引っ越し荷造りの順番は「二軍」から!週末2日で終わる『畳まない・出さない』ロケット梱包術

松本あゆみ

この記事の著者:松本 あゆみ

引っ越しオーガナイザー / 元大手引越業者スタッフ

現場経験5年で延べ3,000件以上の引っ越しを担当。「死ななきゃOK、新居で笑えれば100点」をモットーに、忙しい人のための現実的な引っ越し術を発信中。

「引っ越しまであと2週間しかないのに、まだダンボールすら開けていない…」

仕事から帰ってきて、部屋の隅に積まれたままのダンボールを見て、ため息をついていませんか?

平日は残業続きで気力も体力も残っていない。

でも、今週末こそはやらないと本当に間に合わない。

そんな焦りで胃が痛くなるような感覚、痛いほどわかります。

現場にいた頃、前日の夜に泣きながら電話をかけてくるお客様を何人も見てきました。

でも、安心してください。引っ越しは「丁寧さ」を競うテストではありません。

これからお伝えするのは、「畳まない」「出さない」「迷わない」の3原則で、作業時間を半分にする『ロケット荷造り術』です。

1ヶ月前からコツコツ準備する理想論は忘れてください。

この方法なら、今週末の2日間だけで8割終わらせることができます。

さあ、深呼吸して。まずはゴミ袋を片手に、クローゼットの奥から始めましょう。


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なぜ「順番」を間違えると地獄を見るのか?

「とりあえず目についたものから詰めればいいや」

もしそう思っているなら、少しだけ手を止めてください。

実は、荷造りで最もやってはいけないのが、「手当たり次第に詰めること」なんです。

私が担当したお客様で、こんな方がいました。

張り切って洗面所のモノから詰め始め、歯ブラシやドライヤーまで完璧に梱包してしまったのです。

その結果、翌朝になって「顔が洗えない!髪が乾かせない!」とパニックになり、ガムテープで閉じたばかりのダンボールを必死で開け直す羽目になりました。

これは笑い話ではなく、本当によくある失敗です。

荷造りの順番を間違えるということは、生活に必要な「一軍アイテム」を封印してしまうことと同義です。

生活必需品を先に詰めてしまうと、引っ越し当日までの生活が不便になるだけでなく、何度も箱を開け閉めする「手戻り」が発生し、時間と気力を浪費します。

時間がなくて焦っている時こそ、急がば回れ。「正しい順番」を守ることが、実は最短ルートなのです。


【鉄則】迷わず動ける「荷造りの順番」4ステップ

では、具体的にどの順番で進めればいいのでしょうか?

思考停止でも作業が進む、プロ直伝の「黄金ルート」をご紹介します。

迷わず動ける「荷造りの順番」4ステップ

STEP 1: 二軍(シーズンオフ・趣味)

荷造りの順番は、必ず「二軍アイテム」から始めるのが鉄則です。

二軍とは、シーズンオフの衣類、読み終わった本、飾ってあるだけの雑貨、思い出の品など、「今なくても生活に支障がないもの」のこと。

これらは「使う・使わない」の判断が不要なので、機械的にダンボールに放り込んでいけます。

初動で「箱が積み上がっていく達成感」を得ることで、作業の勢いをつけることができます。

STEP 2: 三軍(不用品)

二軍を詰めながら、明らかに不要なものが出てきたら、その場でゴミ袋へ。

「メルカリで売れるかも」という思考は、この週末だけは捨ててください。

出品や発送の手間は、今のあなたにとって最大のタイムロスです。

不用品処分とメルカリ出品は、時間対効果で考えると「捨てる」が正解です。

STEP 3: 一軍(日常使い)

今着ている服、毎日使う食器、仕事道具などの「一軍アイテム」は、引っ越し前日、あるいは当日の朝まで触りません。

これらを早く詰めすぎることが、失敗の元凶です。

STEP 4: ラストワン(直前アイテム)

そして忘れてはいけないのが、「ラストワン・ボックス」の存在です。

これは、引っ越し当日の朝まで使うものや、新居ですぐに使うものを入れるための「特別な箱」です。

詳しくは後述しますが、この箱を最初に作っておくことが、当日のパニックを防ぐ鍵になります。


時間を半分にする「畳まない・出さない」3つの裏技

「順番はわかったけど、服を畳んだり食器を包んだりするのが面倒くさい…」

わかります。

丁寧な梱包は美しいですが、時間がかかります。

そこで、私が現場で実践していた、物理的な作業時間を劇的に短縮する「反則級」のテクニックを3つ伝授します。

1. ハンガーにかかった服は「ゴミ袋」で包むだけ

クローゼットの服を一枚一枚外して、畳んで、ダンボールに詰める…。

そんな時間は無駄です。

ハンガーボックスは便利な資材ですが、実は「ゴミ袋」で代用することで、さらに時短が可能になります。

やり方は簡単です。

  1. ハンガーにかかった服を5〜10着まとめて手に取ります。
  2. 45Lのゴミ袋を、服の下から被せます。
  3. ハンガーのフック部分でゴミ袋の口を縛ります。

これだけです。運ぶ時はハンガー部分を持てばOK。

新居に着いたら、クローゼットにかけてゴミ袋を破るだけで荷解き完了。

畳む手間も、シワになる心配もありません。

ゴミ袋ハンガーの作り方

2. 衣装ケースは「中身入り」のまま運ぶ

「引き出しの中身を全部ダンボールに移し替えてください」と言われたことはありませんか?

