飼い犬が他人を噛んでけがをさせたら健康保険は使えない?費用負担と正しい対応をやさしく解説

愛犬と暮らしていると、「もしうっかり誰かを噛んでしまったらどうしよう」と不安になることがありますよね。

実際、犬による咬傷事故が起きると、治療費は誰が払うのか、健康保険は使えるのか、保健所への連絡は必要なのかなど、気になることが一気に増えます。

しかも、ネット上では「犬に噛まれたら健康保険は使えない」と書かれていることもあれば、「一時的には使える」と書かれていることもあり、初めてだと混乱しやすいテーマです。

結論からいうと、他人の犬に噛まれたけがでも、仕事中や通勤中でなければ健康保険を使って受診できるケースがあります

ただし、その場合はあとから「第三者行為による傷病届」などの手続きが必要になります。

一方で、仕事中・通勤中なら健康保険ではなく労災保険が優先です。

また、飼い犬が人を噛んだ場合は、飼い主として保健所への届出や相手への対応も必要になります。

この記事では、犬に噛まれたときの保険の考え方、飼い主の負担、被害者と飼い主それぞれがやるべきことを、初心者の方にもわかりやすく整理してご紹介します。

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他人の犬に噛まれたら健康保険は使える?まず結論から

まず一番大切なところからお伝えします。

他人の犬に噛まれたけがでも、仕事中・通勤中でなければ、健康保険を使って受診できる場合があります。

このときのけがは、交通事故やけんかなどと同じように、「第三者行為によるけが」として扱われます。

つまり、本来は加害者である犬の飼い主が負担すべき治療費を、いったん健康保険が立て替え、その後で保険者が飼い主側に請求する流れです。

そのため、健康保険を使って受診した場合は、あとから「第三者行為による傷病届」を提出する必要があります。

ここを知らずに「犬の事故だから全部自費」と思い込んでしまうと、必要以上の負担を感じてしまうこともあります。

【ここが大事】

・他人の犬に噛まれたけがでも、私用中なら健康保険を使える場合がある
・ただし、第三者行為の届出が必要
・仕事中・通勤中なら健康保険ではなく労災保険が優先

仕事中・通勤中に犬に噛まれた場合は労災保険

もし犬に噛まれたのが、仕事中通勤途中であれば、健康保険ではなく労災保険の対象になるのが基本です。

たとえば、次のようなケースです。

  • 配達中に他人の犬に噛まれた
  • 訪問先で犬に噛まれた
  • 通勤途中の道で犬に噛まれた

この場合、病院には「仕事中(または通勤中)のけがです」と最初に伝えることが大切です。

健康保険を使ってしまうと、あとから労災への切り替え手続きが必要になり、本人にとっても手間が増えやすくなります。

自分の犬に噛まれた場合はどうなる?

自分の飼い犬に噛まれた場合は、他人の犬とは扱いが少し違います。

第三者行為ではないため、通常のけがとして健康保険で受診するケースが多いです。

ただし、実際の取り扱いは加入している保険者や医療機関の案内に従うのが安心です。

また、傷が深い、腫れが強い、出血が止まらないなどの場合は、保険のことよりもまず受診を優先してくださいね。

飼い犬が他人を噛んだら、飼い主は何を負担するの?

ここは飼い主としてとても大切なポイントです。

犬が他人にけがをさせた場合、飼い主は損害賠償責任を負うのが基本です。

治療費だけではなく、状況によっては次のような費用が問題になることもあります。

  • 診察代・治療費
  • 通院の交通費
  • 仕事を休んだ場合の休業損害
  • 衣類や持ち物の破損
  • 慰謝料

「健康保険が使えたから、飼い主の負担はなくなる」というわけではありません。

被害者が健康保険を使って受診した場合でも、保険者が立て替えた分は後から加害者側へ請求されますし、被害者が一時的に支払った自己負担分などは、別に話し合いが必要になることがあります。

被害者が一人で病院に行くときはどうなる?

実際には、飼い主がすぐ一緒に病院へ行けるとは限りませんよね。

そんなときは、被害者が先に受診することになります。

その場合、病院や保険者には、「他人の犬に噛まれた」ことをきちんと伝えてもらうことが大切です。

健康保険を使って受診する場合は、後日、加入している健康保険へ第三者行為の届出を出す流れになります。

また、示談を急ぎすぎると、あとで保険の取り扱いがややこしくなることがあります。

治療費や保険の手続きが落ち着く前に「これで終わりにしましょう」と口約束で済ませてしまうのは、できれば避けたほうが安心です。

犬に噛まれたとき、まずどう対応する?

