肘の外側の痛みはテニス肘?使いながら治す「最強のサポーター術」とNG行動

[著者情報]
動作改善スペシャリスト・タツ
元・スポーツ理学療法士。プロテニス選手のツアー帯同経験に加え、産業理学療法アドバイザーとして大手企業のデスクワーク環境改善を歴任。自身も40代でテニス肘を経験し、「休む代わりに動作を変えて治す」アクティブ・リカバリー・メソッドを確立。延べ3,000人以上の働く世代の痛みと向き合ってきた。

「パソコンのマウスを握るだけで肘の外側がピリッとする」

「テニスの練習後、ペットボトルの蓋を開けるのが辛い……」

佐藤浩志さんのように、仕事も趣味も全力で走り続けたい40代にとって、肘の痛みは単なる不快感以上の「活動制限」という恐怖ですよね。

病院に行けば「しばらく安静に」と言われるのが分かっているから、痛みを隠して無理を続けていませんか?

実は、肘を完全に休ませる必要はありません。休ませるべきなのは、肘の「特定の筋肉の付け根」だけです。

この記事では、理学療法士の視点から、サポーターを「身代わり」にして負荷をバイパスし、仕事もテニスも継続しながら治すプロの戦略を公開します。

読み終える頃には、自分の肘をどう守り、どう動かせばいいのか、そのロジカルな正解が手に入っているはずです。


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なぜ「安静」にできない俺たちの肘は治らないのか? 痛みの正体と負のスパイラル

「ただの使いすぎだろう」と湿布で誤魔化していませんか? 浩志さんが感じているその痛み、実は関節の痛みではなく、手首を動かす筋肉の付け根にある「腱」の微細な断裂と炎症です。

医学的には「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」、通称テニス肘と呼ばれます。

なぜ安静にしても治らないのか。それは、肘が日常生活で「無意識に使い続けてしまう場所」だからです。

「無意識の動作」と「微細断裂の悪化」には、修復と破壊の追いかけっこという直接的な因果関係があります。

傷口が治りかけたところで、マウスをカチッとクリックしたり、重いカバンを持ち上げたりするたびに、せっかくできた「かさぶた」を無理やり剥がしているような状態なのです。

「安静」が無理なら、筋肉が肘の付け根を引っ張る力を「物理的に遮断」するしかありません。

そのための最強の道具が、次に紹介するエルボーバンドです。


痛みの身代わり!エルボーバンドの「指2本ルール」と失敗しない選び方

サポーターを買ったのに効果がなかったという方の多くは、巻く位置を間違えています。

エルボーバンド(サポーター)と短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)の保護には、負荷のバイパスという物理的な関係があります。

サポーターの役割は、筋肉を圧迫することで「新しい筋肉の付け根」を人工的に作り、本来の痛んでいる付け根に力が伝わらないようにする「身代わり」になることです。

テニス肘サポーター「指2本ルール」の装着位置

この「指2本ルール」を守るだけで、手首を動かした時の肘への響き方が劇的に変わるはずです。


仕事もテニスも諦めない!肘への負荷をゼロにする「動作の黄金律」

サポーターで守るのと同時に、肘への攻撃(負荷)そのものを減らす「動作のエンジニアリング」が必要です。

「手のひらの向き」と「肘の外側への負荷」には、反比例の関係があります。

最もやってはいけないNG行動は、「手のひらを下に向けて」物を持ち上げることです。

📊 比較表
肘を守る「動作の黄金律」比較

シーン肘を壊すNG動作(順手)肘を守るOK動作(逆手)理由
荷物・カバン手のひらを下・後ろに向ける手のひらを上・自分に向ける使う筋肉が「肘の外側」から「力こぶ」にスイッチするため。
マウス操作手首を反らせて固定する肘から動かし、手首を浮かす短橈側手根伸筋の持続的な緊張を解くため。
テニス手首の力だけで弾き返す体全体を使い、逆手で運ぶ衝撃を前腕だけで受け止めないため。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 営業カバンを持つときは、必ず「手のひらを自分側」に向けて、アンダーハンドで持つようにしてください。

なぜなら、私は現役時代、マウスを左手に変え、カバンを逆手で持つように徹底しただけで、サポーターなしでも痛みが半分以下になった経験があるからです。多くのビジネスマンが「持ち方」一つで損をしています。この「筋肉のスイッチング」を意識するだけで、あなたの肘の寿命は飛躍的に伸びますよ。


FAQ:湿布は気休め? 病院へ行くべき「レッドフラッグ」の見極め方

  • Q. 湿布を貼っていれば治りますか?
    A. 湿布は「消炎鎮痛」には役立ちますが、物理的な「微細断裂」を修復する力はありません。サポーターと動作改善を主軸にし、湿布はあくまで補助と考えてください。
  • Q. どんな時に病院へ行くべきですか?
    A. 以下の「レッドフラッグ」に当てはまる場合は、自力ケアを中止して即受診してください。

    1. 夜、寝ていてもズキズキ痛む(夜間痛)
    2. 指先にしびれがある
    3. 肘が急激に腫れて熱を持っている

まとめ:サポーターはあなたの盾。正しく使って、明日もコートに立ちましょう

肘の痛みは「もう若くない」という宣告ではなく、体の「使い方のエラー」を知らせるサインです。

「指2本ルール」でサポーターを正しく巻き、荷物は「逆手」で持つ。

このロジカルな対策さえ身につければ、浩志さんはこれからも営業の最前線で戦い、週末のテニスで汗を流し続けることができます。

まずは今すぐ、手元のカバンを「手のひらを自分に向けて」持ち替えてみてください。

その瞬間に肘がふっと軽くなる感覚こそが、完治への第一歩です。

[参考文献リスト]

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