実はそれ、半分嘘です。

多くの引越業者では、衣装ケースやタンスの中身が「衣類」であれば、入れたまま運んでくれます。

ただし、そのままだと運搬中に引き出しが飛び出して危険です。

そこで活躍するのが「養生テープ」です。

引き出しが開かないように、養生テープでしっかりと固定してください。

ガムテープは糊が残るのでNGです。これだけで、ダンボール数箱分の作業がゼロになります。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 本や割れ物など「重いもの・壊れやすいもの」が入っている場合は、必ず出してください。

なぜなら、中身が入ったままの家具は想像以上に重く、運搬中に家具自体が歪んだり、底が抜けたりする恐れがあるからです。あくまで「衣類」限定のテクニックとして活用してください。

3. 食器は「タオル巻き」で緩衝材いらず

食器を新聞紙で包むと、洗う手間が増える上にゴミも出ます。

そこでおすすめなのが、タオルやTシャツを緩衝材代わりに使う方法です。

お皿をタオルで包んでダンボールに入れるだけ。

これなら、新居でタオルを洗濯機に入れるだけで片付けが完了します。

荷物も減らせて一石二鳥です。


【場所別】キッチン・寝室・洗面所の攻略ルート

ここからは、場所ごとの具体的な攻略法を見ていきましょう。

まるで私が横で指示出しをしているつもりで、読み進めてください。

キッチン:重いものは下、軽いものは上

キッチンは「割れ物」と「重いもの」の宝庫です。

ダンボールに詰める際は、「重い皿や瓶類は下、軽いタッパーや乾物は上」が鉄則。

隙間には丸めた新聞紙やタオルを詰め込み、箱を揺らしてもカチャカチャ音がしない状態を目指しましょう。

使いかけの調味料は、液漏れが命取りになります。

蓋をきつく閉め、念のためビニール袋に入れてから箱詰めしてください。

寝室:布団袋は早めに確保

布団は意外とかさばります。

引越業者から専用の布団袋をもらえることが多いので、早めに手配しておきましょう。

ベッドの下に収納がある場合、その中身も忘れずに。

ベッドの解体・組み立ては業者にお願いできるプランが多いですが、事前に確認が必要です。

洗面所:液体の罠に注意

シャンプーや洗剤などのポンプ式ボトルは、運搬中に押されて中身が飛び出す事故が多発します。

ポンプを押し込んでロックするか、それができない場合は、ポンプの首元に輪ゴムを巻きつけてストッパーにするか、全体をラップでぐるぐる巻きにして蓋を固定しましょう。


当日朝に慌てない!「ラストワン・ボックス」の作り方

いよいよ引っ越し前日。ここで最後に用意するのが、先ほど触れた「ラストワン・ボックス」です。

この箱には、「引っ越し当日の朝まで使うもの」と「新居ですぐに使うもの」を入れます。

  • スマホの充電器
  • 洗面用具(歯ブラシ、タオル、洗顔料)
  • トイレットペーパー(1ロール)
  • カッター、ハサミ(荷解き用)
  • ガムテープ(最後の封印用)
  • 現金(精算や急な買い出し用)
  • カーテン(新居ですぐ付けないと丸見え!)

この箱だけは、絶対にガムテープで封をしないでください。

当日の朝、最後の荷物を入れたら封をし、赤マジックで大きく「すぐ使う」「手持ち」と書いておきましょう。

できればトラックに積まず、自分の手で運ぶのがベストです。

これがあるだけで、新居に着いた瞬間の「あれがない!」という絶望から解放されます。


よくある質問(FAQ)

最後に、荷造り中によく聞かれる質問にお答えします。

Q. 本は紐で縛るだけでいいですか?
A. いいえ、ダンボールに入れることを強くおすすめします。
紐で縛っただけだと、運搬中に崩れたり、本が汚れたりする原因になります。また、積み重ねができないため、トラックの中で場所を取ってしまいます。小さめのダンボールに、隙間なく詰めるのがコツです。

Q. 冷蔵庫の中身はいつまでに空にすればいいですか?
A. 前日の夜までには空にして、電源を切ってください。
冷蔵庫は運搬中の水漏れを防ぐため、「水抜き」という作業が必要です。前日の夜にコンセントを抜き、霜を溶かして水を捨てておく必要があります。食材は計画的に使い切るか、クーラーボックスを活用しましょう。


完璧じゃなくていい。新居で笑えればそれが正解

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

「これなら週末だけでなんとかなりそう」と思えてきましたか?

引っ越し荷造りは、新生活への助走です。でも、そこで息切れしてしまっては意味がありません。

服が少しくらいシワになっても、食器の包み方が不格好でも、新居に無事に届けばそれで100点満点です。

プロである私たちがついていますから、もっと肩の力を抜いて大丈夫。

さあ、スマホを置いて、まずはゴミ袋を片手にクローゼットの奥へ向かいましょう。

その一歩が、あなたの新しい生活を軽やかに切り開いてくれるはずです。


参考文献

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