ボタニカルとは?オーガニックとの違いを知り、賢くおしゃれに暮らす「目利き」のルール

ボタニカルとは?オーガニックとの違いを知り、賢くおしゃれに暮らす「目利き」のルール

👤 著者プロフィール: 北山 しおり(ボタニカルライフプランナー / インテリアコーディネーター)

大手住宅メーカーのインテリア担当を経て独立。「植物と暮らす心地よい空間」をテーマに、個人宅のコーディネートやセミナー講師として活動。
「『ボタニカル』って響きは素敵だけど、実際何がいいの?と聞かれると答えに詰まってしまいますよね。私も昔はパッケージの雰囲気だけで選んで、肌に合わずに後悔したことがあります。失敗から学んだ『賢い選び方』をシェアします。」

ドラッグストアの棚や雑誌の特集で、「ボタニカル(Botanical)」という言葉を見ない日はありません。

パッケージには緑の葉っぱが描かれ、なんとなく肌に良さそうで、おしゃれな雰囲気。

でも、ふと隣を見ると「オーガニック」と書かれた商品も並んでいます。

「あれ? この2つって何が違うの? どっちが私の肌に合うの?」と聞かれて、自信を持って答えられますか?

実は、この違いを曖昧にしたまま「なんとなく良さそう」という雰囲気だけで選んでしまうと、思わぬ失敗を招くことがあります。

「植物由来だから優しいはず」と信じて使ったシャンプーで頭皮が荒れてしまったり、癒やしを求めて植物を買い込みすぎて部屋が管理不能なジャングルになってしまったり……。

これらはすべて、過去の私が経験した失敗です。

この記事では、曖昧な「ボタニカル」という言葉の正体を解き明かし、シャンプーの成分表示の読み方から、部屋がおしゃれに見える植物の黄金比まで、明日から使える「目利き」のポイントを解説します。

言葉の意味を知れば、もう雰囲気買いで迷うことはありません。

自分の基準でモノを選べる「賢い消費者」として、本当に心地よい暮らしを手に入れましょう。


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1分で解決!「ボタニカル」と「オーガニック」の決定的な違い

まずは、一番のモヤモヤポイントである「言葉の定義」をクリアにしましょう。

ここを理解するだけで、商品選びの視点がガラリと変わります。

結論から言うと、ボタニカル(Botanical)とは「植物の、植物由来の」という意味です。

ファッションやインテリアの文脈では「植物を取り入れたデザインやライフスタイル」を指し、食品やコスメでは「植物由来の成分を含んでいること」を指します。

ここで重要なのは、「栽培方法は問わない」という点です。

一方で、オーガニック(Organic)とは「有機栽培の」という意味です。

農薬や化学肥料を使わず、土壌の力を活かして育てられた植物を指します。

認証機関による厳しい基準をクリアしたものだけが名乗れる、非常に限定的な言葉です。

つまり、この2つの関係性は対立するものではなく、「ボタニカル(植物由来全般)」という大きな枠組みの中に、「オーガニック(こだわりの有機栽培)」が含まれているという包含関係にあります。

ボタニカルとオーガニックの関係図

「ボタニカル」は、オーガニックほど厳格な基準がない分、私たちの生活に幅広く、手軽に取り入れられるのが魅力です。

一方で、基準が緩やかだからこそ、私たち消費者がしっかりと中身を見極める「目利き力」が必要になるのです。


雰囲気買いは卒業。失敗しない「ボタニカルシャンプー」の選び方

「ボタニカル」という言葉が最も氾濫しているのが、シャンプーなどのコスメ分野ではないでしょうか。

ここで多くの人が陥るのが、「植物由来=肌に優しい」という思い込みです。

はっきり言います。ボタニカルシャンプーだからといって、必ずしも肌に優しいとは限りません。

なぜなら、シャンプーの品質を決めるのは、微量に含まれる「植物エキス」ではなく、ボトルの半分以上を占める「洗浄成分(界面活性剤)」だからです。

「ボタニカル」を謳っていても、洗浄力が非常に強い石油系の洗浄成分を使っている商品は山ほどあります。

失敗しないためには、パッケージの表側のキャッチコピーではなく、裏側の「成分表示」を見る習慣をつけましょう。

失敗しない成分表示のチェックポイント

ボタニカルシャンプーと成分表示の関係を理解すれば、「植物エキス配合」という言葉に惑わされず、本当に自分の頭皮に合ったものを選べるようになります。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 「植物エキス」の種類よりも、まずは「洗浄成分」がアミノ酸系かどうかをチェックしてください。

