親指の付け根が痛い!1分でわかる原因チェックと今日からできる痛みの和らげ方

ペットボトルのふたを開けようとした瞬間、洗濯ばさみをつまんだとき、重い買い物袋を持ち上げたとき……。

親指の付け根に「ズキッ」と鋭い痛みが走って、思わず手を止めてしまったことはありませんか?

「ただの使いすぎかな?」
「このまま家事や仕事ができなくなったらどうしよう」
「ネットで調べたら手術と出てきて怖くなった」

そんな不安を感じている方も多いと思います。

親指の付け根の痛みは、家事・仕事・スマホ操作・育児・介護など、毎日の何気ない動作で起こりやすい症状です。

特に40代後半から60代の女性では、手をよく使う生活に加えて、年齢による関節や腱の変化が重なり、痛みが出やすくなることがあります。

ただし、親指の付け根が痛いからといって、すぐに手術が必要になるわけではありません。

多くの場合、まずは親指を休ませる、サポーターで固定する、手の使い方を見直すといった「保存療法」から始めます。

この記事では、親指の付け根が痛いときに考えられる代表的な原因である「母指CM関節症」「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」の違いを、初心者の方にもわかりやすく解説します。

あわせて、今日からできる痛みの和らげ方、サポーターの選び方、整形外科を受診する目安もご紹介します。

この記事でわかること

  • 親指の付け根が痛くなる主な原因
  • 母指CM関節症とドケルバン病の違い
  • 自分でできる簡単なチェック方法
  • 痛いときにやってはいけないNG行動
  • サポーターやテーピングで親指を守るコツ
  • 整形外科を受診したほうがよいサイン
目次
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親指の付け根が痛い原因は、大きく2つあります

親指の付け根が痛いとき、代表的な原因としてよく見られるのが、次の2つです。

  • 母指CM関節症:親指の付け根の関節に負担がかかって痛む
  • ドケルバン病:親指を動かす腱と腱鞘に炎症が起きて痛む

どちらも「親指の付け根が痛い」と感じやすい病気ですが、痛む場所や痛みが出る動作に違いがあります。

とても簡単にいうと、ペットボトルのふたを開ける、瓶のふたをひねる、洗濯ばさみをつまむ動作で痛いなら母指CM関節症が疑われます。

一方で、親指を動かしたり、手首を小指側に曲げたりすると、手首の親指側がズキッと痛むならドケルバン病が疑われます。

ただし、自己判断だけで病名を決めることはできません。

痛みが続く場合や、家事・仕事に支障がある場合は、整形外科、できれば手外科を扱う医療機関で相談しましょう。

なぜ40代・50代以降の女性に多いの?

親指の付け根の痛みは、「自分が無理をしたせい」と感じてしまう方が少なくありません。

もちろん、手をよく使う作業は痛みのきっかけになります。たとえば、次のような動作です。

  • ペットボトルや瓶のふたを開ける
  • フライパンや鍋を持つ
  • 雑巾をしぼる
  • 洗濯ばさみを何度も使う
  • スマホを長時間操作する
  • 段ボールや重い荷物を持つ
  • パートや仕事で手を繰り返し使う

さらに40代後半から50代以降になると、関節や腱そのものも少しずつ変化していきます。

ドケルバン病は、妊娠・出産期の女性や更年期の女性、手をよく使う人に多いとされています。

母指CM関節症も、使いすぎや加齢に伴う関節軟骨のすり減りが関係するとされています。

つまり、親指の痛みは「怠けているから」でも「年だから仕方ない」でもありません。

毎日の家事や仕事を頑張ってきた手に、少しずつ負担がたまって出てきたサインと考えるとよいでしょう。

やさしくひとこと
親指は、つまむ・持つ・ひねる・支えるなど、毎日の生活でとてもよく働いています。痛みが出たときは、無理をするより「少し休ませてあげる」ことが大切です。

1分セルフチェック:母指CM関節症?ドケルバン病?

