[著者情報]
この記事の著者:KEITO(ケイト)
表参道ヘアサロン トップスタイリスト / カラーリスト
月間200名以上のカラー施術を担当。「働く女性のための暗髪透明感カラー」に定評があり、Instagramフォロワーは3万人超。SNSの加工画像に惑わされることなく、お客様のライフスタイルに合わせた「現実的な最高」を提案する。
ふと鏡を見た時、自分の髪が退色して赤っぽく、パサパサに見えてガッカリしたことはありませんか?
「ちゃんとケアしているはずなのに、なんでこんなに疲れて見えるんだろう……」
そんな時、Instagramで流れてくる「ラベンダーアッシュ」の透き通るような画像に目を奪われますよね。
でも同時に、こんな不安もよぎるはずです。
「これってブリーチしてるから綺麗なんじゃないの?」
「私がやったら、ただの派手な紫色の髪になって、職場で浮くんじゃないか……」
その直感、半分正解で半分間違いです。
正直に言います。SNSで見かけるあの透け感の半分は「光」と「加工」です。
ですが、諦めないでください。
日本人の髪特有の頑固な赤みを消す「ラベンダー」の魔法を正しく使えば、ブリーチなしでも「光に当たった瞬間、ハッとするような透明感」は作れます。
今日は、加工なしのリアルな色味と、美容室で「紫になりすぎない」ための失敗しないオーダーのコツを、プロの視点で全部お話しします。
なぜ今、大人の女性に「ラベンダーアッシュ」が選ばれるのか?
そもそも、なぜ数あるカラーの中で「ラベンダーアッシュ」が、働く大人の女性に選ばれているのでしょうか。
それは、この色が日本人の髪の2大悩みである「赤み」と「黄み」を同時に解決する、最強の組み合わせだからです。
ここで少し専門的な「補色(反対色)」の話をしましょう。
ラベンダー(青紫)は、髪の黄ばみを打ち消す補色としての役割を持っています。
一方で、アッシュ(青)は、髪の赤みを打ち消す補色です。

日本人の髪は、もともと赤みが強く、色が抜けると黄色くなりやすい性質を持っています。
アッシュだけだと顔色が悪く見えたり、緑っぽく失敗したりすることがありますが、そこに暖色であるラベンダーを混ぜることで、肌の血色感を良く見せつつ、透けるような透明感を実現できるのです。
これが、ラベンダーアッシュが「大人の透明感カラー」と呼ばれる理由です。
【検証】ブリーチなしだとこうなる!ベース別のリアルな仕上がり
「理論はわかったけど、実際ブリーチなしで私の髪はどうなるの?」
ここが一番気になるところですよね。
過度な期待は禁物です。ブリーチなしの場合、SNSで見るような「淡いパステルパープル」にはなりません。
しかし、それが逆にオフィスではメリットになります。肉眼では「紫」に見えず、光に当たった時にだけ透ける。
そんなリアルな仕上がりを、ベースの髪色別に解説します。
1. 黒髪スタート(初カラー・5トーン以下)の場合
黒髪から染めた場合、室内では「落ち着いたダークブラウン」に見えます。
しかし、太陽光や強い照明の下に行くと、ほんのりピンク味を感じる上品なブラウンに発色します。
「髪色変えた?」と気づかれるよりは、「なんか今日、髪綺麗だね」と褒められるような、さりげない変化を楽しめます。
2. 茶髪スタート(8〜10トーン)の場合
ある程度明るさのある茶髪から染めた場合、ラベンダーの色味がよりクリアに入ります。
赤みがスッと消えて、透け感のあるグレージュ(グレー+ベージュ)に近い発色になります。
このベースの明るさがあれば、ブリーチなしでも十分に「透明感」を実感できるはずです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 職場が厳しい方は「6〜7トーンのラベンダーアッシュ」とオーダーしてください。
なぜなら、この明るさなら室内では黒髪のように見え、上司の目をごまかしつつ、自分だけが知っている透明感を楽しめるからです。この「暗め設定」こそが、大人の賢い選択です。
