キリギリスとヤブキリの見分け方は?親子で安心して楽しむ、やさしい飼育のはじめ方

【この記事を書いた人】

昆虫観察指導員パパ(カズオ)
自然観察指導員 / 鳴く虫飼育歴15年の2児の父。地域の昆虫教室で、年間200組ほどの親子に昆虫観察や飼育のコツを伝えている。子どもの「飼いたい!」に戸惑う保護者の気持ちに寄り添いながら、家にあるもので無理なく始められる方法をやさしく紹介している。

週末の虫取りで、お子さんが大きな緑色の虫をつかまえてきて、「これ、おうちで飼いたい!」と言い出すことってありますよね。

そんなとき、保護者としてまず気になるのが、
「これって本当にキリギリスなの?」
「何を食べるの?」
「バッタみたいに野菜を入れておけば大丈夫?」
といったことではないでしょうか。

お子さんのうれしそうな顔を見ると、できるだけ叶えてあげたくなりますよね。

でも、名前も食べ物もよくわからないまま飼い始めるのは、少し不安になるものです。

実は、キリギリスやヤブキリの仲間は、見た目の印象よりもずっとしっかりしたハンター気質を持つ昆虫です。

草だけ食べると思っていると、思わぬ失敗につながることもあります。

この記事では、まずキリギリスとヤブキリの見分け方をやさしく整理し、そのあとで、初心者さんでも始めやすい飼育のコツをご紹介します。

親子で「へえ、そうなんだ」と楽しみながら読める内容にしていますので、ぜひ一緒に観察の第一歩を踏み出してみてくださいね。


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まず見たいのは背中の模様。キリギリスとヤブキリはここで見分けやすいです

お子さんがつかまえてきた虫がキリギリスなのか、ヤブキリなのか。まずはそこを知りたいですよね。

この2種類は見た目がよく似ていて、特に幼い時期は迷いやすいのですが、背中の線の入り方を見ると見分けやすくなります。

キリギリスの幼虫は、背中に白っぽい線と黒っぽい線が2本見えることが多く、すっと並んだ模様が目立ちます。

一方でヤブキリの幼虫は、背中に赤褐色っぽい太めの線が1本入って見えることが多いです。

つまり、迷ったときは、上からそっと背中を見てみるのがコツです。

もちろん、個体差や見る角度で少しわかりにくいこともありますが、まずは「2本ならキリギリス寄り、1本ならヤブキリ寄り」と覚えておくと、親子で観察しやすくなります。

虫取りのあとに、「ちょっと背中を見てみようか」と声をかけるだけでも、お子さんにとっては立派な観察の時間になりますよ。

キリギリスとヤブキリの背中の線の違い

童話のイメージとは少し違います。キリギリスは意外とたくましい虫です

「キリギリス」と聞くと、童話の中でのんびり歌っている虫を思い浮かべる方も多いかもしれません。

でも、実際のキリギリスやヤブキリの仲間は、もっとたくましい一面を持っています。

野外では、小さな昆虫を食べたり、動くものに反応したりすることがあり、いわゆる“草だけを食べる虫”とは言い切れない部分があります。もちろん植物質のものも口にしますが、動物性のものを好む場面も多く見られます。

このことを知らないと、「バッタみたいに葉っぱだけでいいかな」と思ってしまいがちです。でも、実際にはそれだけでは足りないこともあり、飼育では食べ物の選び方がとても大切になってきます。

お子さんには、「この虫、見た目はやさしそうだけど、実はすごくたくましいんだよ」と伝えると、ぐっと興味を持ってくれることも多いです。

✍️ 観察がもっと楽しくなるひとこと

ポイント: キリギリスは“歌う虫”というだけでなく、“よく観察すると意外な一面がある虫”として伝えてあげるのがおすすめです。

「かわいい虫」だけで終わらず、「どんなふうに食べるのかな」「どこに隠れるのかな」と興味が広がると、親子の観察時間がもっと楽しくなります。

飼育でいちばん大切なのは「エサ」。野菜だけだと足りないことがあります

キリギリスやヤブキリの仲間を飼うとき、いちばん気をつけたいのがエサです。

特に複数匹を同じケースに入れる場合、エサが足りなかったり、落ち着かない環境だったりすると、弱っている個体が傷つけられてしまうことがあります。そうしたトラブルを防ぐためにも、食べ物をきちんと切らさないことが大切です。