なぜなら、この点は多くの人が見落としがちで、どんなに高価なオーガニック植物エキスが入っていても、ベースとなる洗浄成分が強力すぎれば、頭皮の乾燥やトラブルを防げないからです。私もかつて「〇〇エキス配合!」という言葉に惹かれて買いましたが、洗浄力が強すぎて髪がパサパサになった経験があります。「何が入っているか(植物)」よりも「何で洗うか(洗浄成分)」を見る。これが賢い選び方の第一歩です。


部屋がジャングル化してない?心地よいインテリアの黄金比「緑視率」

次は、インテリアにおける「ボタニカル」の取り入れ方です。

「癒やされたい!」という一心で観葉植物を次々と買い込み、部屋が狭くなったり、管理しきれずに枯らしてしまったりしたことはありませんか?

心地よいボタニカルライフを送るために知っておきたいのが、「緑視率(りょくしりつ)」という指標です。

緑視率とは、「視界に入っている植物の割合」のこと。国土交通省などの研究によると、この緑視率が10〜15%程度の時に、人のストレス軽減効果やリラックス効果が最大になると言われています。

逆に、植物が多すぎて緑視率が高くなりすぎると、圧迫感を感じたり、湿気がこもったりして、かえって快適性が損なわれることもあります。

部屋をジャングルにする必要はないのです。

インテリアと緑視率のバランスを整えるためのポイントは以下の通りです。

  1. フォーカルポイント(視線が集まる場所)に置く: テレビの横やソファの横など、自然と目がいく場所に植物を配置します。
  2. 「柄」で補う: 生きた植物だけでなく、クッションカバーやアートポスターに「ボタニカル柄」を取り入れるのも有効です。これらも緑視率に含まれます。
  3. 育てやすさ優先: 初心者は「サンスベリア」や「ポトス」など、乾燥に強く手入れが楽な品種を1つ置くことから始めましょう。

無理に数を増やすのではなく、視界の1割ちょっとを緑にする。

これくらいのバランスが、現代の暮らしにはちょうど良い「ボタニカル」なのです。


よくある質問(アレルギー、ファッションなど)

最後に、ボタニカルライフを始めるにあたって、よく聞かれる疑問にお答えします。

Q. 植物由来なら、アレルギーの心配はありませんか?

いいえ、むしろ逆です。「植物だからこそ、アレルギーが出る」可能性があります。
花粉症が良い例ですが、特定の植物に反応してしまう体質の人は少なくありません。特に海外製のボタニカルコスメには、日本では馴染みのない植物エキスが使われていることもあります。敏感肌の方は、必ずパッチテストを行うか、過去に荒れた植物が入っていないか成分表示を確認してください。

Q. ファッションの「ボタニカル柄」って、花柄とは違うんですか?

一般的に、「花柄(フラワー柄)」が花そのものを可愛らしくデザインしたものを指すのに対し、「ボタニカル柄」は葉っぱ、茎、実なども含めた植物全体をモチーフにしたものを指します。
写実的で落ち着いたトーンのデザインが多いため、花柄だと甘くなりすぎると感じる大人の女性でも、ファッションに取り入れやすいのが特徴です。


まとめ:「なんとなく」から「自分の基準」へ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

「ボタニカル」とは、単なる流行語ではなく、植物の力を借りて私たちの暮らしを少し豊かにしてくれる、素敵な考え方です。

  • ボタニカルは「植物由来」、オーガニックは「有機栽培」。
  • シャンプーは「植物エキス」より「洗浄成分」を見る。
  • インテリアは「緑視率10〜15%」を目指す。

この3つの「目利きポイント」を知ったあなたは、もう雰囲気だけで選んで失敗することはありません。

「なんとなく良さそう」から卒業し、「これが私に合っているから選ぶ」という自分の基準を持つこと。

それこそが、ボタニカルライフを長く、心地よく続けるための秘訣です。

ぜひ、あなたらしい植物との付き合い方を見つけてくださいね。

[参考文献リスト]

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