👨🏫 この記事を書いた人:山田 先生
中学国語専門のプロ家庭教師・塾講師。過去10年間で500人以上の中学生を指導し、国語が苦手な生徒の点数を平均20点アップさせた実績を持つ。「国語はセンスではなくルール」を信条とし、暗記や感覚に頼らない、論理的でわかりやすい解法を教える伴走者。
国語の宿題や定期テストで、こんな問題を見て手が止まっていませんか?
「次の詩に使われている表現技法を答えなさい」
「この一文の表現技法として正しいものを選びなさい」
「直喩と隠喩の違いを説明しなさい」
表現技法は、言葉だけを見ると難しそうに感じますよね。
「直喩」「隠喩」「倒置法」「体言止め」「対句法」など、漢字も多くて、覚えるだけで疲れてしまうかもしれません。
でも、安心してください。
中学国語の表現技法は、センスだけで解くものではありません。
多くの問題は、文章の中にある目印を探すことで見分けやすくなります。
たとえば、「ようだ」「みたいだ」があれば直喩の可能性が高く、文の最後が名詞で終わっていれば体言止めを疑います。
この記事では、中学生がテストで迷いやすい表現技法を、目印・例文・ひっかけ対策つきでわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 表現技法とは何か
- 直喩・隠喩・擬人法の見分け方
- 倒置法・体言止め・省略法の見抜き方
- 反復法と対句法の違い
- テストでよく出るひっかけポイント
- 表現技法の効果の答え方
- 練習問題と解説
表現技法とは?
表現技法とは、文章や詩をより印象的に伝えるための言葉の工夫です。
作者は、ただ事実を説明するだけでなく、読者に強く印象づけたり、情景を想像しやすくしたり、気持ちを深く伝えたりするために表現技法を使います。
たとえば、次の2つの文を比べてみましょう。
空が明るい。
空が宝石のように明るい。
どちらも空の明るさを表していますが、2つ目の文のほうが、きらきらした様子が想像しやすいですよね。
このように、言葉に工夫を加えて印象を強める方法が表現技法です。
中学国語でよく出る表現技法一覧
まずは、テストでよく出る表現技法を一覧で確認しましょう。
| 表現技法 | 意味 | 見分ける目印 |
|---|---|---|
| 直喩・明喩 | 「ようだ」「みたいだ」などを使ってたとえる | ようだ、みたいだ、まるで、似ている |
| 隠喩・暗喩 | 「ようだ」などを使わずにたとえる | AはBだ、AこそBだ |
| 擬人法 | 人間でないものを人間のように表す | 花が笑う、風が歌う |
| 倒置法 | 普通の語順を入れ替える | 文末が不自然、元の語順に戻せる |
| 体言止め | 文の最後を名詞で終える | 文末が名詞 |
| 反復法 | 同じ言葉や似た言葉を繰り返す | 同じ語句が何度も出る |
| 対句法 | 同じ形の文を並べる | 形・リズムがそろっている |
| 省略法 | 言葉を省いて余韻を残す | ……、途中で切れる表現 |
| 呼びかけ | 人や物に呼びかける | おお、〜よ、ねえ |
テストでは、これらの中から選ばせる問題がよく出ます。
まずは、名前を丸暗記するよりも、それぞれの「目印」を覚えることが大切です。

直喩・隠喩・擬人法の見分け方
表現技法の中でも、特に出やすいのが比喩です。
比喩とは、あるものを別のものにたとえて表す方法です。
中学国語でよく出る比喩には、直喩、隠喩、擬人法があります。
直喩とは?「ようだ」「みたいだ」が目印
直喩は、たとえであることがはっきりわかる表現です。
「ようだ」「みたいだ」「まるで」「似ている」などの言葉を使って、AをBにたとえます。
例文
- 君の笑顔は太陽のようだ。
- 雲がわたあめみたいに浮かんでいる。
- まるで夢の中にいるようだ。
- その声は鈴の音に似ている。
直喩を見つけるコツは、「ようだ」「みたいだ」を探すことです。
ただし、文章によっては「ような」「ように」と形が変わることもあります。
「たとえているかどうか」も合わせて確認しましょう。
隠喩・暗喩とは?「ようだ」を使わずに言い切る
隠喩は、たとえであることをはっきり示す言葉を使わずに、AをBと言い切る表現です。
暗喩とも呼ばれます。
例文
- 君の笑顔は太陽だ。
- 人生は旅だ。
- 彼はクラスの柱だ。
- 時間は金である。
隠喩は、「ようだ」「みたいだ」がないのに、実際には別のものにたとえています。
「本当に太陽なの?」「本当に旅なの?」と考えて、たとえだとわかれば隠喩です。
擬人法とは?人間でないものが人間のように動く
擬人法は、人間ではないものを人間のように表す技法です。
動物、植物、自然、物などが、人間のように話したり、笑ったり、泣いたり、考えたりします。
例文
- 花が笑っている。
- 風が歌っている。
- 太陽が私にほほえんだ。
- 時計が早く行けとせかしている。
擬人法を見分けるときは、主語を見ましょう。
主語が人間ではないのに、人間の動作や感情を表す言葉が使われていたら、擬人法の可能性が高いです。
直喩・隠喩・擬人法の見分けフローチャート
比喩で迷ったら、次の順番で考えてみましょう。
- 人間ではないものが、人間のような動作や感情を持っている?
