な世界を作る。
近畿平安神宮(京都府)平安遷都を記念して創建。京都の雅を今に伝える。
近畿橿原神宮(奈良県)初代・神武天皇が即位した「日本建国の地」に鎮座。
近畿近江神宮(滋賀県)天智天皇をお祀りする。「かるたの聖地」としても有名。
中国出雲大社(島根県)伊勢神宮と対をなす存在。目に見えない「縁」を結ぶ神様のトップ。
九州宇佐神宮(大分県)全国の八幡宮の総本宮。神仏習合発祥の地とも言われる。
九州香椎宮(福岡県)仲哀天皇と神功皇后をお祀りする、皇室ゆかりの古社。

特に注目していただきたいのが、島根県の出雲大社です。

伊勢神宮が「天津神(あまつかみ・天の神様)」のトップであるのに対し、出雲大社は「国津神(くにつかみ・地の神様)」のトップ。

歴史的にも、国譲りの神話において伊勢と対比される、非常に重要なポジションにあります。

元神職が教える、格式高い神社での「恥をかかない」参拝マナー

格式高い神社に行くということは、いわば「神様の王宮」に招かれるようなものです。

そこで大切になるのが、参拝時のマナー、特に「服装」です。

「観光地だから動きやすい服でいいや」と思っていませんか?

もちろん、神様は服装で人を差別したりはしません。

しかし、服装を整えることは、自分の心を整えることに繋がります。

Sランクの神社では、神職も正装で奉仕しています。

参拝する私たちも、ジーンズやサンダルは避け、襟付きのシャツやジャケット、革靴などを選んでみてください。

それだけで背筋が伸び、神域の清浄な空気をより深く感じ取ることができるはずです。

また、せっかく格式高い神社に行くなら、「正式参拝(昇殿参拝)」をおすすめします。

賽銭箱の前で手を合わせるだけでなく、初穂料を納めて本殿の近くまで上がり、お祓いを受ける体験です。

その際の心地よい緊張感こそが、日常の穢れを落とす最強の厄除けになります。

まとめ:知識は「ご利益」を加速させる

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

現代における神社の格式ランキング、いかがでしたでしょうか。

  1. 伊勢神宮は別格のSSランク。
  2. それに次ぐSランクは「勅祭社」16社。
  3. 服装を整え、敬意を持って参拝する。

この3つを知っていれば、あなたの神社巡りは単なる観光から、人生の節目となる「特別な体験」へと変わります。

「ここは天皇陛下のお使いが来る場所なんだ」
「ここは昔、国の最高ランクだったんだ」

そう知って鳥居をくぐる時、目に見える景色は今までと違って見えるはずです。

知識は、信仰を深め、ご利益を受け取るための器を広げてくれます。

次の連休は、ぜひ少し背筋を伸ばして、本物の神社へ出かけてみてください。

きっと、素晴らしい気があなたを迎えてくれることでしょう。

参考文献

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