教則本を進めていたら、急に8分音符のフレーズが出てきて、「あれ、急に難しくなった…」と感じたことはありませんか?
「1と2と」と書いてあるけれど、実際にどう感じればいいのかわからない。
頭では理解したつもりでも、いざギターを持つと右手が止まったり、リズムが走ったりしてしまう。
そんな悩みは、初心者さんにとても多いです。
でも安心してください。8分音符は、才能がないからできないのではなく、感じ方と練習の順番がまだ体になじんでいないだけ、ということがほとんどです。
この記事では、難しい理論や計算はできるだけ使わずに、8分音符を「頭で考える」のではなく「体で感じやすくする」ための練習法を、やさしくご紹介します。
ポイントは、声、右手、メトロノームをバラバラにしないこと。
ここがつながると、8分音符はぐっとわかりやすくなります。
【この記事を書いた人】
タケシ / ギター講師・初心者向けレッスン経験多数
リズムやストロークでつまずきやすい方に向けて、できるだけ感覚的にわかる説明を大切にしています。
8分音符って何?まずはここだけわかれば大丈夫
8分音符は、1拍を半分に分けた音符です。
たとえば4分音符が「1拍ぶん」なら、8分音符はその半分。つまり、1拍の中に8分音符は2つ入ります。
このとき、よく使われる数え方が「1と2と3と4と」です。
- 数字の部分 … 拍の表
- 「と」の部分 … 拍の裏
この「表」と「裏」を感じられるようになると、8分音符が一気にわかりやすくなります。
最初のうちは、「8分音符=4分音符の半分」と頭で考えるより、1拍の中に“2つのタイミングがある”と感じるほうが、実際の演奏にはつながりやすいです。

なぜ「わかっているのに弾けない」の?
8分音符でつまずく原因は、知識が足りないというより、右手の動きがまだ一定になっていないことが多いです。
4分音符だけのときは、1拍ごとに「ジャーン、ジャーン」と弾けばなんとなく形になりますよね。
けれど8分音符になると、1拍の中に2回タイミングが入るので、右手の往復運動が必要になります。
ここで多くの初心者さんがやってしまうのが、
- 音が出るときだけ右手を動かす
- 頭の中でタイミングを計算しようとする
- アップのときだけ急にぎこちなくなる
という流れです。
すると、リズムが安定しにくくなって、「自分はリズム感がないのかも…」と感じやすくなります。
でも実際には、リズム感がないというより、右手の“往復の流れ”がまだ体に入っていないだけのことが多いです。
初心者さんは「声」と「右手」を先につなげるのがおすすめ
8分音符の練習では、いきなりコードを押さえて完璧に弾こうとしないほうがうまくいきやすいです。
まずは、声に出すリズムと右手の動きをつなげることから始めてみてください。
ギターの8ビートの基礎練習では、拍の表をダウン、裏をアップで弾く練習がよく使われます。
これは絶対にそうしなければいけない、という意味ではありませんが、初心者さんがリズムを安定させる練習としてはとてもわかりやすい方法です。
まずは次のように考えてみましょう。
- 1 → ダウン
- と → アップ
- 2 → ダウン
- と → アップ
つまり、「1と2と3と4と」=「ダウン・アップ・ダウン・アップ…」です。
これを、頭ではなく体で感じていくのが最初の目標です。
【実践】8分音符を体で覚えやすくする3ステップ
ここからは、実際に試しやすい練習手順をご紹介します。
ステップ1:まずは声だけで数える
ギターを持たずに、手拍子でもいいので、一定のテンポで
「1と2と3と4と」
と声に出してみましょう。
ポイントは、数字と「と」を均等な間隔で並べることです。
「1…と……2…と…」のようにバラついてしまうと、あとで右手も不安定になります。
できるだけ、同じ間隔で並べる意識を持ってみてください。
ステップ2:声に合わせて右手だけ動かす
次に、ピックを持って、まだ弦は弾かずに右手だけを動かします。
1(ダウン)・と(アップ)・2(ダウン)・と(アップ)
と、声といっしょに右手を動かします。
このとき大切なのは、音が出るかどうかではなく、右手が止まらずに往復していることです。
最初は大きく、ゆっくりで大丈夫です。小さく速くやろうとすると、かえってぎこちなくなりやすいです。
ステップ3:コード1つでゆっくり弾く
右手の動きが少し安定してきたら、CやGなど押さえやすいコードを1つだけ使って、同じように弾いてみます。
まだコードチェンジは入れなくて大丈夫です。
まずは、
「1と2と3と4と」
↓ ↑ ↓ ↑ ↓ ↑ ↓ ↑
が崩れずに続けられることを目指してください。
練習のコツ
うまくいかないときほど、コードチェンジや左手を増やさないのが近道です。
最初は右手だけ、次に1コード、最後にコードチェンジ、の順番がおすすめです。

メトロノームが苦手なら「倍テンポ」で練習しやすくなることも
