「先日」はいつまで使える?2週間前はOK?ビジネスメールの正解とスマートな言い換え

高橋 恵子

この記事を書いた人:高梁 圭子

ビジネスコミュニケーション・コンサルタント / 元大手商社秘書

企業研修登壇数500回以上。形式的なマナー論ではなく、現場で「実際にどう使われているか」という肌感覚を重視し、若手社員の「言葉の迷い」を解決するプロフェッショナル。

取引先へのメールを作成中、「先日はありがとうございました」と書き出して、ふと手が止まってしまったことはありませんか?

「あれ、最後に会ったのって2週間前だっけ? 2週間前って『先日』でいいのかな? ちょっと前すぎる?」

そんな風に迷い始めると、送信ボタンがなかなか押せなくなってしまいますよね。

安心してください。結論から言うと、2週間前の出来事を「先日」と言うのは、ビジネスシーンにおいて全く問題ありません。

むしろ、最も自然に使えるベストなタイミングと言っても過言ではありません。

この記事では、元商社秘書の私が、迷いがちな「先日」の期間の目安と、相手に「デキる!」と思わせるスマートな言い換えテクニックを解説します。


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【結論】「先日」の賞味期限は?ビジネスでの許容範囲をタイムラインで解説

「先日」という言葉は便利ですが、具体的な日数が決まっていないため、人によって感覚がズレやすい言葉です。

しかし、ビジネス現場には「暗黙の了解」とも言える共通認識が存在します。

まずは、その「許容範囲」をタイムラインで確認してみましょう。

時間経過と言葉選びのタイムラインチャート

「昨日・一昨日」は具体的すぎる

「昨日はありがとうございました」と言える場面で、「先日は〜」と言うと、相手は「え、昨日のことじゃないの? 別の件?」と混乱してしまいます。

記憶に新しい直近の出来事は、具体的に「昨日」「一昨日」と言うのがマナーです。

「3日前〜1ヶ月」が『先日』の守備範囲

ここが「先日」の独壇場です。

特に1週間〜2週間前は、記憶が少し薄れ始める頃合いであり、「先日」という言葉が最も自然に響きます。

NHK放送文化研究所の調査や各種辞書の定義を見ても、「近い過去」を指す言葉として、1ヶ月程度までを含めるのが一般的です。

ですから、2週間前は自信を持って「先日」を使ってください。


「いつのこと?」と言わせない。デキる人がやっている「先日+α」のテクニック

「先日」は便利な言葉ですが、弱点もあります。

それは、「相手に記憶の検索を強いる」ということです。

多忙な取引先の場合、「先日はどうも」と言われても、「(どの件だっけ…?)」と一瞬考えさせてしまう可能性があります。

そこで、私が秘書時代に実践していた、相手にストレスを与えない「気遣いのテクニック」をご紹介します。

最強の組み合わせは「先日+日付」

言葉を言い換えるよりも、補足情報を足すのが最も確実で親切です。

  • △ 普通: 「先日はありがとうございました。」
  • ◎ デキる人:先日(〇月〇日)は、お忙しい中お時間をいただきありがとうございました。」

このようにカッコ書きで日付を入れるだけで、相手は「ああ、あの日のことね」と即座に理解できます。

「用件」をセットにする

日付がパッと出てこない場合は、用件を添えましょう。

  • ◎ デキる人: 「先日の〇〇プロジェクトのお打ち合わせでは、貴重なご意見をありがとうございました。」

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 迷ったら「先日」を使いつつ、必ず「具体的な手がかり(日付や用件)」をセットにしましょう。

なぜなら、ビジネスメールの目的は「言葉を正しく使うこと」ではなく、「相手に用件をスムーズに伝えること」だからです。丁寧な言葉を選ぼうとして悩みすぎるより、相手の記憶を助ける工夫をする方が、よほど「仕事ができる人」という印象を与えられますよ。


1ヶ月以上前ならどうする?「過日」「先般」の使い分けと例文

では、1ヶ月以上期間が空いてしまった場合はどうすれば良いでしょうか。

「先日」だと「ちょっと前のことすぎるかな?」と感じる場合は、以下の言葉に切り替えましょう。

📊 比較表
言い換え表現の比較(期間・丁寧度)

表現使用目安丁寧度特徴・使用シーン
先日3日前〜1ヶ月普通最も一般的。日常会話からメールまで幅広く使える。
過日(かじつ)1ヶ月以上〜非常に高い「先日」より遠い過去。書き言葉として非常に丁寧。「過日は結構なお品を〜」など。
先般(せんぱん)数週間〜数ヶ月高い改まった場面や、特定の出来事(局面)を指す。「先般の会議では〜」など。
この間(あいだ)数日〜数ヶ月低い口語的。親しい間柄限定。ビジネスメールでは避けるのが無難。

「過日(かじつ)」:大人の余裕を感じさせる表現

1ヶ月以上前のことを丁寧に伝えたいなら「過日」が便利です。

  • 例文:「過日は、弊社創立記念パーティーにご出席いただき、誠にありがとうございました。」

「先般(せんぱん)」:公的なニュアンス

少し硬い表現ですが、会議やプロジェクトなど、特定の出来事を指すのに適しています。

  • 例文:「先般の取締役会にて承認されました通り〜」

よくある質問:目上の人に使っても失礼じゃない?

最後に、マナーに関するよくある不安にお答えします。

Q. 目上の人に「先日」と言っても失礼になりませんか?
A. 全く問題ありません。
「先日」という言葉自体は敬語ではありませんが、失礼な言葉でもありません。「先日はありがとうございました」「先日の件ですが」のように、後に続く言葉を丁寧語や謙譲語にすれば、目上の人に対しても問題なく使えます。

むしろ、無理に「過日」などの硬い言葉を使って慇懃無礼(いんぎんぶれい)になるより、自然な「先日」の方が好感を持たれることも多いですよ。


まとめ:言葉選びは「相手への配慮」。自信を持って送信ボタンを押そう

言葉選びに迷ってしまうのは、あなたが相手のことを大切に思い、「失礼があってはいけない」と配慮している証拠です。

その気遣いは、きっとメールの文面から相手に伝わります。

  • 2週間前は「先日」のベストタイミング。
  • 迷ったら「日付」や「用件」を足して補足する。
  • 1ヶ月を過ぎたら「過日」を検討する。

この3つさえ覚えておけば、もう迷うことはありません。

さあ、自信を持ってメールを書き上げ、送信ボタンを押しましょう!

 

[参考文献リスト]

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