ここからは、ご自身の痛みがどちらに近いかを確認してみましょう。

ただし、セルフチェックはあくまで目安です。強い痛みがあるときは、無理に押したり、ひねったりしないでください。

親指の付け根の痛み「母指CM関節症」と「ドケルバン病」の違い

母指CM関節症が疑われるチェックポイント

母指CM関節症は、親指の付け根にある「CM関節」に負担がかかり、痛みが出る状態です。

次のような動作で痛みが出る場合は、母指CM関節症の可能性があります。

  • ペットボトルのふたを開けると痛い
  • 瓶のふたをひねると痛い
  • 洗濯ばさみをつまむと痛い
  • 鍵を回すと痛い
  • ドアノブを回すと痛い
  • 親指の付け根のふくらみを押すと痛い
  • 親指の付け根が少し出っ張ってきた気がする

特に、「つまむ」「ひねる」「力を入れて握る」動作で親指の根元が痛い場合は、母指CM関節症を疑うサインになります。

ドケルバン病が疑われるチェックポイント

ドケルバン病は、手首の親指側にある腱と腱鞘がこすれて炎症を起こす病気です。

次のような症状がある場合は、ドケルバン病の可能性があります。

  • 手首の親指側が痛い
  • 親指を広げると痛い
  • 親指を動かすと手首側に痛みが走る
  • 赤ちゃんを抱っこする、重いものを持つと痛い
  • スマホ操作やパソコン作業で痛みが強くなる
  • 手首の親指側に腫れや熱っぽさがある

ドケルバン病の簡単チェック方法

ドケルバン病では、親指を含めて手首を小指側に曲げると痛みが強くなることがあります。

ただし、このテストは痛みを強く感じる場合があります。確認する場合は、次のようにごく軽く行ってください。

  1. 痛いほうの手を前に出します。
  2. 親指を手のひら側に軽く倒します。
  3. その親指を、ほかの4本の指で軽く包みます。
  4. 手首を小指側へ、ほんの少しだけ傾けます。

このとき、手首の親指側に鋭い痛みが出る場合は、ドケルバン病の可能性があります。

痛みが強い場合は、すぐに中止してください。 痛みを我慢して何度も試す必要はありません。

母指CM関節症とドケルバン病の違いを比較

項目母指CM関節症ドケルバン病
痛む場所親指の付け根の関節付近手首の親指側
痛みやすい動作つまむ、ひねる、ふたを開ける親指を動かす、手首を小指側へ曲げる
よくある場面瓶のふた、洗濯ばさみ、鍵、ドアノブ抱っこ、スマホ、パソコン、重い荷物
主な原因関節への負担、加齢、軟骨のすり減り腱と腱鞘の炎症、手の使いすぎ
固定のポイント親指の付け根の関節を守る親指から手首までの動きを抑える

痛いときにまず大切なのは「使いすぎないこと」

親指の痛みがあるときに、まず大切なのは痛みを出す動作を減らすことです。

「動かさないと固まりそう」と思って、痛い部分を強くマッサージしたり、無理にストレッチしたりする方もいますが、炎症がある時期には逆効果になることがあります。

痛みが強いときは、次のことを意識してみてください。

  • ペットボトルや瓶のふたは道具を使って開ける
  • 重い荷物は片手で持たず、両手で持つ
  • スマホを片手で長時間持たない
  • 雑巾しぼりを避け、モップや使い捨てシートを活用する
  • 痛い手で無理につままない
  • 買い物袋は手提げではなくリュックやカートを使う

小さな工夫ですが、親指にかかる負担を減らすだけで、痛みが落ち着きやすくなることがあります。

サポーターはどう選ぶ?症状別の選び方

親指の付け根が痛いときは、サポーターで固定して「使いすぎ」を防ぐことが役立ちます。

ただし、母指CM関節症とドケルバン病では、固定したい場所が少し違います。

母指CM関節症に向いているサポーター

母指CM関節症では、親指の付け根の関節を安定させることが大切です。

選ぶときは、次のポイントを見てください。

  • 親指の根元をしっかり支えられる
  • つまむ動作のときに痛みが軽くなる
  • 手首まで固定しすぎず、日常生活で使いやすい
  • 締めつけすぎない

家事や仕事をしながら使いたい場合は、短めで動きやすいタイプが便利です。

ただし、痛みが強いときは、しっかり固定できるタイプのほうが合うこともあります。

ドケルバン病に向いているサポーター

ドケルバン病では、親指だけでなく、手首の親指側にある腱の動きを休ませることが大切です。

選ぶときは、次のポイントを意識しましょう。

  • 親指から手首まで支えられる
  • 手首を動かしたときの痛みが軽くなる
  • 親指を広げすぎないように固定できる
  • 仕事や家事の内容に合わせて着脱しやすい

