食事中に耳の下が痛い!大人の突然の激痛は「唾石症」かも?何科に行くべきかやさしく解説

朝ごはんや昼食を食べているとき、突然、耳の下やあごの下に「ズキッ」と強い痛みが走ると、とてもびっくりしますよね。

「これっておたふく風邪?」
「大人でもなるの?」
「病院は何科に行けばいいの?」

そんな不安なお気持ちで、この記事にたどり着いた方も多いと思います。

まずお伝えしたいのは、食事のたびに耳の下やあごの下が痛む場合、原因のひとつとして「唾石症(だせきしょう)」が考えられるということです。

唾石症は、唾液が通る管の中や唾液腺に石のようなかたまりができて、唾液の流れが悪くなる病気です。

とくに食べようとしたとき・食べている最中に、腫れや痛みが強くなり、しばらくすると少し落ち着くのが特徴です。

ただし、耳の下の痛みはすべて唾石症とは限りません。

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)や唾液腺炎、そのほか別の病気のこともあります。

そこでこの記事では、症状の見分け方、受診する診療科、放置してはいけないサインまで、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。

この記事でわかること

  • 食事中に耳の下が痛くなる原因のひとつ「唾石症」とは何か
  • おたふく風邪との違い
  • 何科を受診すればいいか
  • 病院へ行く前に知っておきたい注意点
  • 早めに受診したほうがいい危険サイン
スポンサーリンク

食事のたびに耳の下が痛む…その原因のひとつは「唾石症」です

唾石症とは、唾液をつくる「唾液腺」や、唾液が口の中へ流れる「管」に石のようなかたまりができる病気です。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも、唾液腺や排泄管の中に石ができる病態と説明されています。

特に多いのは、あごの下にある顎下腺(がっかせん)の唾石です。

日本口腔外科学会でも、唾石症の多くは顎下腺に生じると案内されています。

痛みのしくみは、とてもシンプルです。

食事をすると、体は「食べ物を消化しよう」として唾液をたくさん出します。

ところが、その通り道に石が詰まっていると、唾液がスムーズに流れません。

すると、行き場を失った唾液で唾液腺がふくらみ、腫れや強い痛みが起こります。

これが、食事中に急に痛くなる理由です。

イメージとしては、ホースの先に小石が詰まって、水がうまく流れなくなる状態に近いです。

水がたまるほど、ホースの中の圧が高くなって苦しくなりますよね。

唾石症も、それとよく似たイメージです。

やさしくひとこと
「食べるたびにズキッとする」「食後しばらくすると少し楽になる」という流れがあるときは、唾石症を疑うヒントになります。

ただし注意したいのは、自己判断で決めつけないこと。

同じように耳の下やあごの下が痛くなる病気はほかにもあるため、症状が続くときは受診が大切です。

食事中に耳の下が痛くなる「唾石症」の仕組み

「おたふく風邪」との違いは?3つのやさしいセルフチェック

耳の下が腫れると、「おたふく風邪かも」と不安になりますよね。

おたふく風邪の正式名称は流行性耳下腺炎で、厚生労働省によると、ムンプスウイルス感染によって耳下腺が腫れる病気です。

ものを噛むときに痛みが出ることがあり、数日の発熱を伴うことが多いとされています。

一方で、唾石症はウイルス感染ではなく、唾液の通り道に石ができることによるトラブルです。

そのため、似ているようで、特徴には違いがあります。

1. 痛みが強くなるタイミング

唾石症: 食事の前後や食事中に痛み・腫れが強くなりやすいです。
おたふく風邪: 食事と無関係に痛みや腫れが続くことがあります。

2. 腫れ方

唾石症: 片側だけに出ることが多いです。
おたふく風邪: 片側から始まることもありますが、両側に出ることもあります。

3. 発熱の有無

唾石症: 初期は熱がないことも多いです。
おたふく風邪: 数日の発熱を伴うことが多いとされています。

比較表

チェック項目唾石症おたふく風邪(流行性耳下腺炎)
主な原因唾液の通り道に石ができるムンプスウイルス感染
痛みの出方食事中・食後に強くなりやすい食事に関係なく続くことがある
腫れ方片側が多い片側または両側
発熱ないことが多い数日の発熱を伴うことが多い
人にうつる?うつらないうつる可能性がある

ただし、症状だけで完全に見分けるのは難しいこともあります。

「たぶん唾石症かな」と思っても、自己判断だけで放置しないでくださいね。

何科に行けばいい?おすすめは「耳鼻咽喉科」または「歯科口腔外科」です

「耳の下が痛いなら内科かな?」
「口の近くだから歯医者さん?」

そんなふうに迷いやすいのですが、唾石症が疑われるときの受診先として考えやすいのは、耳鼻咽喉科または歯科口腔外科です。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、唾石症を耳鼻咽喉科・頭頸部外科が扱う病気として案内しています。

また、日本口腔外科学会も唾石症を口腔外科で扱う病気として説明しています。

さらに、国立国際医療センターの歯科口腔外科でも、唾液腺疾患として唾石症を扱い、「顎の下、耳の下が腫れた。

食事のときに痛みがでる」といった症状に対応していることが示されています。

そのため、受診の目安は次のように考えるとわかりやすいです。

  • 耳鼻咽喉科: 耳の下の腫れや痛みが強い、発熱やおたふく風邪との区別がつきにくいとき
  • 歯科口腔外科: 口の中の違和感や舌の下の腫れがある、唾石の処置を相談したいとき

