海外の取引先から届いた一通のメールに、“I have been busy lately.” と書かれていて、返信の手が止まってしまったことはありませんか?
「最近忙しかった(今は落ち着いた)」と訳すべきなのか、それとも「今もバタバタしているから、返信が遅れるかもしれない」という意味なのか。
ケンジさんのように、正確な状況が掴めず、結局いつも無難な過去形(I was busy)で返信してしまい、微妙なニュアンスのズレにモヤモヤしているビジネスパーソンは非常に多いです。
「完了・経験・継続……学校で習った文法用語を思い出そうとするほど、英語は出てこなくなる」
これが、私が外資系企業のマネージャーとして多くの日本人スタッフを見てきた結論です。
ビジネスの現場で必要なのは、学術的な分析ではなく、「読んだ瞬間に状況を特定し、適切な時制で打ち返す」ためのデバッグ・ルールです。
本記事では、難しい文法用語を一切使わず、「have been」の直後の1単語を見るだけで意味を即断するプロの技を伝授します。
この記事を読み終える頃には、あなたは過去形に逃げる自分を卒業し、ネイティブと同じ「時間の感覚」で自信を持ってメールを書けるようになっているはずです。
著者プロフィール
ニック (Nick)
ビジネス英語コーチ / 元外資系ITセールスマネージャー
外資系IT企業で15年間、アジア・欧州の多国籍チームをリード。延べ500人以上の日本人ビジネスパーソンに「現場で負けない英語」を指導してきた。文法書を1ページ目から読むのをやめ、ネイティブが使う「時間の目印」に注目する独自の学習メソッドを提唱している。
なぜ「I was busy」ではダメなのか?ネイティブが「have been」に込めるメッセージ
ビジネスメールにおいて、過去形(I was busy)と現在完了形(I have been busy)は、相手に与える印象が決定的に違います。
この違いを理解していないと、意図せず相手を突き放してしまったり、プロジェクトの状況を誤認させたりするリスクがあります。
過去形は「今は関係ない話」
過去形(was / did)は、ネイティブにとって「過去の点」を指す言葉です。
例えば、”I was busy.” と書くと、それは「(その時は)忙しかった。
でも今はもう終わったことだ」というニュアンスになります。
ケンジさんが取引先への返信でこれを使うと、相手は「今は暇なんだな」と判断し、すぐに次のタスクを振ってくるかもしれません。
have been は「今に繋がる架け橋」
一方で、have been は「過去から現在まで続く線」です。
“I have been busy.” と言った場合、その忙しさは今この瞬間も続いています。
ネイティブがこの表現を使うとき、そこには「(ずっと忙しい状態が続いているから)返信が遅れて申し訳ない」「(今もバタバタしているから)少し時間をくれ」という、現在の状況への説明が含まれているのです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 相手の状況を正確に把握したいなら、
have beenを「過去から現在へのメッセージ」として受け取ってください。なぜなら、この点は多くの日本人が見落としがちで、私も昔、完了形をすべて過去形で返信し、プロジェクトが「完了した」と誤解されて大きなトラブルになった経験があるからです。過去形は「終了」、
have beenは「継続中」というデバッグを忘れないでください。
【3秒判別フロー】文法用語は不要!「have been」の直後を見るだけのデバッグ術
「完了・経験・継続のどれだろう?」と悩む必要はありません。
「have been」の直後に来る1単語の品詞を見るだけで、意味は自動的に決まります。
1. 直後が「形容詞」なら【ずっと〜だ】
busy, sick, away, quiet などの状態を表す言葉が来たら、それは「過去から今もその状態が続いている」ことを意味します。
- I have been busy.(ずっと忙しい状態です)
- He has been away.(彼は(ずっと)席を外しています)
2. 直後が「〜ing」なら【ずっと〜している】
thinking, working, waiting などの動作が来たら、それは「過去から今もそのアクションを続けている」という意味です。
- I have been thinking about your proposal.(あなたの提案について(ずっと)検討しています)
- We have been working on this project.(私たちはこのプロジェクトに(ずっと)取り組んでいます)
3. 直後が「to 場所」なら【行ったことがある / 行ってきた】
場所を表す言葉が来たら、それは移動の経験や完了を意味します。
- I have been to London.(ロンドンに行ったことがあります)
- I have just been to the post office.(郵便局へ行ってきたところです)

そのままコピペOK!ビジネスメールで「have been」を使いこなす返信テンプレート
ケンジさんが迷っていた「検討しています」や、相手の状況を気遣う表現をテンプレート化しました。
過去形を have been に書き換えるだけで、相手への誠実さが伝わります。
📊 比較表
「過去形」vs「have been」相手への印象比較表
| 伝えたいこと | 過去形 (was/did) の印象 | have been の印象 | おすすめテンプレート |
|---|---|---|---|
| 検討しています | 「(さっきまで)考えていた」 | 「(ずっと)継続して考えている」 | I have been thinking about… |
| 忙しかったです | 「今はもう暇です」 | 「今もバタバタしています」 | I have been busy with… |
| 探していました | 「(今はもう)探していない」 | 「(今も)探し続けている」 | I have been looking for… |
ビジネスでそのまま使えるフレーズ集
- 返信が遅れた時の言い訳:
“I have been away from my desk all morning.”
(午前中ずっとデスクを離れておりました=今戻りました) - 進捗を伝える時:
“We have been working hard to meet the deadline.”
(締切に間に合わせるよう、ずっと尽力しております) - 相手の体調を気遣う時:
“I heard you have been sick. Are you feeling better now?”
(ずっと体調を崩されていると聞きました。今は良くなりましたか?)
FAQ:beenがある時とない時で何が変わる?よくある疑問を解消
Q. “I have finished” と “I have been finishing” は何が違いますか?
A. been が入ることで「時間の幅(プロセス)」が生まれます。
- I have finished: 「終わった(完了)」という結果にフォーカスしています。
- I have been finishing: 「ずっと終わらせようと頑張っている(継続)」という、今まさに取り組んでいるプロセスにフォーカスしています。
Q. “I have been to” と “I have gone to” の違いは?
A. ビジネスで「行ったことがある」と言いたいなら、必ず have been to を使ってください。
- have been to: 行って、もう戻ってきている(経験)。
- have gone to: 行ってしまって、今はここにいない(結果)。
相手に「〇〇へ行ったことがあります」と伝える際にhave gone toを使うと、「私は今そこにいて、ここにはいません」という矛盾した意味になってしまうので注意しましょう。
まとめ:「have been」はあなたのプロ意識を伝える武器になる
have been は、単なる文法ルールではありません。
それは、過去から現在までのあなたの努力や状況を、相手に正確に共有するための「誠実な架け橋」です。
- デバッグ: 直後の単語が「形容詞・ing・to」のどれかを確認する。
- イメージ: 過去の点ではなく、現在まで続く「線」を意識する。
- アウトプット: 過去形に逃げず、テンプレートを使って返信する。
次に英語メールを書くとき、勇気を持って過去形を一度 have been に書き換えてみてください。
その一歩が、ネイティブとの信頼関係をより深いものに変えてくれるはずです。
【参考文献リスト】
- British Council: Present Perfect (Present perfect simple or present perfect continuous?)
- Cambridge Dictionary: Present perfect simple or present perfect continuous?
- Grammarly Blog: Present Perfect Tense: Rules and Examples