犬に噛まれた直後は、びっくりしてしまいますよね。

でも、まずは落ち着いて次の順番で対応すると安心です。

1. まず傷口をよく洗う

自治体の案内でも、まず傷口をきれいに洗浄し、できるだけ早く受診することが勧められています。

見た目が小さな傷でも、犬の口の中の細菌で感染することがあります。

2. できるだけ早く病院を受診する

傷が浅く見えても、自己判断せず受診したほうが安心です。

深い傷や腫れ、痛みが強い場合は特に早めの受診が大切です。

3. 飼い主の連絡先を確認する

相手の名前、住所、電話番号は必ず確認しましょう。

あとから治療費や届出で必要になります。

4. 事故状況をメモしておく

いつ、どこで、どのように噛まれたかを簡単に残しておくと、保険や話し合いのときに役立ちます。

可能なら傷や現場の写真も残しておくと安心です。

飼い主がすぐにやるべきこと

もし自分の犬が人を噛んでしまったら、飼い主としては気が動転してしまうと思います。

でも、そんなときこそ落ち着いて、次のことを優先してください。

1. まず被害者に受診してもらう

傷の程度を自分で判断せず、病院を受診してもらうのが基本です。

2. 連絡先をきちんと伝える

名前、住所、電話番号を被害者へ伝え、あとで連絡が取れる状態にしておきましょう。

3. 保健所へ相談・届出をする

島根県でも、犬が人を咬んだ場合は事故届の提出などが必要と案内されています。

最寄りの保健所へ早めに相談しましょう。

4. 犬の狂犬病確認を受ける

自治体の案内に沿って、動物病院で咬傷犬の確認や必要書類の準備が必要になることがあります。

5. 今後の再発防止を考える

リードの使い方、散歩ルート、他人との距離、来客時の管理など、同じことを繰り返さないための見直しも大切です。

飼い主さんの立場で考えると…

被害者が健康保険を使ったとしても、それで「支払いがなくなる」わけではありません。

あとから保険者から請求が来たり、自己負担分や慰謝料などについて話し合いが必要になったりすることがあります。

「病院で健康保険は使えません」と言われたら?

医療機関によっては、第三者行為だと手続きが複雑なため、受付で「健康保険は使えません」と説明されることがあります。

でも、公式案内では、業務外・通勤外の第三者行為によるけがは、健康保険を使って受診できるとされています。

そのため、もし戸惑ったときは、加入している健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険など)に連絡して確認するのがおすすめです。

国民健康保険なら市役所・区役所の保険年金課、協会けんぽなら加入支部に相談すると流れを教えてもらえます。

示談は急がないほうが安心

犬の咬傷事故では、「とりあえずお見舞金を払うので、それで終わりにしませんか」と早めに話をまとめたくなることがあります。

でも、健康保険を使っている場合は、示談の内容によってあとから保険給付に影響が出ることがあります。

特に、治療が続いている途中で医療費を含む形の示談をしてしまうと、その後の手続きが難しくなることもあります。

そのため、示談をする前に、加入している保険者へ相談しておくと安心です。

よくある質問

Q. 他人の犬に噛まれたら、病院では全額自費ですか?

A. 仕事中・通勤中でなければ、健康保険を使って受診できる場合があります。ただし、第三者行為による傷病届が必要です。

Q. 仕事中に噛まれたら健康保険と労災、どちらですか?

A. 仕事中や通勤中なら、原則として労災保険です。健康保険は使えません。

Q. 自分の犬に噛まれた場合はどうなりますか?

A. 一般には通常のけがとして健康保険で受診するケースが多いですが、保険者や医療機関に確認すると安心です。

Q. 飼い犬が人を噛んだら保健所への連絡は必要ですか?

A. 自治体によって手続きは少し異なりますが、自治体によっては事故届の提出等が必要と案内されています。まず最寄りの保健所へ相談してください。

Q. 飼い主として備えておく保険はありますか?

A. 一般には個人賠償責任保険でカバーできる場合があります。火災保険や自動車保険、クレジットカード付帯の特約に含まれていることもあるので、一度確認しておくと安心です。

まとめ

「犬に噛まれたら健康保険は使えない」と思われがちですが、実際にはそうとは限りません。

他人の犬に噛まれたけがでも、仕事中・通勤中でなければ健康保険を使える場合があり、その際は第三者行為による傷病届が必要になります。

一方で、仕事中・通勤中は労災保険が優先です。

そして、飼い犬が他人を噛んでしまった場合、飼い主には損害賠償責任が生じるのが基本で、治療費だけでなく、その後の対応もとても大切になります。

もしものときに慌てないためにも、

  • 被害者はまず洗浄・受診・相手確認
  • 飼い主は受診対応・保健所相談・再発防止
  • 保険の手続きは示談前に確認

この3つを覚えておくと安心です。

「うちの子は大丈夫」と思っていても、犬はちょっとした刺激で思わぬ行動をとることがあります。

日頃の管理と、万が一のときの備えを見直しておくことが、飼い主さん自身の安心にもつながりますよ。


→ 飼い犬が他人を噛んでけがをさせた場合に備える保険とは?

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