
この記事を書いた人:今田 ひかり
手芸教室講師 / ハンドメイド・ライフスタイルアドバイザー
刺繍教室運営歴10年。延べ1,000人以上の初心者を指導し、挫折率ゼロを継続中。「不器用さんこそ、道具に頼れば輝ける」がモットー。
仕事でクタクタになって帰宅し、気づけばSNSを眺めるだけで一日が終わってしまう…。
そんなデジタル漬けの毎日に疲れ、「スマホを見ない時間を作りたい」と刺繍に興味を持ったものの、「100均のキットを買ってみたけど、説明書が暗号みたいで挫折した」「私、不器用だから無理かも」と諦めかけていませんか?
その気持ち、痛いほどよく分かります。
私の教室に来られる生徒さんの多くも、最初は同じ悩みを抱えていました。
でも、断言させてください。
刺繍で挫折するのは、あなたの不器用さのせいではありません。
9割は「道具選び」と「説明書」に原因があります。
この記事では、教室歴10年の私が、「動画解説付き」かつ「道具が全て揃った」、絶対に失敗させない魔法のキットの選び方と、週末だけで完成させる具体的な手順をお伝えします。
今週末、スマホを「見る」道具から「先生」に変えて、無心でチクチクする時間を過ごしてみませんか?
日曜の夜には、「私にもできた!」という自信と、お部屋を彩る可愛い北欧雑貨が手に入っているはずです。
なぜ「100均キット」で挫折するのか?初心者が陥る3つの罠
「まずは手軽に始めたいから」と、100円ショップのキットを手に取る方は非常に多いです。
しかし、実はこれが初心者が陥る最大の罠なのです。
なぜ多くの人が100均キットで「刺繍=辛いもの」と誤解してしまうのか、その理由をプロの視点で解説します。
1. 針と糸の品質が「修行」レベル
100均のキットに含まれる針は、コストカットのために表面の研磨が甘いことが多く、布通りが悪い場合があります。
無理に針を通そうとして指が痛くなり、「刺繍って力仕事なの?」と嫌になってしまうのです。
本来、良い針を使えば、布に吸い込まれるようにスッと通ります。
2. 「紙の説明書」という情報の壁
多くの安価なキットは、コストを抑えるために説明書が簡素なイラストのみです。
しかし、刺繍は立体的な作業。
「針をどこから出して、どのくらいの強さで引くか」という力加減やニュアンスは、静止画のイラストでは伝わりにくいのが現実です。
これが「説明書が暗号に見える」原因です。
3. 図案写しで心が折れる
多くのキットでは、自分で図案を布に写す必要がありますが、これが初心者には至難の業。
線が歪んでしまい、刺す前からモチベーションが下がってしまいます。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 初心者こそ、初期投資として2,000円〜3,000円程度の「メーカー製オールインワンキット」を選んでください。
なぜなら、この価格帯のキットは「時間を買う」投資だからです。上質な針、プリント済みの布、そして丁寧な解説が含まれており、オールインワンキットは100均キットとは異なり、挫折のリスクをお金で解決してくれる頼もしい味方なのです。
「紙」より「動画」!スマホを先生にする新しい刺繍の始め方
では、どうすれば挫折せずに進められるのでしょうか?
その答えは、「紙の説明書」を捨て、「動画」で学ぶことにあります。
動画解説が初心者を救う理由
動画解説は紙の説明書よりも圧倒的に情報量が多く、初心者の理解度が段違いです。
紙の説明書では「針を出す」という結果しか描かれていませんが、動画なら「針を出すまでの手の動き」「糸を引くスピード」「失敗した時の戻り方」まで、全てのプロセスを目で見て真似することができます。
スマホを「先生」にするデジタルデトックス
「デジタルデトックスしたいのに、スマホを見るの?」と思われるかもしれません。
しかし、ここでのスマホは、SNSをダラダラ見るための道具ではなく、あなたを導く「専属の先生」になります。
分からないところは何度でも巻き戻せますし、疲れたら一時停止も自由。
教室で先生に何度も質問するのは気が引けるという方でも、動画なら気兼ねなく自分のペースで進められます。
この「スマホを道具として使いこなす感覚」こそが、健全なデジタルライフの第一歩となるのです。

土曜2時間+日曜3時間。週末だけで完成させる「失敗しない」タイムスケジュール
「忙しくて時間が取れない」という方も安心してください。
初心者がコースター程度の作品(約8cm角)を作るのにかかる時間は、平均して約5時間です。
これを週末の2日間に分散させることで、無理なく、そして確実に完成させることができます。
ここでは、私が推奨する「失敗しない週末刺繍プラン」をご紹介します。
📊 週末刺繍タイムスケジュール
| 時間帯 | 工程 | ポイント |
|---|---|---|
| 土曜 14:00-16:00 (2時間) | 準備と練習 | 「頑張らない」が合言葉。 キットを開封し、動画を一度通して見ます。端切れ布で基本のステッチを少し練習したら、今日はそれでおしまい。カフェラテでも飲みながら、リラックスして取り組みましょう。 |
| 日曜 10:00-13:00 (3時間) | 本番作成 | 自然光の中で集中。 明るい午前中に本番を刺します。昨日の練習のおかげで、手はスムーズに動くはず。好きな音楽をかけながら、無心でチクチク進めましょう。 |
