医者にモルヒネを使用しますと言われた時に、父はそんなに危ないのかと一瞬思いました。
先生はモルヒネについて説明してくださいましたが、モルヒネについてずっと誤った認識をしていたことがわかりました。
モルヒネのイメージ
モルヒネと聞くと、「麻薬」「依存症」「中毒」「廃人」「最後に使う薬」「これを使うともうおしまい」など、とても危険な薬だというイメージを強く持っていました。
なのでモルヒネを使うと体をむしばみ、寿命を縮めるものだと認識していたんです。
おじやおばの時も、モルヒネが使われだしたらしばらくして亡くなったので、今回の父の場合も、同じように思えたのでした。
モルヒネについての誤った認識
モルヒネを使用すれば衰弱するのでは?
モルヒネは医療用とはいえ『麻薬』なので、体を衰弱させて寿命を縮めると思い込んでいましたが、モルヒネを適切に使用する限り、命を縮めてしまうようなことは決してないようです。
逆に痛み止めをすることで、痛みから解放されよく眠ることができたり、肉体的・精神的にも良い状態になることが出来ます。
使い続けると効かなくなるのでは?
ずっと使い続けるとモルヒネがいつかは効かなくなるのではと思っていましたが、適切な量を規則正しく投与すれば、長く使っても効かなくなるということはないようです。
ただし、適切な量というのは個人差があるので、痛みがなくなり、副作用のでない適量を投与する必要があるようです。
麻薬中毒になってしまわないか心配
モルヒネは麻薬の一種なので、長期使用により麻薬中毒になってしまいそうで心配になりました。
しかし、モルヒネを適切に使用する場合には、麻薬中毒の心配はないようです。
モルヒネの副作用
モルヒネには,日々の痛みを取る徐放剤(錠剤や粉薬,貼付剤など)と,突然襲ってくる急激な痛みに対応するための速効剤(坐剤,液剤,粉薬)があります。
モルヒネは、痛みを緩和するために適切に用いれば,安全かつ効果的に痛みを取り除くことができる素晴らしい薬のようですが、やはり副作用は心配です。
モルヒネの三大副作用というと
① 便秘
② 吐き気
③ 眠気
になります。
しかし、これらのほとんどは解決できる対処法があります。
① 便秘
便秘は、モルヒネを使うとほとんどの方に見られる症状で、投与し続けている限り続きますので、下剤により対処するようです。
② 吐き気
吐き気はルヒネを使う場合、約1/3の人に見られる症状なので、吐き気の有無に関わらず、モルヒネ投与開始時から吐き気止めを併用することで対処できます。
③ 眠気
眠気は痛みが取れて楽になったためということもあり,しばらくすると(4、5日程度)軽くなることが多いようです。
この他にも副作用が生じる場合がありますが、副作用対策を十分に行えば解決できるもののようです。
まとめ
モルヒネは、決して覚醒剤のような危険な薬ではないことがわかりました。
モルヒネは痛み止めとして,使い方次第では私たちが常に用いている消炎鎮痛剤(商品名:ボルタレン,ロキソニン,ハイペン,バファリンなど)よりも、少量で安全に痛みをコントロールすることができる優れた薬と言えます。
諸外国では、外傷や関節リウマチ、椎間板ヘルニアによる腰痛、腎結石といった日常よく見られる強い痛みに対しても積極的にモルヒネが使われているようです。