- はい → 擬人法
- いいえ → 「ようだ」「みたいだ」「まるで」などがある?
- はい → 直喩
- いいえ → たとえとして言い切っている?
- はい → 隠喩・暗喩
この順番で見ると、迷いやすい問題も整理しやすくなります。
倒置法・体言止め・省略法の見分け方
次に、文の並び方や終わり方に注目する表現技法を見ていきましょう。
倒置法とは?普通の語順を入れ替える
倒置法は、普通の語順を入れ替える表現技法です。
言葉の順番を変えることで、印象を強めたり、余韻を出したりします。
例文
美しい、君の瞳は。
普通の語順に戻すと、次のようになります。
君の瞳は美しい。
このように、語順を戻して意味が通る場合は、倒置法の可能性があります。
倒置法の見分け方
- 文末が少し不自然に感じる
- 「〜を」「〜が」「〜は」「〜に」などで終わっている
- 普通の語順に戻せる
- 戻した文の意味が自然に通る
ただし、詩では改行が多いため、改行されているだけで倒置法とは限りません。
必ず、普通の語順に戻して確認しましょう。
体言止めとは?文末が名詞で終わる
体言止めは、文の最後を体言、つまり名詞で終える表現技法です。
文を言い切らずに名詞で止めることで、余韻や印象を残します。
例文
- 見上げれば、満天の星。
- 忘れられない、あの日の夕焼け。
- 静かな海。
- 胸に残る、母の言葉。
体言止めは、文末を見ると見つけやすいです。
最後が名詞なら、体言止めを疑いましょう。
省略法とは?あえて言葉を省く
省略法は、言葉を最後まで言わずに省く表現技法です。
読者に続きを想像させたり、余韻を残したりする効果があります。
例文
- もう二度と、あの日には……。
- もし、あのとき君が……。
- 坂を越えたら、また坂が……。
「……」が使われていたり、文が途中で切れていたりする場合、省略法の可能性があります。
反復法と対句法の違い
テストでよく迷うのが、反復法と対句法です。
どちらもリズムを生み出す表現ですが、見分けるポイントが違います。
反復法とは?同じ言葉を繰り返す
反復法は、同じ言葉や似た表現を繰り返す技法です。
印象を強めたり、リズムを作ったりする効果があります。
例文
- 走れ、走れ、どこまでも走れ。
- 会いたい、会いたい、もう一度会いたい。
- 雨が降る。雨が降る。静かに雨が降る。
同じ言葉が何度も出てきたら、反復法を疑いましょう。
対句法とは?同じ形の文を並べる
対句法は、同じような形やリズムの文を並べる表現技法です。
言葉そのものが同じでなくても、文の形がそろっていることがポイントです。
例文
- 春はあけぼの、夏は夜。
- 山は高く、海は深い。
- 昨日は涙、今日は笑顔。
- 朝には希望、夜には祈り。
対句法は、同じ構造の文が並ぶことで、リズムや対比が生まれます。
反復法と対句法の違いを表で確認
| 表現技法 | 見分けるポイント | 例文 |
|---|---|---|
| 反復法 | 同じ言葉や似た表現を繰り返す | 走れ、走れ、走れ。 |
| 対句法 | 同じ形・似た構造の文を並べる | 山は高く、海は深い。 |
覚え方はシンプルです。
同じ言葉なら反復法。
同じ形なら対句法。
この2つを区別できると、テストでかなり解きやすくなります。
呼びかけ・擬音語・擬態語も押さえよう
学校や問題集によっては、呼びかけ、擬音語、擬態語も出題されることがあります。
呼びかけとは?相手に呼びかける表現
呼びかけは、人や物に直接呼びかける表現です。
例文
- おお、雲よ。
- ねえ、君。
- 海よ、今日も青いのか。
「〜よ」「おお」「ねえ」などが目印になることがあります。
擬音語とは?音を表す言葉
擬音語は、実際の音を言葉で表したものです。