与えやすいものとしては、水分補給にもなる野菜類と、たんぱく質源になるものの両方を用意すると安心です。

たとえば、キュウリ、ナス、ニンジンなどの野菜は取り入れやすいですし、家庭にあるものであれば、煮干しやかつお節のようなものを少量試してみる方法もあります。

ただし、個体によって食べ方には差があるため、「これしか食べない」と決めつけず、様子を見ながら少しずつ試すのがおすすめです。

また、食べ残しをそのままにすると傷みやすいので、毎日こまめに取り替えて、清潔にしてあげてくださいね。

📊 比較表
表タイトル:キリギリス・ヤブキリ飼育で用意しやすいエサの考え方

エサの役割与えやすいものポイント
水分補給を兼ねるものキュウリ、ナス、ニンジン、葉もの野菜など少量ずつ入れて、傷む前に交換する
たんぱく質を補いやすいもの煮干し、かつお節、昆虫用フードなど野菜だけに偏らないように様子を見ながら加える

できれば1匹ずつが安心。同じケースに入れるなら、より注意が必要です

お子さんが何匹かつかまえてくると、「まとめて一緒のケースでいいかな」と思いますよね。

もちろん短時間なら同じ容器で観察できることもありますが、長く飼うなら、できれば1匹ずつ分けて飼うほうが安心です。

というのも、昆虫同士には相性や力の差があり、脱皮した直後や弱っているときは特に無防備になりやすいからです。エサをしっかり入れていても、環境によってはトラブルが起こることがあります。

どうしても一緒に入れるなら、隠れられる場所を多めに作り、ケースの広さにも余裕を持たせて、エサは十分に入れておくとよいでしょう。

でも、初心者さんが安心して始めるなら、やはり単独飼育のほうが失敗しにくいです。

飼育ケースは特別なものでなくても大丈夫。まずは清潔で風通しのよい環境を

キリギリスやヤブキリの仲間の飼育では、必ずしも特別な高価な設備が必要なわけではありません。

まずは、虫かごや通気性のあるケースに、底材として新聞紙やキッチンペーパーを敷いてあげるだけでも始めやすいです。

土は、産卵までしっかり観察したい場合をのぞけば、必須ではありません。むしろ、掃除のしやすさを考えると、初心者さんには新聞紙やキッチンペーパーのほうが扱いやすいです。

中には、枝や葉っぱ、丸めた紙などを入れて、隠れたり登ったりできる場所を作ってあげると落ち着きやすくなります。

置き場所は、風通しがよくて明るい場所が向いています。

ただし、真夏の直射日光が当たり続ける場所は暑くなりすぎるので避けたほうが安心です。

明るいけれど熱がこもりにくい場所を選んであげましょう。

親子で観察するときに見ると楽しいポイント

せっかく飼うなら、ただ生かすだけでなく、「どんなふうに暮らしているのかな」と観察を楽しみたいですよね。

キリギリスやヤブキリの仲間は、

  • どんなエサを先に選ぶか
  • 昼と夜で動き方が違うか
  • どこに隠れるのが好きか
  • 近づいたときにどんな反応をするか

などを見ると、とても面白いです。

お子さんには、「今日はどの野菜をいちばん食べたかな?」「いつも同じ場所にいるかな?」と声をかけてあげると、観察日記のように楽しめるかもしれません。

昆虫の飼育は、命のお世話をしながら、生き物の違いや個性に気づくとてもよいきっかけになります。

難しく考えすぎず、まずは毎日少しずつ見てあげることが大切です。

初心者さん向けQ&A

Q. キリギリスとヤブキリは、どちらも同じように飼えますか?
A. 基本的な考え方は似ていますが、個体差もあるため、食べ方や動き方をよく観察しながら調整するのがおすすめです。まずは無理にまとめず、1匹ずつ様子を見ると安心です。

Q. 野菜だけではだめですか?
A. 野菜だけだと偏ることがあります。水分補給になるものに加えて、たんぱく質源になるものも少しずつ試してみると、より安定しやすいです。

Q. 子どもでもお世話できますか?
A. はい、できます。ただし、食べ残しの片づけやケースの掃除などは大人が一緒に見てあげると安心です。親子で役割を分けると続けやすいですよ。

まとめ:見分け方とエサの基本がわかると、親子の飼育はぐっと楽になります

キリギリスとヤブキリの仲間は、見た目がよく似ていますが、まずは背中の線を見ることで見分けやすくなります。

  • 見分け方のコツ: 背中の線を上から見る
  • 飼育の大事なポイント: 野菜だけでなく、たんぱく質も意識する
  • 安心して飼う工夫: できれば1匹ずつ、清潔で風通しのよい環境にする

お子さんの「飼いたい!」は、親子で生き物を知るとてもよいきっかけです。

少し戸惑っても、ポイントを押さえれば大丈夫。

まずはあわてず、背中の模様とエサの準備から始めてみてくださいね。


【参考文献・情報源】
本記事は、いただいた原稿の内容をもとに、初心者向けに読みやすく再構成しています。

  • 伊丹市昆虫館 – 昆虫の飼育に関する公開情報
  • 鳴く虫研究社 – キリギリス類の飼育に関する公開情報
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