ドケルバン病では、手首まで覆うやや長めのタイプが使いやすいことがあります。

テーピングは使ってもいい?注意点も確認しましょう

サポーターが手元にない場合や、水仕事でサポーターが使いにくい場合は、テーピングで一時的に親指を支える方法もあります。

ただし、テーピングは貼り方を間違えると、かえって痛みが強くなったり、血流が悪くなったりすることがあります。

行う場合は、次の点を守ってください。

  • 強く引っ張って貼らない
  • しびれ、冷たさ、色の変化が出たらすぐ外す
  • かぶれやすい方は短時間から試す
  • 寝る前には外すか、医師に確認する
  • 痛みが強いときは無理に貼らず受診する

元原稿では「痛みが強い時は就寝中も固定がおすすめ」としていましたが、これは少し注意が必要です。

夜間の固定が役立つ場合もありますが、締めつけが強いサポーターやテーピングをつけたまま寝ると、しびれや血流障害、皮膚トラブルにつながることがあります。

就寝中に固定したい場合は、締めつけの少ないサポーターを選び、違和感があれば外してください。

強い痛みで眠れないほどの場合は、自己判断で固定を続けるより、早めに整形外科で相談しましょう。

今日からできる痛みの和らげ方

ここでは、病院へ行くまでの間や、痛みが軽い段階で試しやすい工夫をご紹介します。

1. 痛みが出る動作をメモする

まずは、どんな動作で痛むのかを確認しましょう。

  • ふたを開けると痛い
  • スマホ操作で痛い
  • 洗濯ばさみで痛い
  • 仕事中だけ痛い
  • 朝起きたときに痛い

痛む動作がわかると、避けるべき動作や、受診時に医師へ伝える内容がはっきりします。

2. サポーターで親指を休ませる

痛みがある時期は、親指を使うたびに炎症がぶり返しやすくなります。

家事や仕事でどうしても手を使う場合は、サポーターで親指を支えると負担を減らせます。

3. 痛い部分を強く揉まない

「こっているのかな」と思って強く揉むと、炎症が悪化することがあります。

痛みがある場所は、押したり揉んだりせず、まずは休ませましょう。

4. 痛みが強い日は冷やす

腫れや熱っぽさがあるときは、冷たいタオルなどで短時間、軽く冷やすと楽になることがあります。

ただし、冷やしすぎは逆効果になることもあります。長時間の冷却は避け、気持ちよい程度にしましょう。

5. 痛み止めは「一時的な対策」として使う

痛みがつらい場合、市販の鎮痛薬を使う選択肢もあります。

ただし、持病がある方、胃が弱い方、腎臓病がある方、妊娠中の方、ほかの薬を飲んでいる方は、医師や薬剤師に確認してから使用してください。

薬で痛みが軽くなっても、原因がなくなったわけではありません。痛みを繰り返す場合は、受診をおすすめします。

やってはいけないNG行動

親指の痛みを早く治したいと思うほど、ついやってしまいがちな行動があります。

次のようなことは避けましょう。

  • 痛い部分を強くマッサージする
  • 無理にストレッチする
  • 痛みを我慢して家事や仕事を続ける
  • 何度もセルフチェックを繰り返す
  • きついテーピングを長時間つける
  • 痛み止めだけで何週間も様子を見る

特に、フィンケルシュタインテストのような痛みを誘発する動作は、何度も試す必要はありません。

「痛い」とわかった時点で中止してください。

整形外科を受診したほうがよいサイン

親指の付け根の痛みは、軽いものなら休ませることで落ち着くこともあります。

ただし、次のような場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

  • 2週間ほど手を休ませても痛みが続く
  • サポーターを使っても痛みが改善しない
  • 親指の付け根が腫れている
  • 熱っぽさや赤みがある
  • 親指の付け根が出っ張ってきた
  • 物を落としやすくなった
  • 痛みで家事や仕事に支障が出ている
  • 夜眠れないほど痛い
  • しびれを伴う

受診先は、まず整形外科で大丈夫です。近くに手外科を扱う整形外科があれば、より専門的に相談できます。

病院ではどんな治療をするの?