例文
- 雨がザーザー降る。
- 犬がワンワンほえる。
- ドアがバタンと閉まる。
擬態語とは?様子を表す言葉
擬態語は、音ではなく、様子や状態を表す言葉です。
例文
- 星がきらきら光る。
- 心がわくわくする。
- 雪がしんしんと降る。
擬音語は「音」、擬態語は「様子」と覚えると分かりやすいです。
表現技法の効果はどう答える?
テストでは、表現技法の名前だけでなく、「どのような効果があるか」を聞かれることもあります。
このときは、技法名だけを答えるのではなく、読者にどんな印象を与えるかまで書くことが大切です。
表現技法ごとの効果の答え方
| 表現技法 | 効果の書き方 |
|---|---|
| 直喩 | 様子を具体的にイメージしやすくしている |
| 隠喩 | 強く印象づけている |
| 擬人法 | 人間のように表して、親しみや印象を強めている |
| 倒置法 | 語順を変えて、強調や余韻を生んでいる |
| 体言止め | 余韻を残し、印象を強めている |
| 反復法 | 同じ言葉を繰り返し、リズムや強調を生んでいる |
| 対句法 | 形をそろえてリズムを作り、対比を印象づけている |
| 省略法 | 言葉を省いて、読者に想像させている |
効果の解答例
問題:
「花が笑っている」には、どのような表現技法が使われ、どんな効果がありますか。
解答例:
擬人法。花を人間のように表すことで、明るく親しみやすい印象を与えている。
このように、技法名と効果をセットで答えられると、記述問題にも対応しやすくなります。
テストでよくあるひっかけ対策
ひっかけ1:「ようだ」があっても必ず直喩とは限らない
「ようだ」があると直喩を疑いますが、すべてが直喩とは限りません。
たとえば、次の文を見てください。
彼はもう帰ったようだ。
これは何かにたとえているのではなく、「帰ったらしい」という推量です。
直喩ではありません。
「ようだ」があったら、必ず「何かを何かにたとえているか」を確認しましょう。
ひっかけ2:改行されているだけでは倒置法ではない
詩では、文が途中で改行されることがあります。
でも、改行されているだけで倒置法とは限りません。
倒置法かどうかは、普通の語順に戻せるかどうかで確認します。
ひっかけ3:同じ言葉がない対句法もある
対句法は、同じ言葉を繰り返すとは限りません。
大切なのは、文の形やリズムがそろっていることです。
山は高く、海は深い。
この文では、同じ言葉を繰り返しているわけではありません。
でも「Aは〜、Bは〜」という形がそろっているため、対句法と考えられます。
ひっかけ4:反復法と対句法が同時に見えることもある
文章によっては、同じ言葉を繰り返しながら、形もそろっている場合があります。
学校のテストでは、選択肢の中で最もはっきり当てはまるものを選ぶ必要があります。
迷ったときは、先生が授業で強調したポイントや、問題文の聞き方を確認しましょう。
表現技法を見分ける順番
初見の問題で迷ったときは、次の順番で確認すると解きやすいです。
- 人間でないものが人間のように表されているか → 擬人法
- 「ようだ」「みたいだ」「まるで」があるか → 直喩の可能性
- 「AはBだ」と言い切ってたとえているか → 隠喩の可能性
- 文末が名詞か → 体言止め
- 語順が普通と違うか → 倒置法
- 同じ言葉が繰り返されているか → 反復法
- 同じ形の文が並んでいるか → 対句法
- 言葉が途中で省かれているか → 省略法
表現技法は、いきなり答えを探すより、目印を順番にチェックするほうが正解に近づきやすいです。
練習問題で確認しよう
最後に、表現技法の見分け方を練習してみましょう。
問題1