近くにどちらかしかない場合は、まず受診しやすいほうで大丈夫です。

必要に応じて、適切な科へ紹介してもらえます。

逆に、一般内科だけで様子を見る普通の歯科だけで済ませると、診断まで少し遠回りになることもあります。

迷ったら、最初から耳鼻咽喉科か歯科口腔外科を選ぶのがおすすめです。

放置はNG?早めに病院へ行きたい理由

唾石症は、小さな石なら自然に出ることもあります。

日本口腔外科学会でも、小さな唾石は自然に流れ出ることがあると案内されています。

ただし、いつも自然に治るわけではありません。

耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、感染を合併すると痛みや腫れが悪化し、口の中に膿が出ることもあります。

また、済生会の解説でも、感染すると痛みの悪化、皮膚の赤み、高熱などが出るとされています。

つまり、「食事の時だけ痛いから大丈夫」と軽く考えてしまうと、悪化してしまうこともあるのです。

こんな症状があるときは、できるだけ早く受診を

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 耳の下・あごの下の腫れや痛みが繰り返す
  • 食事のたびに強く痛む
  • 片側だけでも腫れが目立つ
  • 痛みがだんだん強くなってきた
  • 口の中に苦い味や膿っぽい感じがある
  • 皮膚が赤い、熱を持っている
  • 発熱がある

特に、次のような場合は放置せず、早めに医療機関へ相談してください。

  • 38度前後以上の発熱がある
  • 腫れがどんどん強くなる
  • 口が開けにくい
  • 食事や水分がとりにくい
  • 呼吸がしづらい、飲み込みにくい

こうした症状は、唾石症だけでなく、感染やほかの病気が隠れているサインのこともあります。

病院へ行くまでの過ごし方

病院へ行くまでの間、痛みがつらいと本当に不安になりますよね。

そんなときは、次のように過ごしてみてください。

1. 無理にマッサージしない

「押したら石が出るかも」と思って、強く押したくなるかもしれませんが、自己流でぐいぐい触るのはおすすめできません。

痛みが強くなったり、炎症を悪化させたりすることがあります。

2. 痛みが強いときは軽く冷やす

腫れがつらいときは、冷たいタオルなどで軽く冷やすと楽になることがあります。

ただし、長時間の冷やしすぎは避けてください。

3. 水分をこまめにとる

口の中が乾くと、唾液の流れが悪くなりやすくなります。

無理のない範囲で、水分をこまめにとってください。

4. 市販の痛み止めは「一時しのぎ」と考える

つらい場合は、市販の鎮痛薬を使う選択肢もありますが、あくまで一時的な対処です。

持病がある方、妊娠中の方、ほかのお薬を飲んでいる方は、薬剤師さんや医師に相談してから使うと安心です。

5. 痛みが出る食べ物に注意する

酸っぱいものや、見ただけで唾液がたくさん出そうな食べ物は、痛みを誘発しやすいことがあります。

受診前に痛みが強いときは、無理をしないでください。

病院ではどんな検査や治療をするの?

病院では、まず症状の出方や腫れの場所を確認します。そのうえで、必要に応じて画像検査を行います。

済生会の解説では、唾石症の診断にX線、CT、超音波検査が使われることが示されています。

治療は石の大きさや場所によって異なります。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、自然に口の中へ出て治ることもありますが、そうでない場合は、口の中から石を取り出したり、内視鏡で摘出したり、場所によっては手術が選ばれたりします。

また、日本口腔外科学会でも、小さな唾石は自然に流出することがあり、導管内にあるものは口の中から摘出、顎下腺の中にあるものは顎下腺ごと摘出することがあると説明されています。

「手術」と聞くと不安になるかもしれませんが、すべての人が大がかりな治療になるわけではありません。

まずは、石の大きさや場所をきちんと調べてもらうことが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 食事中に右耳の下だけ痛いのですが、唾石症ですか?

A. 片側だけの痛みや腫れは、唾石症でよくみられる特徴のひとつです。ただし、おたふく風邪や唾液腺炎など別の原因もあるため、自己判断だけでは決められません。繰り返すようなら受診しましょう。

Q. 唾石症は自然に治りますか?

A. 小さい石なら自然に流れ出ることがあります。ただし、自然に出ないことも多く、痛みや腫れを繰り返したり、感染したりすることもあるため、早めの相談が安心です。

Q. おたふく風邪との見分け方は?

A. 食事のたびに痛みが強くなるなら唾石症の特徴に近いです。一方、おたふく風邪はムンプスウイルス感染で、発熱を伴うことが多く、片側または両側の耳下腺が腫れます。

Q. 何科に行けばいいですか?

A. まずは耳鼻咽喉科、または歯科口腔外科がおすすめです。どちらも唾石症を扱う診療科です。

Q. 放っておいても大丈夫ですか?

A. おすすめできません。感染を起こすと、痛みの悪化、赤み、高熱、膿などが出ることがあります。早めに受診したほうが安心です。

まとめ

食事中に耳の下やあごの下が突然痛くなると、とても不安になりますよね。

でも、食事のたびに痛みが強くなり、しばらくすると落ち着くという流れがあるなら、原因のひとつとして唾石症が考えられます。

今回のポイントをまとめると、次の通りです。

  • 唾石症は、唾液の通り道に石ができる病気
  • 食事中・食後に痛みや腫れが強くなるのが特徴
  • おたふく風邪はウイルス感染で、発熱を伴うことが多い
  • 受診先は耳鼻咽喉科、または歯科口腔外科
  • 発熱、赤み、膿、強い腫れがあるときは早めの受診が大切

「そのうち治るかも」と我慢しすぎず、心配なときは早めに相談してくださいね。

原因がわかるだけでも、不安はかなり軽くなります。どうぞお大事になさってください。


参考情報

スポンサーリンク