【著者プロフィール】
タケシタ
防災士 兼 アウトドアインストラクター。災害時のライフハック講座を多数開催し、身の回りの日用品を活用した安全なトラブル解決法に精通。早くおつまみを食べたいと焦っているあなたの気持ちに深く共感しつつも、絶対にケガをさせないよう「安全第一」で導くことを信条としています。
仕事終わりに、缶詰のおつまみを開けようとしたら、まさかのプルトップなし。
しかも家に缶切りがない。
引き出しを探して出てきたのは、ワインオープナーだけ。
「これで何とか開けられないかな?」
そう思って、ワインオープナーの先を缶に突き刺そうとしていませんか?
でも、少し待ってください。
ワインオープナーのスクリューや小さなナイフを、缶切り代わりに使うのはおすすめできません。
滑って手を切ったり、道具が壊れたり、缶の切り口でケガをしたりする危険があります。
缶切りがない時に、比較的安全に試しやすい方法として知られているのが、金属製のスプーンを使う開け方です。
警視庁も、災害時に役立つ方法として、スプーンで缶詰を開ける方法を紹介しています。
この記事では、ワインオープナーが缶切り代わりに使える場合・使えない場合、スプーンを使った缶詰の開け方、やってはいけない危険な代用方法、ケガを防ぐ注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
先に大切な注意
缶切り以外の道具で缶詰を開ける方法は、あくまで非常時や応急的な方法です。缶の切り口は鋭くなり、ケガをする危険があります。無理に開けようとせず、不安な場合は缶切りを購入する、別の食品にする、周囲に借りるなど安全な方法を選びましょう。
この記事でわかること
- ワインオープナーで缶詰を開けるのが危険な理由
- 缶切りとして使えるオープナーの見分け方
- スプーンを使った缶詰の開け方
- ハサミやドライバーを避けたい理由
- ケガを防ぐための注意点
- 開けた後の缶の扱い方
- 次回のために用意したい防災・キッチン用品
結論:ワインオープナーのスクリューで缶を開けるのは避けよう
ワインオープナーのスクリューは、コルクにねじ込んで抜くための道具です。
缶詰の金属フタを切ったり、穴を開けたりするようには作られていません。
そのため、缶に無理やり突き刺そうとすると、次のような危険があります。
- スクリューが滑って手に刺さる
- 缶が動いて手を切る
- ワインオープナーが曲がる、壊れる
- 缶のフタがギザギザになりやすい
- 金属片や汚れが中身に入る可能性がある
- 力を入れすぎて中身をこぼす
「先がとがっているから穴くらい開けられそう」と思うかもしれません。
しかし、刃物ではない道具を刃物代わりに使うのは危険です。
おつまみを食べたい気持ちはよくわかりますが、まずはケガをしない方法を選びましょう。

ワインオープナーが使える場合もある?
ワインオープナーの中には、缶切り機能がついたものもあります。
ただし、すべてのワインオープナーが缶切りとして使えるわけではありません。
確認したいのは、缶切り用のフック状の刃があるかどうかです。
使える可能性があるタイプ
- 三徳缶切り
- 栓抜き・缶切り・コルク抜きが一体になったタイプ
- 缶のフチに引っかけて切るためのフック状の刃があるタイプ
このような道具は、缶切りとして使える構造になっている場合があります。
ただし、使い方がわからない場合は無理に使わず、説明書や商品名を確認しましょう。
使わないほうがよいタイプ
- ソムリエナイフ
- コルク抜き専用のスクリュータイプ
- 電動ワインオープナー
- 小さなフォイルカッターだけが付いたタイプ
- 缶切り用の刃がないもの
ソムリエナイフについている小さなナイフは、ワインボトルのキャップシールを切るためのものです。
缶詰のフタを切るための強度や形ではありません。
缶切り用の刃がない場合は、缶に使わないようにしましょう。
缶切りがない時はスプーンが比較的安全
缶切りがなく、ワインオープナーも使えない場合は、金属製の丈夫なスプーンを使う方法があります。