雲は白い羊のように空を流れていく。
答え:
直喩
解説:
「羊のように」という言葉があり、雲を羊にたとえています。
問題2
僕の心は、暗い海だ。
答え:
隠喩・暗喩
解説:
「ようだ」を使わずに、心を海と言い切っています。
問題3
風が窓の外で泣いている。
答え:
擬人法
解説:
風は人間ではありませんが、「泣いている」という人間のような動作で表されています。
問題4
美しい、夕焼けの空は。
答え:
倒置法
解説:
普通の語順に戻すと「夕焼けの空は美しい」となります。
問題5
忘れられない、あの日の約束。
答え:
体言止め
解説:
文末が「約束」という名詞で終わっています。
問題6
進め、進め、光のほうへ。
答え:
反復法
解説:
「進め」という同じ言葉が繰り返されています。
問題7
春は花、秋は月。
答え:
対句法
解説:
「春は〜、秋は〜」という同じ形の表現が並んでいます。
よくある質問
Q. 表現技法は全部暗記しないといけませんか?
A. 名前だけを丸暗記するより、目印と例文をセットで覚えるのがおすすめです。特に直喩、隠喩、擬人法、倒置法、体言止め、反復法、対句法はよく出るので優先して覚えましょう。
Q. 直喩と隠喩の違いは何ですか?
A. 直喩は「ようだ」「みたいだ」などを使ってたとえる表現です。隠喩は、それらの言葉を使わずに「AはBだ」と言い切る表現です。
Q. 擬人法と隠喩はどう見分けますか?
A. 人間ではないものが、人間の動作や感情を持っているように表されていれば擬人法です。単に別のものにたとえているだけなら隠喩の可能性があります。
Q. 体言止めは文末が名詞なら必ずそうですか?
A. テストでは、文や詩の一部として文末が名詞で終わり、余韻を出している場合に体言止めと考えることが多いです。ただし、単語だけが並んでいる場合などは文全体を見て判断しましょう。
Q. 倒置法はどうやって確認すればいいですか?
A. 普通の語順に戻してみましょう。戻したときに自然な文になり、元の文で語順が入れ替わっていれば倒置法の可能性があります。
Q. 反復法と対句法はどちらを選べばいいですか?
A. 同じ言葉が繰り返されていれば反復法、同じ形の文が並んでいれば対句法を考えます。迷ったら、問題文が「同じ語句」か「同じ形」に注目させているかを見ましょう。
まとめ:表現技法は「目印」を探せば怖くない
表現技法は、最初は難しく見えます。
でも、見分けるための目印を覚えると、テストでも落ち着いて答えられるようになります。
今回のポイントをまとめます。
- 表現技法は、文章を印象的にする言葉の工夫
- 直喩は「ようだ」「みたいだ」などが目印
- 隠喩は「ようだ」を使わずにたとえる
- 擬人法は、人間でないものを人間のように表す
- 倒置法は、普通の語順を入れ替える
- 体言止めは、文末を名詞で終える
- 反復法は、同じ言葉を繰り返す
- 対句法は、同じ形の文を並べる
- 省略法は、あえて言葉を省いて余韻を残す
- 効果を聞かれたら、印象・強調・余韻・リズムで答える
表現技法の問題で迷ったら、まずは本文の中にある目印を探しましょう。
「ようだ」は直喩の可能性。
文末が名詞なら体言止め。
同じ言葉なら反復法。
同じ形なら対句法。
このように順番に確認すれば、宿題プリントや定期テストでも落ち着いて解けるようになります。
国語はセンスだけではありません。
ルールを知って、練習すれば、表現技法は少しずつ得点源にできます。
参考情報
- ベネッセ教育情報サイト「中学国語 定期テスト対策【詩】表現技法の見分け方」
- 進研ゼミ中学講座「直喩と隠喩の意味」
- TESTEA「表現技法7つを解説」
- 中学国語・詩の表現技法に関する学習教材