著者プロフィール
吉本 健一 (Yoshimoto Kenichi)
アートトイ専門鑑定士 / POP MARTコレクター歴8年
「せっかくお迎えしたラブブ、偽物だったら悲しいですよね。でも大丈夫、プロの視点で一緒に検証しましょう」
デザイナーズトイの真贋鑑定、製造ロットごとの仕様分析を専門とし、大手スニーカー・ホビーフリマアプリでの鑑定監修も務める。偽造品を許さず、コレクターの資産と愛を守る頼れる専門家として活動中。
フリマアプリでやっと手に入れた念願のラブブ。
でも、届いた箱を開けた瞬間、「あれ、なんか目が離れてない?」「タグの印刷、ちょっと安っぽくない?」と、背筋が凍るような違和感を覚えませんでしたか?
「もしかして、偽物を掴まされた?」
その不安、痛いほどわかります。
最近の偽造品(スーパーコピー)は本当に精巧で、一見しただけではプロでも迷うほどです。
一方で、本物のラブブにも製造時期による「個体差」があり、それが余計に判断を難しくしています。
でも、焦って受取評価をする前に、深呼吸してください。
実は、スマホ一つあれば、誰でも10秒で「本物」か「偽物」かを100%見抜く方法があります。
主観的な「顔の可愛さ」や「縫製の甘さ」に頼る必要はありません。
この記事では、プロの鑑定士である私が、QRコードを使った決定的な判定方法と、多くの人が誤解している「ロット差」の真実を、包み隠さずお伝えします。
おあなたの手元のラブブが「世界に一つの本物」なのか、それとも「精巧な偽物」なのか、今すぐ白黒つけましょう。
【最重要】スマホで10秒!QRコードの「URL」で白黒つける
まず結論から言います。
あなたの手元にあるラブブが本物かどうかを判定する最も確実な方法は、QRコードの読み込み結果、特に「URLドメイン」を確認することです。
「QRコードなら読み込めたよ! だから本物でしょ?」
そう思ったあなた、ちょっと待ってください。
そこが最大の落とし穴です。
実は、最近の偽物はQRコード自体もコピーしており、スマホで読み込むこと自体はできてしまうのです。
重要なのは「読み込めるかどうか」ではなく、「どこのサイトに繋がったか」です。
検証手順:URLドメインの確認
- QRコードを探す: 箱の裏面にあるホログラムシールを少しめくるか、ぬいぐるみのタグ(ナイロン製の場合)を確認してください。
- スマホでスキャン: カメラアプリでQRコードを読み取ります。
- URLを確認する: 画面上部に表示されるURL(アドレス)をよーく見てください。
本物のURLは、以下のいずれかのみです。
http://fwsy.popmart.com/https://m-gss.popmart.com/https://popmart.com/を含むドメイン
もし、これ以外のURL(例えば pop-verify.com や popmart-vip.com のような、いかにもそれらしい偽装ドメイン)が表示されたり、全く関係のない中国語のサイトに飛んだりした場合は、残念ながら100%偽物です。
QRコードとURLドメインの関係性は、真贋判定における「指紋」のようなものです。
QRコードの模様はコピーできても、POP MART公式のドメイン(popmart.com)だけは、絶対に偽造できないからです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: QRコードを読み込んだら、必ず「ブラウザで開く」前に、表示されたURLの文字列を目視確認してください。
なぜなら、偽装サイトの中には、本物のPOP MART公式サイトのデザインを完コピしているものがあり、画面の見た目だけでは騙されてしまうからです。URL(ドメイン)だけは嘘をつけません。この「1秒の確認」が、あなたの資産を守ります。
「タグが違う=偽物」は間違い?知っておくべき「ロット差」の真実
QRコードが無事に公式ドメインだったとしても、まだ安心できないかもしれませんね。
「でも、SNSで見た写真とタグの素材が違うんだけど…」「足の裏のロゴ、なんか太くない?」といった疑問が残っているなら、それは「ロット差」である可能性が高いです。
ここで、ラブブ(THE MONSTERS)とロット差の関係について正しく理解しておきましょう。
POP MART製品は、再販(リストック)されるたびに、細かな仕様変更が行われます。
これを「ロット差」と呼びます。
つまり、「初期に作られた本物」と「最近作られた本物」では、見た目が違うことがあるのです。
多くの人が「自分の持っているものと違う=偽物だ!」と早合点してしまいますが、実はどちらも正規品であるケースが非常に多いのです。
代表的なロット差の例
特に誤解を生みやすいのが、「タグの素材」と「足裏のフォント」です。
以下の表で、あなたの手元のラブブがどのタイプに当てはまるか確認してみてください。