警視庁は、災害時に役立つ方法として、スプーンの先を缶のフタの溝に強く押し当て、前後にこすって穴を開け、そこからテコの原理でフタを切り開く方法を紹介しています。
ただし、この方法もまったく危険がないわけではありません。
かなり力が必要で、開いた後の缶の切り口は鋭くなります。
できれば軍手や滑り止め付きの作業用手袋を使い、缶の下にタオルを敷いて、安定した場所で行いましょう。
スプーンで缶詰を開ける前に用意するもの
スプーンで開ける場合は、次のものを用意します。
- 金属製の丈夫なスプーン
- 軍手、または滑り止め付き手袋
- タオル
- 安定したテーブルや台
- 中身を移す器
薄いデザートスプーンや曲がりやすいスプーンは避けましょう。
カレースプーンのように、厚みがあり、しっかり握れるものが向いています。
スプーンを使った缶詰の開け方
ステップ1:缶を安定させる
まず、缶の下にタオルを敷きます。
缶が滑りにくくなり、作業しやすくなります。
片手で缶をしっかり押さえますが、フタの切り口に近い位置には手を置かないようにしましょう。
ステップ2:スプーンの先を缶の溝に押し当てる
缶のフタの外周には、少しへこんだ溝があります。
その部分にスプーンの先を強く押し当てます。
スプーンは、柄の付け根に近い部分をしっかり握ると力を入れやすくなります。
ステップ3:前後にこすって穴を開ける
スプーンの先を押し当てたまま、前後にゴシゴシとこすります。
摩擦で金属が少しずつ薄くなり、しばらくすると小さな穴が開きます。
ここは少し力と根気が必要です。
スプーンが曲がりそうな場合や手が痛い場合は、無理をせず中断してください。
ステップ4:穴にスプーンを差し込む
穴が開いたら、スプーンの先を少し差し込みます。
この時点で缶の切り口が鋭くなっているため、素手で触らないようにしましょう。
ステップ5:テコの原理で少しずつ広げる
スプーンを差し込んだら、缶の縁を支点にして、テコの原理でフタを少しずつ押し広げます。
一気に大きく開けようとせず、少しずつ進めましょう。
フタがある程度開いたら、中身を器に移します。
フタを無理に引きちぎろうとするとケガをしやすいため、注意してください。
スプーンで開けるときの注意点
スプーンは刃物ではないため、ハサミやナイフより安全に感じるかもしれません。
しかし、缶を開けた後の金属の切り口はとても鋭くなります。
次の点に注意しましょう。
- 必ず安定した場所で作業する
- できれば手袋をする
- 缶を押さえる手を切り口に近づけない
- 力を入れすぎて缶を倒さない
- 子どもにはさせない
- 開けたフタを素手で触らない
- 中身に金属片が入っていないか確認する
- 無理だと思ったら中断する
特に、開けた後の缶の縁で指を切る事故には注意が必要です。
中身を直接缶から食べるのではなく、器に移してから食べると安心です。
ハサミやドライバーは使ってもいい?
缶切りがないと、ハサミやマイナスドライバーで開けたくなるかもしれません。
しかし、これらの道具はおすすめしません。
ハサミを避けたい理由
- 刃が滑りやすい
- 手を深く切る危険がある
- ハサミが刃こぼれする
- 缶の金属が硬く、思ったように切れない
- 力を入れた瞬間に缶が動きやすい
ドライバーを避けたい理由
- ハンマーなどで叩く必要が出やすい
- 滑ったときに手に刺さる危険がある
- 穴がギザギザになりやすい
- 缶がへこんで中身が飛び散ることがある
- 食品に金属片や汚れが入る可能性がある
どちらも、道具の本来の使い方ではありません。
どうしても缶詰を開ける必要がある場合は、まずスプーンを検討し、それでも難しい場合は無理をしないでください。
ナイフや包丁はもっと危険
ナイフや包丁は刃があるため、缶を開けられそうに見えます。
しかし、缶詰のフタは意外と硬く、刃先が滑ると大きなケガにつながります。
特に、包丁の先で缶に穴を開けようとするのは危険です。
刃が欠けたり、手に向かって滑ったりする可能性があります。
料理用の包丁は、缶詰を開ける道具ではありません。
安全のため、包丁やナイフで缶詰を開けるのは避けましょう。
プルトップ缶のリングが取れた時は?
