朝起きて鏡を見たら、片目だけ血のように真っ赤…。
「えっ、何これ!? 脳の血管が切れたんじゃ?」と、血の気が引いたのではないでしょうか?
見た目の派手さに驚いて、パニックになる気持ちはよく分かります。
でも、まずは落ち着いてください。
結論から言います。
痛みやかゆみがなく、ただ赤いだけなら、それは脳の病気ではありません。
目の表面の「結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)」という症状である可能性が極めて高いです。
眼科専門医の私が、その派手な見た目の正体と、やってはいけないNG行動、早く治すためのケア方法を解説します。
まずはスマホを置いて、深呼吸しましょう。大丈夫ですよ。
[著者情報]
この記事を書いた人:米田 充希(眼科専門医)
地域の中核病院で20年以上の診療経験を持つベテラン眼科医。「結膜下出血」でパニックになって来院する患者さんを数え切れないほど診察し、医学的根拠を持って安心させてきた。「目の健康アドバイザー」として、正しい知識の普及に努めている。
3秒で自己診断! その赤み、「結膜下出血」かもしれません
まずは、あなたの症状が本当に「結膜下出血」なのか、チェックしてみましょう。
鏡を見て、以下の項目を確認してください。
- 痛みがない(ゴロゴロ感程度ならOK)
- かゆみがない
- 目やにが出ない
- 見え方(視力)に変わりがない
- 血管の筋が見えず、べったりと絵の具を塗ったように赤い

いかがでしたか?
もし全て当てはまるなら、それは「結膜下出血」です。
見た目は派手ですが、医学的には「目の打ち身(内出血)」と同じようなものです。
放っておいても、1〜2週間で自然に血が吸収されて元通りになります。
失明することも、脳に影響することもありません。
なぜ赤くなる? 原因は「くしゃみ」や「飲み過ぎ」かも
「でも、ぶつけた覚えもないのに、どうして?」
そう不思議に思うかもしれません。
実は、白目の血管は非常に細くデリケートです。
「くしゃみ」「咳」「深酒」「目をこする」といった、日常の些細な動作で簡単に切れてしまうことがあります。
気づかないうちに寝ている間に目をこすってしまい、朝起きたら赤くなっていた、というケースも非常に多いのです。
また、加齢とともに血管がもろくなるため、40代以降は特に起こりやすくなります。
「脳出血の前兆では?」と心配される方が多いですが、結膜下出血単独であれば、脳の病気とは無関係です。
(ただし、頻繁に繰り返す場合は、高血圧や糖尿病などが隠れていることもあるので、内科で一度検査を受けてみることをお勧めします。)
早く治すには? 「冷やす」はNG、「温める」が正解です
「仕事があるし、早く治したい!」
そんなあなたに、正しい対処法をお教えします。
1. 蒸しタオルで温める
出血直後(赤くなってすぐ)でなければ、温めるのが正解です。
温めることで血流が良くなり、溜まった血液の吸収が早まります。
逆に、冷やすと血流が悪くなり、治りが遅くなるので注意してください。
2. コンタクトレンズは?
目に盛り上がりや違和感がなければ、装用しても医学的には問題ありません。
ただ、レンズの着脱時に患部を触って再出血するリスクがあるため、治るまでは眼鏡で過ごすのが無難です。
3. お風呂やアルコールは?
いつも通りで構いませんが、長風呂や深酒は血流を良くしすぎて再出血を招くことがあるので、ほどほどにしましょう。
治る過程で、赤色が黄色っぽく変化していくことがありますが、これは血液が吸収されている証拠ですので安心してください。
【要注意】こんな時はすぐに眼科へ! 危険な充血の見分け方
最後に、これだけは覚えておいてください。
以下の症状がある場合は、結膜下出血ではなく、治療が必要な病気の可能性があります。
- 激しい痛み、頭痛、吐き気がある
→ 急性緑内障発作の疑いがあります。失明のリスクがある緊急事態ですので、すぐに眼科へ行ってください。 - 視力が落ちた、かすんで見える
→ ぶどう膜炎や角膜炎の疑いがあります。 - 大量の目やにが出る
→ 流行性角結膜炎(はやり目)の疑いがあります。人にうつる強力な感染症です。
まとめ:見た目は派手ですが、心配いりません
鏡を見るとギョッとしますが、痛みがないなら「目のあざ」です。
脳の病気でもなければ、失明の前兆でもありません。
心配しすぎず、いつも通り過ごしてください。
もし職場で「目、どうしたの?」と聞かれたら、「ちょっと目をぶつけちゃって(笑)」
と軽く流せばOKです。
いちいち「結膜下出血で…」と説明するより、相手も安心しますよ。
どうしても見た目が気になるなら、伊達メガネでカモフラージュして出勤しましょう。
時間が経てば、必ず元の綺麗な白目に戻ります。お大事にしてくださいね。
[参考文献リスト]