「病院へ行ったら、すぐ手術と言われるのでは」と不安になる方もいるかもしれません。

でも、親指の付け根の痛みでは、まずは保存療法から始めることが多いです。

病院では、症状や痛む場所を確認し、必要に応じてレントゲンや超音波検査などで状態を調べます。

治療としては、次のような方法があります。

  • 湿布や塗り薬
  • 痛み止めの内服薬
  • サポーターや装具による固定
  • 生活動作の見直し
  • 関節内注射や腱鞘内注射
  • 改善しない場合の手術

母指CM関節症では、親指の付け根の関節を守る装具や、8の字に巻く包帯などで動きを制限する方法があります。

それでも痛みが強い場合は、薬や注射を行い、変形や痛みが高度な場合に手術が検討されます。

ドケルバン病では、局所の安静、固定、薬、腱鞘内ステロイド注射などが行われます。

改善しない場合や再発を繰り返す場合には、腱鞘を開く手術が検討されます。

大切なのは、「手術が怖いから受診しない」のではなく、早めに原因を確認して、できるだけ軽い段階で対処することです。

家事や仕事で親指を守るコツ

親指の痛みを繰り返さないためには、日常生活の中で少しだけ手の使い方を変えることが大切です。

ふたを開けるとき

手だけで無理にひねらず、滑り止めシートやオープナーを使いましょう。

力を分散できるので、親指への負担が減ります。

重い荷物を持つとき

親指で引っかけるように持つのは避け、手のひら全体で支えるようにします。

買い物はリュックやカートを使うのもおすすめです。

スマホを使うとき

片手で持って親指だけで操作する時間を減らしましょう。

スマホスタンドや両手操作を取り入れると、親指が楽になります。

料理をするとき

硬い野菜を切る、重い鍋を持つ、フライパンを片手で振るなどは親指に負担がかかります。

両手で持つ、軽い調理器具を使う、便利グッズを活用するなど工夫しましょう。

洗濯や掃除をするとき

洗濯ばさみをたくさん使う作業や、雑巾しぼりは親指に負担がかかります。

ピンチの軽い洗濯ハンガー、モップ、使い捨てシートなどを活用しましょう。

よくある質問

Q. 親指の付け根が痛いのは、放っておいても治りますか?

A. 軽い使いすぎであれば、休ませることで落ち着くこともあります。ただし、痛みを繰り返す、腫れている、家事や仕事に支障がある場合は、早めに整形外科へ相談しましょう。

Q. 母指CM関節症とドケルバン病は自分で見分けられますか?

A. 目安はあります。つまむ・ひねる動作で親指の付け根が痛い場合は母指CM関節症、手首の親指側が痛く、親指や手首の動きで悪化する場合はドケルバン病が疑われます。ただし、正確な診断には医師の診察が必要です。

Q. サポーターは一日中つけたほうがいいですか?

A. 痛みが出やすい作業中に使うと役立ちます。ただし、締めつけが強いものを長時間使うと、しびれや皮膚トラブルが出ることがあります。違和感があれば外し、症状が続く場合は医師に相談してください。

Q. テーピングをしたまま寝てもいいですか?

A. 基本的には、きついテーピングをしたまま寝るのはおすすめしません。血流が悪くなったり、皮膚がかぶれたりすることがあります。夜間の固定が必要なほど痛い場合は、整形外科で相談しましょう。

Q. どのくらい痛みが続いたら受診したほうがいいですか?

A. 目安として、手を休ませても2週間ほど痛みが続く場合や、痛みが強くなっている場合は受診をおすすめします。変形、腫れ、赤み、しびれがある場合は早めに相談してください。

まとめ:親指の痛みは、我慢せず「休ませる・守る・相談する」が大切です

親指の付け根が痛いと、家事も仕事も一気につらくなりますよね。

でも、痛みの原因を知り、親指に負担をかけない工夫をすることで、症状を和らげられることがあります。

今回のポイントをまとめます。

  • 親指の付け根の痛みには、母指CM関節症やドケルバン病が関係することがある
  • つまむ・ひねる動作で痛いなら母指CM関節症が疑われる
  • 手首の親指側が痛いならドケルバン病が疑われる
  • 痛い部分を強く揉んだり、無理に動かしたりしない
  • サポーターや生活動作の工夫で親指を休ませる
  • 痛みが続く、腫れや変形がある場合は整形外科へ相談する

親指は、毎日の暮らしを支えてくれる大切な部分です。

痛みを我慢して使い続けるのではなく、早めに休ませて、必要なときは専門家に相談してくださいね。


参考情報

  • 日本整形外科学会「母指CM関節症」
  • 日本整形外科学会「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」
  • 日本手外科学会「手外科シリーズ 15 母指CM関節症」
  • 日本手外科学会「手外科シリーズ 2 ドケルバン病」
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