
この記事の著者:伊藤 理奈 (Ito Rina)
小児科看護師 / 3児の母
小児科クリニックで15年勤務し、虫刺されで駆け込んでくる多くの親子に対応。「お母さん、大丈夫ですよ」と声をかけ続けてきました。医療知識を持つプロでありながら、同じように子供の病気や怪我に一喜一憂してきた「先輩ママ」として、お家でできるケアをお伝えします。
「朝起きたら、子供の足がクリームパンみたいに腫れている!」
「熱も持ってるし、これって大丈夫なの? 変な虫に刺されたんじゃ…」
そんな風に驚いて、不安でいっぱいになっていませんか?
大切なお子さんのことですから、パニックになるのは当然です。
でも、まずは深呼吸してください。
結論から言うと、その腫れはほとんどの場合、子供特有の「遅延型反応」であり、慌てて救急に走る必要はありません。
小児科看護師として、そして3人の子供を育てた母として、今すぐ「病院に行くべきか」を判断する基準と、お家でできる「魔法のケア」をお伝えします。
【緊急チェック】今すぐ病院へ行くべき「危険なサイン」はこれだけ
まずは、一番心配な「命に関わるリスク(アナフィラキシー)」がないかを確認しましょう。
以下のフローチャートで、お子さんの状態をチェックしてください。

いかがでしたか?
もし「青信号」であれば、まずは安心してください。
その腫れは、お家でのケアで十分に良くなります。
なぜこんなに腫れるの?それは子供の体が「戦っている」証拠です
「私のせいで、変な虫に刺されちゃったのかな…」と自分を責めていませんか?
実は、子供が虫に刺されてパンパンに腫れるのは、「成長過程の正常な反応」なんです。
大人は刺されてすぐに痒くなりますが(即時型反応)、子供は免疫機能が未熟なため、刺された翌日〜翌々日に反応のピークを迎える「遅延型反応」が強く出ます。
つまり、その腫れは「異常事態」ではなく、お子さんの体が一生懸命に虫の毒と戦い、免疫を作ろうとしている証拠なのです。
「蚊」でも「ブヨ」でも、子供は同じように腫れることが多いので、虫の種類を特定しようと焦らなくても大丈夫ですよ。
家にあるもので今すぐできる!腫れとかゆみを鎮める「冷却ケア」
では、今すぐお家でできるケアをご紹介します。
薬が手元になくても、これだけでお子さんの苦痛はかなり和らぎます。
最強の応急処置は「冷やすこと」
保冷剤をタオルで巻き、患部に当てて冷やしてください。
冷やすことで血管が収縮し、炎症とかゆみを物理的に抑えることができます。
- ポイント: 凍傷にならないよう、必ずタオルやハンカチで巻いてください。
- 嫌がる場合: 「冷えピタ」などの冷却シートでも代用できますが、保冷剤の方が効果は高いです。
- NG行動: お風呂で温めると血行が良くなり、かゆみが増してしまいます。腫れている間はシャワーで済ませましょう。
ドラッグストアで買うならこれ!看護師が選ぶ「子供用・最強市販薬」
「冷やすだけじゃ心配…」という場合は、ドラッグストアで薬を買いましょう。
ここで重要なのは、「子供だから弱い薬」を選ばないことです。
子供のひどい腫れには、非ステロイド(ただのムヒなど)では太刀打ちできません。
炎症を早く抑えて「とびひ(掻き壊しによる細菌感染)」を防ぐために、「ステロイド配合」の薬を選んで、短期間で一気に治すのが正解です。
おすすめの市販薬(成分名:PVA配合)
ドラッグストアの薬剤師さんに、以下の商品名または成分を伝えてください。
これらは「アンテドラッグ」と呼ばれ、患部で効いた後に体内で分解されるため、子供にも安心して使えます。
- 液体ムヒS2a
- 定番中の定番。かゆみ止め成分とステロイドがバランスよく配合されています。
- ムヒアルファEX
- より強力な処方。毛虫やムカデなど、毒虫にも対応できる強さがあります。
【塗り方のコツ】
ちょこちょこ塗るより、1日2〜3回、しっかり塗るのがポイントです。
掻き壊しを防ぐために、爪を短く切ってあげるのも忘れずに。
腫れが引く頃、お子さんはまた一つ強くなっています
お子さんの腫れを見ると、代わってあげたいと思いますよね。
でも、その腫れはお子さんが成長している証。
そして、あなたが今してあげている「冷やす」「薬を塗る」というケアは、間違いなくお子さんを助けています。
腫れが引く頃には、お子さんの体は虫に対する免疫を獲得し、また一つ強くなっています。
だから、あまり心配しすぎず、どーんと構えていてくださいね。
もし薬を塗っても3日以上腫れが引かなかったり、水ぶくれが破れてジュクジュクしてきたら、その時は皮膚科を受診してください。