色落ちこそが真骨頂。「黄色くならない」魔法の退色過程
私がラベンダーアッシュをおすすめする最大の理由は、実は「染めたて」よりも「色落ち」にあります。
通常のアッシュ系カラーは、2〜3週間もすると色が抜けて、キラキラした黄色(ヤンキーっぽい金髪)になりがちですよね。
しかし、ラベンダーアッシュは、ラベンダーが黄ばみを抑え込んでくれるため、色落ちしても黄色くなりません。
その代わり、クリーミーでまろやかな「ベージュ」へと変化していきます。

実際にお客様からも、「染めたてよりも、色が馴染んできた2週間後くらいの色が一番好き!」という声をよくいただきます。
「色が抜ける=汚くなる」という常識を覆すのが、このカラーの真骨頂なのです。
「紫になりすぎた…」を防ぐ!美容室での失敗しないオーダー法
ここまで読んで「やってみたい!」と思ったあなたへ。
最後に、美容室で絶対に失敗しないためのオーダー方法を伝授します。
失敗する人の多くは、席に座って一言、「ラベンダーアッシュにしてください」とだけ伝えてしまいます。
これ、実は危険なんです。
美容師は「せっかくオーダーされたんだから、色味を感じさせなきゃ!」と張り切ってしまい、結果として「思ったより紫が強い…」「ヴィジュアル系みたいになった…」という事故が起きます。
失敗を防ぐための「OKオーダー」は以下の通りです。
📊比較表
美容師に伝わる!失敗しないオーダーの変換リスト
| 伝えたいこと | NGオーダー(事故のもと) | OKオーダー(成功の鍵) |
|---|---|---|
| 色味について | 「ラベンダーアッシュで!」 | 「紫にしたいわけではなく、赤みを消して透明感が欲しいです」 |
| 見え方について | 「透明感を出してください」 | 「光に当たった時にほんのり感じるくらいのナチュラルさでお願いします」 |
| 明るさについて | 「暗めでお願いします」 | 「地毛より少し明るいくらい(6〜7トーン)で、重たく見えないように」 |
一番確実なのは、「なりたい写真」と同時に「なりたくない写真(紫が強すぎる画像)」を見せることです。
「こういう紫にはなりたくないんです」と伝えるだけで、美容師は薬剤の配合で紫の比率をグッと下げ、アッシュ(青)やベージュを多めに調整してくれます。
ラベンダーアッシュに関するよくある質問 (FAQ)
最後に、カウンセリングでよく聞かれる質問にお答えします。
Q. イエベ(イエローベース)でも似合いますか?
A. はい、似合います!むしろおすすめです。
アッシュ(青)単体だと顔色が悪くなりやすいイエベさんですが、ラベンダーには「赤み(暖色)」が含まれているため、肌馴染みが非常に良いです。担当美容師さんに「イエベなので、顔色がくすまないように調整してほしい」と伝えれば、ベージュを混ぜてより似合う色を作ってくれます。
Q. 市販のカラー剤(セルフカラー)でもできますか?
A. 正直、おすすめしません。
ラベンダーアッシュは、元々の髪の「赤み」と「黄み」の状態に合わせて、紫と青の配合をグラム単位で調整する繊細なカラーです。市販の薬剤だと、根元だけ明るくなったり、毛先だけ紫に沈んでしまったりするリスクが非常に高いです。透明感はプロの技術があってこそ作れるものだと考えてください。
次の髪色は、光に透ける「大人のラベンダー」で決まり
ラベンダーアッシュは、決して派手な色ではありません。
それは、大人の女性の髪を一番美しく見せるための、「透明感と色気のフィルター」のようなものです。
「紫になったらどうしよう」という不安は、正しい知識とオーダー方法があれば解消できます。
次の美容室では、ぜひ勇気を出して「ラベンダーアッシュ」に挑戦してみてください。
オフィスでふと窓際に立った時、鏡に映る自分の髪が透き通って見えたら。
きっと、今までコンプレックスだった髪の赤みさえも愛おしく思えるはずです。
あなたの髪が、光を味方につける瞬間に出会えることを応援しています。
[参考文献リスト]