📊 比較表
ラブブ(THE MONSTERS)初期ロットと新型ロットの仕様比較
| 特徴 | 初期ロット (正規品) | 新型ロット (正規品) | 偽物の特徴 (参考) |
|---|---|---|---|
| タグの素材 | 布製 (柔らかい質感) | ナイロン製 (ツルツルした質感) | ペラペラの紙っぽい素材、印刷が滲んでいる |
| 足裏のロゴ | フォントが細い | フォントが太く、くっきりしている | 文字の間隔がバラバラ、スペルミスがある |
| パッケージ | 色味がやや薄い場合がある | 発色が鮮やか | 全体的に色がくすんでいる、画像の解像度が低い |
このように、ラブブという製品には、製造時期によって「布タグ」と「ナイロンタグ」という異なる属性(ロット差)が存在します。
「ナイロンタグだから偽物」という情報は間違いです。
むしろ、最近の再販分はナイロンタグが主流になっています。
仕様が違うからといって即座に偽物と決めつけず、まずは「これは新型ロットかもしれない」という視点を持ってください。
プロはここを見る!ブラックライト&細部チェックポイント
QRコードでURLを確認し、ロット差の可能性も考慮した。
それでもまだ「100%の確信」が欲しいあなたのために、プロの鑑定士が実践している「物理的な検証方法」を伝授します。
ここで使うのは「ブラックライト(UVライト)」です。
100円ショップで売っているもので構いません。
本物のラブブには、特定の部位に蛍光塗料が使われており、ブラックライトを当てると鮮やかに光ります。
一方、コストを削減して作られた偽物は、この蛍光反応が出ない、あるいは光り方が弱いことが多いのです。
ブラックライト検証のポイント
部屋を少し暗くして、ラブブの顔にライトを当ててみてください。本物ならば、以下のポイントが反応します。
- 目: 目の輪郭やハイライト部分が青白く光ります。
- 歯: ギザギザの歯の輪郭がくっきりと浮かび上がります。
- 鼻: 鼻の周りのラインが光ります。
- ほっぺ: チークの部分がぼんやりと反応することがあります。

もし、QRコードが正規URLで、かつブラックライトでこれらの反応が見られれば、そのラブブは「個体差のある本物」である可能性が極めて高いです。
自信を持って可愛がってあげてください。
もし偽物だったら?受取評価前の対処法
検証の結果、残念ながら「QRコードのURLがおかしい」「ブラックライトで全く光らない」という結論に至ってしまった場合。
ショックだと思いますが、まだ諦めないでください。
メルカリなどのフリマアプリでは、「受取評価」をする前であれば、返品や返金の交渉が可能です。
ここで絶対にやってはいけないのが、「泣き寝入りして受取評価ボタンを押すこと」です。
一度評価をしてしまうと、取引が完了し、事務局も介入できなくなってしまいます。
具体的な対処ステップ
- 証拠を残す:
- QRコードを読み込んだスマホ画面のスクリーンショット(偽装URLが映っているもの)。
- ブラックライトを当てても光らない様子の写真。
- タグやロゴのアップ写真。
- 出品者に連絡する:
- 感情的にならず、事務的に事実を伝えます。
- 例文:「お世話になっております。届いた商品を確認しましたが、QRコードの遷移先が公式サイト(popmart.com)ではなく、ブラックライトの反応もありませんでした。正規品ではない可能性が高いため、返品・返金をお願いしたく存じます。」
- 事務局に相談する:
- 出品者が応じない場合は、証拠写真を添えて事務局に「偽造品が届いた」と通報してください。
まとめ:そのラブブは「世界に一つの本物」かもしれない
ここまで、プロの視点での見分け方を解説してきました。
- QRコード: 読み込めるかではなく、URLが
popmart.comかを確認する。 - ロット差: タグやフォントの違いは「仕様変更」であり、偽物の証拠ではない。
- ブラックライト: 目や歯が正しく蛍光反応するかチェックする。
「目が離れている気がする」という最初の違和感。
それはもしかしたら、偽物だからではなく、その子が持つ「個性(個体差)」なのかもしれません。
検証の結果、もし本物だと分かったなら、その「ちょっとブサイク」なところも含めて、世界に一匹だけのあなたのラブブです。
どうか、安心してたくさん愛でてあげてください。
そして、もし偽物だったとしても、あなたには「客観的な証拠」という武器があります。
泣き寝入りせず、冷静に対処してください。あなたのラブブ愛が、守られることを願っています。
参考文献
- POP MART Official – Authenticity Check – POP MART公式サイト
- スニーカーダンク – ラブブ真贋鑑定解説 – SNKRDUNK Magazine