家族の介護は、先に楽しみがないため辛いことも多い。
しかし、やってあげたことに対して『ありがとうね』の一言で、また、介護がんばろうと思える。
いつも優しく接してあげれるといいけど、接する時間が長くなると、それは難しい。
父の介護が始まる
パーキンソン病により、父の体の動きがだんだん悪くなり、要支援から要介護へ進んでいった。
介助することがだんだん多くなってくると、父からすると『して欲しいように介助してもらえない』と感じることも多くなり、介助する側からすると『してあげているのに言うことを聞いてくれない』と、関係性が悪くなってくることもしばしば。
自宅で介護していると、父からすると介助してもらうのは当たり前だという意識が強く、接している時間が長ければ長いほど、介護される側とする側の仲が悪くなっていく感じでした。
それがお互いのストレスにもなってきて、父も命令口調になったりすると、こちらも優しく対応してあげることが出来なくなっていました。
ずっと自宅で看てあげることが出来れば良かったのですが、深夜の頻繁なトイレ介助を何日も看てあげることが出来なくなったことで、ショートステイの利用をするしかなくなりました。
ショートステイに行くようになって父の変化
最初は、ショートステイに行きたがらなかったのですが、ショートステイで多少のリハビリもしてもらえるなどの理由をつけて、短期間のショートステイから慣れてもらいました。
短期間のショートステイの時は、施設に面会に行くことはなかったですが、ショートステイの期間が長くなってくると、途中で着替えを持って面会に行くようになりました。
不思議なんですが、ショートステイ期間中に施設に着替えを持って面会に行くと、帰るときには『来てくれて、ありがとう』と言ってくれるようになりました。
自宅に帰っている時には、全く『ありがとう』という言葉は出てきません。
『ありがとう』と言うのは介護施設に面会に行った時だけですが、これが魔法の言葉のように嬉しく感じるのです。
もっと何かしてあげようとか、もっと優しく接しようとか単純に思うことの出来る素敵なコトバが『ありがとう』なんです。
父は、施設に面会に行って帰る時だけ、この最強のことば『ありがとう』を使うので、言ってくれた時は、人一倍ありがたく嬉しく感じるのです。
父の場合は、ありがとうという意味の出雲地方の方言で『だんだん』と言うことが多かったです。
なので私が面会から帰る時には、『来てくれて、だんだん』と言ってくれました。
『だんだん』とは
出雲地方の方言で「ありがとう」という意味です
ありがとうを多く使うようになった
自分では以前からありがとうを言うようにしてましたが、父の『だんだん』を聞くようになって、さらに周りの人に『ありがとうございます』を多く使うようになりました。
今は、父から言われる『だんだん』=ありがとう が一番心に刺さる言葉かもしれませんね。
介護をしていて思わず感激してしまったのが、あまり言わない父が『ありがとう』を言ってくれるようになったことですね。
『ありがとう』の言葉に救われているかもしれません。