| 日曜 13:00- | 完成・撮影 | 達成感を味わう。 完成した作品を額に入れたり、小物を置いて撮影したり。「私にもできた!」という喜びを噛み締める大切な時間です。 |
一気にやろうとすると、目や肩が疲れて「作業」になってしまいます。
このように時間を区切ることで、刺繍は「癒やしの時間」に変わります。
【徹底比較】動画付き&オールインワン!初心者におすすめの刺繍キット3選
それでは、数あるキットの中から、「動画解説付き」かつ「道具が全て揃ったオールインワン」という条件を満たす、初心者さんに心からおすすめできる3つのキットを厳選してご紹介します。
📊 初心者におすすめの動画付き刺繍キット比較
| キット名 | 動画充実度 | デザイン | おすすめタイプ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Craftie Home Box | ★★★★★ | 北欧・モダン | トレンド重視派 | サブスク形式で毎月違うハンドメイドが届く。動画のクオリティが非常に高く、スマホで見やすい。 |
| Couturier (フェリシモ) 「はじめてさんのきほんのき」 | ★★★★☆ | 可愛い・素朴 | じっくり派 | 超初心者向けの老舗。スモールステップで進むので、基礎からしっかり学びたい人に最適。 |
| Olympus 「ガーデンパーティー」 | ★★★☆☆ | ボタニカル | 手軽に開始派 | Amazon等で購入可能。老舗メーカー製で糸の品質が抜群。動画はYouTubeで確認できる場合が多い。 |
1. Craftie Home Box(クラフティホームボックス)
今、最も注目されているのがこのサービスです。
Craftie Homeは、単なるキット販売ではなく「おうちレッスン」を届けるサブスクリプションサービスです。
特筆すべきは動画のクオリティ。
手元のアップが非常に見やすく、まるでマンツーマンレッスンを受けているような感覚になれます。
「おしゃれな北欧風デザイン」が多く、完成品をインテリアとして飾りたい20代〜30代の方に特におすすめです。
2. Couturier(クチュリエ)「はじめてさんのきほんのき」
フェリシモが展開するCouturierは、Craftie Homeと比較して「基礎をじっくり積み上げる」ことに特化しています。
特に「きほんのき」シリーズは、針の持ち方から教えてくれる超親切設計。
動画サポートも充実しており、「絶対に失敗したくない」「基礎から体系的に学びたい」という真面目な方にぴったりです。
3. Olympus(オリムパス)「ガーデンパーティー」
「サブスクはちょっと…」という方には、老舗メーカーOlympusのキットがおすすめ。
Amazonなどで単品購入でき、届いたらすぐ始められます。
Olympusは国内トップメーカーだけあり、糸や布の品質が最高レベルです。
刺し心地の良さに感動するはずです。
よくある質問:玉結びが苦手でも大丈夫?
最後に、購入前に皆さんが抱く「技術的な不安」にお答えします。
Q1. 玉結びがうまくできず、裏側がぐちゃぐちゃになりそうです。
A. 大丈夫です!裏側なんて誰も見ません。
教室でもよくお伝えするのですが、刺繍の目的は「表側を可愛くすること」です。裏側がどれだけ絡まっていても、表が綺麗なら100点満点!
また、動画付きキットなら「玉結び不要の『捨て糸』」という、裏も綺麗になるプロの技法を動画で学べます。文字で読むと難しそうですが、動画で見れば「なーんだ、簡単!」と思えるはずですよ。
Q2. 飽きっぽいので、最後まで完成できるか不安です。
A. それなら「クロスステッチ」から始めましょう。
刺繍には大きく分けて「フランス刺繍」と「クロスステッチ」があります。
クロスステッチは、フランス刺繍のように自由度が高すぎて迷うことがなく、図案通りに「×(バツ)」を埋めていくだけのパズル感覚で進められます。
「次はどこを刺そう?」と悩む時間がないので、無心になりやすく、飽きっぽい方でもゲーム感覚でサクサク進められますよ。
まとめ:今週末はスマホを置いて、無心になれる「チクチク時間」を。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「私にもできるかな?」という不安は、少し解消されましたでしょうか?
刺繍は、特別な才能がある人だけのものではありません。
「正しい道具」と「分かりやすい動画」さえあれば、誰でも必ず、お店に売っているような素敵な作品を作ることができます。
仕事に追われる毎日の中で、ほんの数時間でも「スマホを置いて、手元だけに集中する時間」を持つこと。
一針一針進めるごとに、心のざわつきが静まり、完成した時の「できた!」という小さな達成感が、明日からのあなたを少しだけ元気にしてくれるはずです。
さあ、今週末はあなたも「チクチク時間」を始めてみませんか?
まずは、直感で「可愛い!」と思ったキットを一つ、選んでみてくださいね。
[参考文献リスト]
- Craftie Home (https://craftie.jp/)
- Felissimo Couturier (https://www.felissimo.co.jp/couturier/)
- ふたり暮らし「クロスステッチキットのおすすめ」(所要時間データの参照) (https://hutarigurashi.com/cross-stitch-kit-recommendation/)