長期介護を続ける中で、高齢者の母の筋力や体力が年々低下していることを実感しています。
特に脳出血後の右半身マヒによる要介護生活はすでに8年9ヶ月に及び、これまで懸命にリハビリを続けてきましたが、85歳を過ぎてからは明らかな衰えが目立つようになりました。
ここでは、着替え・トイレ・車椅子・リハビリといった日常介護の場面で感じる具体的な変化や課題を整理し、今後の介護の工夫について考えてみます。
高齢者の筋力・体力低下の現状
脳出血で倒れた直後は、要介護5の判定を受け、右半身マヒの状態からスタートしました。それでも母はリハビリを頑張り、左手の力で介助バーに掴まりながら座ることができるまでに回復しました。
しかし年月とともに体力は少しずつ低下し、「できていたことができなくなる」瞬間が増えてきています。
特に最近は、日常の小さな動作にも二人以上の介助が必要な場面が増え、介護の負担も大きくなっています。
着替え介助で見える筋力の衰え
以前は、ベッドの横に腰掛けて10分程度は自力で座位を保てたため、介助者が一人いれば着替えを済ませられました。
ところが現在は、2〜3分程度で体が傾いてしまい、もう一人が支えなければ着替えができません。「左手だけで体を支える力」が明らかに落ちてきたと感じます。
➡ 着替え介助では、
座位保持が難しくなった場合は、体幹を支える専用クッションやベルトを活用する
短時間で済むように前開きの衣服や伸縮性のある素材を選ぶ
といった工夫が有効です。
トイレ介助の難しさ
母は普段は紙おむつを使用していますが、食事前にはポータブルトイレに移動しています。
以前は、介助して立たせれば自力で立位を保てましたが、今では立ち上がる瞬間から支えが必要です。
特に、
立ち上がるための脚力が出ない
立位保持が不安定で転倒リスクが高い
という課題があり、介助者二人が同時にサポートしなければ安全にトイレ動作ができません。
➡ 対策としては、
昇降機能付きのポータブルトイレを導入する
手すりや床マットを設置して安全性を高める
といった方法があります。
車椅子での食事と姿勢保持
食事は車椅子に移動して行いますが、体幹を支える力が弱くなり、30分の食事時間を安定して座って過ごすのが困難になっています。
そのため、自分で食べ進めるよりも、介助者が食べさせる機会が増えてきました。
➡ 改善のポイントは、
リクライニング機能や姿勢保持クッション付きの車椅子に変更する
食事時間を分けて短時間で負担を減らす
ことです。これにより、誤嚥や疲労を防ぐことができます。
リハビリの継続と課題
現在も週1回のリハビリを続けていますが、寝ている時間が増えたため、全体的に筋肉を使う時間が減っています。
リハビリがあるからこそ現状を維持できているとも考えられますが、油断すると筋力低下が一気に進むリスクがあります。
➡ 寝たきり防止のためには、
ベッド上での軽い体操(足首回し、ストレッチ)
介助者と一緒にできる筋トレ(セラバンド運動など)
生活の中で体を動かす工夫(座位保持の練習や立ち座り訓練)
を継続することが大切です。
まとめ
長期介護を続ける中で、母の筋力・体力の低下は避けられない現実です。
しかし、着替え・トイレ・車椅子・リハビリといった日常の場面で工夫を取り入れることで、少しでも快適で安全な生活を維持できます。
介護する側にとっても、「二人必要な動作」が増えると負担は大きくなりますが、福祉用具や介護サービスを活用しながら、母の残された力を最大限に活かしていきたいと思います。