初心者さんの中には、メトロノームを鳴らしても、クリックとクリックの間で迷ってしまう方がいます。
そんなときに試しやすいのが、メトロノームを倍テンポで鳴らす方法です。
たとえば、テンポ80の曲を8分音符で安定させたいなら、メトロノームを160にして、鳴るクリックすべてを「1と2と3と4と」の粒として感じる方法です。
こうすると、間の空白が減って、裏拍を感じやすくなることがあります。
これは初心者さんにとって役立つ練習法のひとつで、Fenderでも、メトロノームを速くして8分音符を感じやすくする使い方が紹介されています。
もちろん、これが唯一の正解というわけではありません。やりやすい方もいれば、最初は忙しく感じる方もいます。
でも、「通常テンポだと間が長くて迷う」という方には、かなり助けになることがあります。
おすすめの試し方
- 曲のテンポが80なら、まず80で4分音符を感じる
- 次に160にして、8分音符の粒として感じる
- 右手の往復と声がそろうか確認する
「普通の設定だと間で迷う」「表は合うのに裏がズレる」という方は、一度試してみる価値があります。
📊 比較表
メトロノーム通常設定と倍テンポ設定の違い
| 項目 | 通常設定 | 倍テンポ設定 |
|---|---|---|
| クリックの位置 | 主に表拍の感覚を取りやすい | 表と裏の粒を感じやすい |
| 向いている人 | すでにテンポ感が安定している人 | 8分音符の間で迷いやすい初心者 |
| 注意点 | 間の空白でズレやすいことがある | 最初は忙しく感じることがある |
8分休符が入ると急に崩れる人へ
8分音符が少しわかってきても、8分休符が混ざると急に弾けなくなることがあります。
そんなときに大切なのは、音を止めても、右手の流れは止めないことです。
つまり、休符のところでも、右手のダウン・アップの動きだけは続けます。
弦に当てない「空振り」のような形でもかまいません。これをよく「空ピッキング」と呼びます。
休符で右手まで止めてしまうと、次に入るタイミングを見失いやすいです。
逆に、右手の流れが続いていれば、次にどこで音を出せばいいかがわかりやすくなります。
アップでピックが引っかかるときのコツ
8分音符を弾いていると、アップストロークで引っかかってしまう方も多いです。
そんなときは、次の2つを意識してみてください。
- ピックを深く当てすぎない
- 手首を少しやわらかく使う
ピックの先をほんの少しだけ出して、弦に軽く触れるようにすると、引っかかりにくくなります。
また、腕全体を大きく振るより、手首のやわらかい往復で弾くほうがスムーズになりやすいです。
Yamahaのストローク解説でも、ピックを深く当てすぎないことがコツとして紹介されています。
よくある質問(FAQ)
Q. 8分音符は「1と2と」で必ず数えないといけませんか?
A. 基本練習ではとてもおすすめです。最初は「1と2と」のほうが表と裏を感じやすいので、リズムを体に入れやすくなります。
Q. ダウン・アップは絶対に守らないとダメですか?
A. 基本練習では、交互に続けるほうが安定しやすいです。ただし、実際の演奏では例外もあります。まずは基礎として、交互の流れを身につけるのがおすすめです。
Q. メトロノームは遅いほうが練習しやすいですか?
A. 必ずしもそうではありません。遅すぎるとクリックの間で迷いやすいことがあります。そんなときは倍テンポ設定が助けになることがあります。
Q. 右手が止まってしまいます。
A. まずは弦を弾かずに、声と右手だけ合わせる練習に戻ってみてください。そこが安定すると、かなりラクになります。
まとめ:8分音符は「頭」より「右手の流れ」でつかみやすくなる
8分音符をマスターするために、難しい理論をたくさん覚える必要はありません。
まず大切なのは、
- 1拍の中に表と裏があると感じること
- 「1と2と」と声に出して数えること
- 右手をダウン・アップで止めずに往復させること
- 必要ならメトロノームを倍テンポにして粒を感じやすくすること
この4つです。
リズムが苦手だと感じていても、やり方がわかると少しずつ弾きやすくなります。大丈夫です。
最初から完璧に弾けなくても、右手の流れが止まらなくなってくるだけで、8分音符はぐっと身近になります。
今日の練習では、まずギターを持たずに「1と2と3と4と」と声に出しながら、右手を振るところから始めてみてくださいね。
【参考文献リスト】
- Liberty Park Music「How to Count 8th Notes and 16th Notes」
- Fender「Easy Tips for Playing Rhythm Guitar」
- Yamaha Sheet Music Store「Go!Go! GUITAR プレイバック」
- Yamaha Sheet Music Store「基礎力を鍛えるギターワークアウトフレーズ」