プルトップ式の缶詰で、リングだけが取れてしまうこともあります。
その場合、フタに切り込みが入っているタイプなら、スプーンの柄を使ってリングの代わりに開けられることがあります。
ただし、缶の状態によっては難しい場合もあります。
無理にこじ開けると、フタの切り口で手を切る危険があります。
少し試して難しければ、スプーンでフタの溝をこする方法に切り替えるか、無理をせず缶切りを用意しましょう。
開けた後の缶の扱い方
缶切り以外の方法で開けた缶は、フタや縁がギザギザになりやすいです。
そのまま缶から直接食べるのは避けましょう。
開封後の安全な流れ
- 缶の切り口に触らない
- 中身を器に移す
- 金属片が入っていないか目で確認する
- 缶のフタを内側へ押し込まない
- 空き缶は新聞紙などで包む
- 自治体の分別ルールに従って捨てる
缶のフタを無理に曲げると、さらに鋭くなることがあります。
捨てるときも、手を切らないように注意してください。
災害時の備えとして缶切りを1つ用意しよう
缶詰は、災害時の備蓄食品としても便利です。
しかし、缶切りが必要なタイプを備蓄しているのに、缶切りがないと困ってしまいます。
普段はプルトップ缶を選んでいても、いただきものや昔の備蓄品に缶切りタイプが混ざっていることがあります。
防災用品として、シンプルな缶切りを1つ用意しておくと安心です。
備えておきたいもの
- 缶切り
- プルトップ式の缶詰
- 金属製スプーン
- 軍手
- ウェットティッシュ
- ごみ袋
- 保存水
缶切りは100円ショップやホームセンターでも購入できます。
キッチン用とは別に、防災袋にも1つ入れておくと安心です。
缶切りがない時の判断早見表
| 手元にあるもの | 使ってよい? | 理由・注意点 |
|---|---|---|
| 三徳缶切り | 使える | 缶切り用の刃があれば使用可能 |
| ソムリエナイフ | おすすめしない | 缶切り用の刃がない場合は危険 |
| ワインオープナーのスクリュー | 使わない | 滑ってケガをする危険がある |
| 金属製スプーン | 応急的に使える | 警視庁も紹介。力が必要で切り口に注意 |
| ハサミ | 避ける | 刃が滑りやすく危険 |
| 包丁・ナイフ | 避ける | 大きなケガにつながりやすい |
| ドライバー | 避ける | 叩く作業になりやすく危険 |
よくある質問
Q. ワインオープナーで缶詰は開けられますか?
A. 缶切り用のフック状の刃がついた三徳タイプなら使える場合があります。ただし、コルク抜き用のスクリューやソムリエナイフの小さな刃で缶を開けるのは危険なので避けましょう。
Q. スプーンで本当に缶詰は開きますか?
A. 金属製の丈夫なスプーンなら、缶のフタの溝をこすって穴を開け、テコの原理で広げる方法があります。警視庁も災害時に役立つ方法として紹介しています。ただし、力が必要で、切り口で手を切らないよう注意が必要です。
Q. スプーンで開けると金属片が入りますか?
A. 金属をこすって穴を開けるため、可能性がゼロとは言えません。開けた後は中身を器に移し、異物がないか確認してから食べましょう。
Q. ハサミで缶を開けてもいいですか?
A. おすすめしません。刃が滑って手を切る危険があり、ハサミも傷みやすいです。安全面を考えると避けたほうがよいでしょう。
Q. 包丁やナイフなら開けられますか?
A. 危険です。缶のフタは硬く、刃先が滑ると大きなケガにつながります。包丁やナイフは缶切りの代わりに使わないでください。
Q. 缶詰を開けた後、そのまま缶から食べてもいいですか?
A. 缶切り以外の方法で開けた缶は、切り口がギザギザになりやすいため、直接食べるのは避けましょう。中身を器に移してから食べると安心です。
Q. 災害用の備蓄にはどんな缶詰がいいですか?
A. できればプルトップ式の缶詰を選ぶと安心です。ただし、缶切りが必要な缶詰が混ざることもあるため、防災袋には缶切りを1つ入れておきましょう。
まとめ:缶切りがない時は、ワインオープナーを無理に使わずスプーンを検討しよう
缶切りがない時、目の前にワインオープナーがあると、つい使いたくなります。
でも、コルク抜き用のスクリューやソムリエナイフの小さな刃は、缶を開けるための道具ではありません。
無理に使うと、手を切ったり、道具が壊れたり、缶の中に異物が入ったりするおそれがあります。
缶切りがない時は、まず手元のオープナーに缶切り用のフック状の刃があるか確認しましょう。
なければ、金属製の丈夫なスプーンを使う方法を検討してください。
今回のポイントをまとめます。
- ワインオープナーのスクリューで缶を開けるのは危険
- 缶切り用のフック状の刃がある三徳タイプなら使える場合がある
- ソムリエナイフや電動ワインオープナーは缶切り代わりにしない
- 缶切りがない時は、金属製の丈夫なスプーンが応急代用になる
- スプーンの先を缶の溝にこすり、穴を開けてから広げる
- 作業中は手袋やタオルを使うと安心
- 開封後の缶の切り口は鋭いので素手で触らない
- ハサミ、包丁、ナイフ、ドライバーでの開封は避ける
- 中身は缶から直接食べず、器に移す
- 次回のために缶切りを1つ常備しておく
缶詰を早く食べたい気持ちはよくわかります。
でも、ケガをしてしまったら、せっかくの食事や晩酌が台無しです。
焦らず、安全な方法を選んでくださいね。
参考情報
- 警視庁「スプーンで缶切りに挑戦」
- 警視庁 災害対策課の防災・便利技情報
- 缶詰をスプーンで開ける方法に関する各種実践記事
- 缶の切り口によるケガ防止に関する一般的な注意情報
- 家庭用缶切り・三徳缶切りの商品情報